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サイドアンダーミラーはなぜ必要?ないと本当に危険?思わぬ車検不適合に注意
車高の高い車には付いていたサイドアンダーミラー
かつて、多くの車高の高いSUVやクロカンのボンネットには、左前方にコンパクトなミラーがくっついていました。
これはサイドアンダーミラーといい、運転席からの死角を減らす目的で取付けられるものです。主に、SUVやトラックなどの比較的車高が高い車種に取り付けられています。
左前方は、ドアミラーだけでは確認しにくく、運転席からは死角になりやすい部分です。サイドアンダーミラーは、こうした左前方を見やすくし、安全性を高めるために採用しているパーツなのです。
新型を除くトヨタ ランドクルーザー、ランドクルーザープラド、ハイエース、日産 エクストレイル、三菱 パジェロ、スバル フォレスター、スズキ ジムニーなど、かなりの種類の車にサイドアンダーミラーが採用されていました。
しかし近年、サイドアンダーミラーを採用した車種が減少していることをご存知でしょうか。
サイドアンダーミラー採用車種はどうして減っている?
なぜ、安全性を高めるためのパーツであるサイドアンダーミラーを採用した車種が減少しているのでしょうか。
まず、サイドアンダーミラーのメリットを三菱自動車の販売担当者は次のように説明します。
「サイドアンダーミラーのメリットは、死角を減らすことです。ドアミラーと違って、鏡面がかなり下向きになっていることが多いです。そのため、左前方の路面状況を確認できます。
例えば、走行中の路側帯(歩道と車道を区切る白線)の位置や、駐車時の枠なども目で見て確認できます。サイドアンダーミラーがあるのとないのとではかなり利便性が違うと思います。
さらに、左折時にはドアミラーでは映らない部分の確認が可能となるため、巻き込み事故の防止にも役立ちます。サイドアンダーミラーに慣れてしまうと、付いていない車の運転は不安だというお客様もいらっしゃいます。」
次にサイドアンダーミラーが減少している理由を、前述の担当者は次のように話します。
「乗用車や車両総重量3.5トン以下の貨物車は、車体の前方・側方に立っている人や障害物などをミラーもしくはカメラで撮影した画像などで間接的に確認できなければならないというルールがあります。
近年はデジタル技術の発達により、車載カメラが取り付けられています。
特に、車体を真上から全方位にわたって見下ろしているかのように映し出せるアラウンドビューモニターの普及によって、車の死角はかなり少なくなっています。見えない部分はないといっても過言ではないくらい、車の周囲がよく確認できます。
このアラウンドビューモニターによって、サイドアンダーミラーが不要になったといえるでしょう。
さらに、ドアミラーとサイドアンダーミラーを一体化させたミラーを採用した車も増えてきました。つまり、助手席側のドアミラーの下部に小さな補助ミラーを付けることで、死角となっていた部分が見えるようになったのです。
こうした理由により、サイドアンダーミラーを採用した車が減少しているのです。
当社でいえば、2005年に登場した初代アウトランダーにはサイドアンダーミラーがついていました。2012年に登場した2代目アウトランダーにも当初はついていましたが、マイナーチェンジモデルには付いていませんでした。
2021年に登場した現行型となる3代目アウトランダーにもサイドアンダーミラーは付いていません。」
実際に調べてみると、例えば、日産 エクストレイルは初代モデルにはサイドアンダーミラーが付いていましたが、最新型には付いていません。年式が新しくなればなるほど、サイドアンダーミラーを採用していない車種が多い傾向にあるようです。
- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...