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ラジエーターの役割とは?構造や交換方法・費用、メンテナンス方法
ラジエーターとは?
ラジエーターとはエンジンが高温になるのを防ぐ部品です。
車は走るうちにエンジンの温度が高くなっていきます。特に夏場や渋滞中はエンジンの熱が冷めにくく、オーバーヒートなどの原因となります。
ラジエーターがついていることでエンジンの熱があがりにくくなり、オーバーヒートなどの重大なトラブルを未然に防ぐことができるのです。
ラジエーターの仕組みは?
ラジエーターは高温になったエンジンに冷却水を流して、エンジンの熱を効率的に冷ましています。細かな工程は以下の通りです。
- 走行中の風やファンによってラジエーター内の水を冷やす
- 冷却水がラジエーター(ロアータンク)に溜められる
- ラジエーターとエンジンを繋ぐホースから、冷却水が流れる
- 冷却水がエンジンの温度を下げる
- エンジンに流れた冷却水が再びエンジン熱によって高温になる
- 高温になった水がホースを伝って、ラジエーター(アッパータンク)に戻される
1~7の動作を繰り返すことでエンジンが高温になりすぎないように温度を調整をしています。
ラジエーターのメンテナンスは必要?
結論からいうと、ラジエーター本体のメンテナンスは必要ありません。しかし、冷却水をこまめに点検し、補充する必要があります。
冷却水の主成分はエチレングリコールというアルコールの一種です。エチレングリコールは時間経過や温度変化によって、徐々に劣化します。そのため、長い間同じ冷却水を使用していると正常に機能しなくなってしまう恐れがあるのです。
さらに、高温のエンジンを冷ます際に冷却水が蒸発するため、量が減ってしまうことがあります。冷却水の量が減ってしまうと、エンジンの熱が冷めにくくなります。
そのまま走り続けるとオーバーヒートなどを引き起こすことも。トラブルを未然に防ぐためにも定期的な冷却水の点検が必要といえるでしょう。
ラジエーターの交換は必要?
ラジエーター本体のメンテナンスが不要とはいえ、ラジエーター本体にも寿命があります。交換時期の目安は普通車であれば8~12年、軽自動車であれば6~10年です。
ただし、寿命を迎えるまえに故障するリスクがないとは言い切れません。たとえば、飛び石がラジエーターにぶつかって破損してしまうことも。そのほか、豪雪地帯では雪やほこりがラジエーターに詰まってしまい、風を送り込めなくなることも少なくありません。
少しでも異変を感じた場合はすぐにディーラーや整備工場に相談することをおすすめします。
ラジエーターの交換は自分でできる?
ラジエーターを交換するには冷却水を抜いたり、ホースを外したり、車種によってはバンパーやタイヤカバーなどを外す必要があります。
また、ラジエーター本体の取付方法を誤ってしまうとラジエーターが正常に動作しません。バンパー脱着の際にボディーを傷つけてしまう恐れも少なからずあるでしょう。
したがって、ラジエーターの交換はプロに依頼することをおすすめします。
ラジエーターの交換費用は?
ラジエーターの交換費用は1~2万円が相場です。ラジエーターだけでなくタンク部分やホースなどをすべて交換する場合は5万円ほどかかります。
特に輸入車の場合は部品代が高額になることから、ラジエーターやホース、タンクをすべて交換した場合、20万円近くかかってしまうことも。
ラジエーター交換時の注意点は?
ラジエーターのメンテナンスでは、冷却水の交換以外にも以下の2点を確認してください。
- ラジエーターホースに劣化または水漏れなどが見られないかどうか
- ラジエーターキャップが外れたり破損したりしていないか
どちらも冷却性能に関わる重要な部位なので、自分で作業する時は頭に入れておきましょう。とはいえ、プロに依頼すればこれらもあわせて確認してくれます。明らかに不具合がある場合は素直に依頼するのが確実です。
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- 執筆者プロフィール
- 岡本 修
- 1990年生まれ。レクサスISやアウディA4などを乗り継ぎ、現在はモデリスタ仕様のカローラクロスを所有。もともとセダンが好きだったものの、最近はSUVに興味が…。ブレーキメーカーで海外営業を担当し、数々の国際...