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FR車で雪道は危険?原因や対策まとめ|スタッドレスタイヤで大丈夫?
雪道を車で走行するとき、その車の駆動方式によって受ける影響も大きく変わってきます。
FR車とは、前方にエンジンがあり後輪を回して進む方式の車です。一般的には、FR車での雪道走行は危険であると言われています。なぜFR車で雪道を走行すると危険なのでしょうか。
FR車が危険と言われるのはなぜ?
FR車は後輪がスピンしやすいから
FR車は、雪道では後輪がエンジンパワーを路面に伝えることができず、すぐに空転してしまうと言われています。
まず、車を発進させるとき。駆動輪にかかる荷重が大きいほど、タイヤがしっかり踏ん張ることができるため、雪道でも問題なく発進できます。FR車の駆動輪は後輪ですが、エンジンが前にあるため後輪に荷重が少なくなります。そのため、雪道での発進は4WDやFFに劣ると言われています。
次に、車がまっすぐ走るとき。トラクション(車を前に進ませようとする力)が全てのタイヤにしっかりかかるほど、滑りやすい路面でも安定してまっすぐ進むことができます。4つのタイヤ全てに駆動力を分配できる4WDや直進性のよいFFに比べると、FRは後輪側が軽いためリアのトラクションが抜けやすく、滑りやすいと言われています。
車の後輪がトラクションを失い空転するということは、すなわち横滑りやスピンをしてしまうことにつながります。滑った車はハンドルを切っても思い通りの制御ができません。最悪の場合、対向車線に飛び出してしまうこともあります。
雪道の坂道発進はFF車より得意
意外にもFR車は雪の積もった坂道発進はFF車より得意です。
FF車は平坦な雪道では問題なく前に進むのですが、坂道では重心が後ろ寄りになりフロントの荷重が抜けてしまうため、前輪が空転してしまうことがあります。雪道でタイヤが空転してしまうと、その場でどんどん深く雪を掘ってしまうため、立ち往生してしまうのです。
FR車は坂道でもエンジンからタイヤへ、タイヤから地面へ力が伝わります。そのため、ゆっくりアクセルを踏めば、坂道でもしっかり登ることができます。
FR車で雪道を走るコツや注意点は?
“急”のつく操作をしないこと!
まず、どんな駆動の車でも言えることですが、雪道運転の基本は「急のつく操作は絶対しない」ということです。急発進、急加速、急ハンドル、急ブレーキをできる限り避けて運転するということが、積雪・凍結道路を走行する際に重要です。
また、FR車の特徴としてアクセルを踏むほどスリップしやすいので、ハンドルを切りながらの加減速は避けた方が良いでしょう。タイヤが空転するほど強くアクセルを踏まない、タイヤがロックするほど強くブレーキを踏みつづけない、という2つのポイントも意識しておく必要があります。
車の後ろに荷物を積むと効果アリ?
そのほかの対策として、荷物などを重り代わりにして後輪の位置に一つずつ積んでおくという対策もあります。FR車のリアが軽いことを、重りを積むことで解消するというわけです。
荷物はなんでもよいのですが、おすすめなのは砂袋です。重いうえ、タイヤが空転してしまったとき用のまき砂としても利用することができます。
同様に、坂道で滑って上手く登れないときには、後部座席に人を乗せたりトランクに重い荷物を載せることで、解消できる可能性が上がることもあるようです。
滑り始めてしまったらコントロールしやすい!?
雪道に弱いFR車ですが、後輪が前に進む力を路面に伝える仕組みのために、ハンドリングが軽快で思い通りに車を動かすこともできるというメリットもあります。前輪がグリップの限界を迎えてコントロール不能に陥ってしまうことも比較的少なく、運転に慣れている人であれば巧みに操ることもできるのです。
【動画】雪道をうまく滑りながら走行するFR車
動画は、雪道をうまく滑りながら走行するFR車の様子です。雪道なのでかなり滑っているのですが、車が向いた方向を逆にハンドルを切るカウンターステアをうまく使用して、スピンしないようにコントロールしています。しかしこの方法は運転上級テクニックですので、安易に真似をしないようにしましょう。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...