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ながら運転するとどうなる?ながら運転のリスクと罰則を徹底解説!

ながら運転とは?

@BBuilder/stock.adobe.com
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「ながら運転」は、車の運転とは無関係な行為をしつつ運転している状態をさしています。ステアリングから手を離すのをはじめ、スマートフォンの画面を注視していたり、カーナビを操作していたりと運転に関係のない行為をひとまとめにして表現しているのが特徴です。

「道路交通法」第71条5の5では、以下のような文面で運転中にスマートフォンやカーナビなどの画面を注視してはならないとの法令が示されています。

自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百十八条第一項第二号において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。同号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第一項第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。第百十八条第一項第二号において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。

参照:e-Govポータル

道路交通法について詳しく知りたい方はこちら

ながら運転の危険性

以下の画像は、携帯電話使用等に係る交通事故発生状況をデータで作成しました。

ながら運転 携帯電話使用等に係る交通事故発生状況

参照:「やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用」(警察庁)

ながら運転が常態化した状態で車を運転していると、ドライバー自身のミスでの自損事故、他車への追突事故など交通事故を起こすリスクが高まります。結果、被害を受けた人が死亡するなどの事例もあるようです。

警察庁の調べによると、2022(令和4)年中に発生した「携帯電話使用等に係る交通事故件数」は合計で1,424件。携帯電話の画像を注視していた、あるいはカーナビの画面を注視していたのが原因で交通事故を引き起こしているのだそうです。

携帯電話などの使用が原因で引き起こされた交通事故により亡くなった人が出た場合の「死亡事故率」は、携帯電話などを使っていないのと比較して約2.4倍となっています。

どこからが「ながら運転」になる?

ながら運転と一辺倒に表現していても、実際は行為の細かな違いでながら運転に当てはまったり、当てはまらなかったりするケースがあるようです。

いくつか事例を挙げて、どのような行為がながら運転であるか、道路交通法第71条5の5に反した行為となるのか確認してみましょう。

例1:スマートフォンを手でつかんだ状態で相手と通話をする

ドライバーがスマートフォンを手でつかんだ状態で、相手と通話をしている行為ではどうでしょうか。

もし、車を走行させているタイミングで上記の行動を起こしていれば“通話保持”の行為にあたり、道路交通法違反で警察の取り締まりを受ける可能性があります。

信号待ちや路肩に車を停車させているシチュエーションで、スマートフォンを手でつかみ通話を行っているケースでは、道路交通法第71条5の5には当てはまらず違反にあてはまりません。

例2:スマートフォンやカーナビの画面を注視する

スマートフォンやカーナビの画面を注視しているシチュエーションでは、ながら運転に当てはまるのでしょうか。

これらのシチュエーションでは“画像注視保持”や“画像注視非保持”などの行為に当てはまり、道路交通法違反で警察の取り締まりを受ける可能性があります。

安全運転を心がけるなら、事前に目的地までのルートを確認したり、相手との連絡は運転中以外にするのが大切です。

例3:スマホホルダーに取り付けた状態でスマートフォンを操作する

カー用品店やホームセンターなどで販売されている「スマホホルダー」へスマートフォンを取り付けた状態で、画面を注視したりアプリ操作をしたりするとどうなるでしょうか。

結論から述べると、画面を注視する、あるいはアプリ操作をしなければ道路交通法違反にはあてはまりません。ただし、固定で設置しているカーナビと同様、画面を注視していたり、頻繁に視線を移したりするのであれば、道路交通法違反で警察の取り締まりを受ける可能性は否定できません。

ながら運転の罰則・反則金は?

この項目では、ながら運転をした際の罰則や反則金はどうなっているのか解説します。

2019年12月より道路交通法が改正されて以降の数値や反則内容は表のとおりです。大きくわけて2種類の罰則が示されています。

「ながら運転の罰則・反則金」

携帯電話使用等(保持)

1つ目が「携帯電話使用等(保持)」です。違反例には以下の要素があてはまります。

  • スマートフォンを手で保持した状態での通話
  • スマートフォンを手で保持して、画像を注視する

携帯電話使用等(保持)の罰則内容

  • 罰則:6ヶ月以下の懲役、または10万円以下の罰金
  • 反則金:1万2,000円~2万5,000円
  • 違反点数:3点

携帯電話使用等(交通の危険)

2つ目が「携帯電話使用等(交通の危険)」です。違反例には以下の要素があてはまります。

  • スマートフォンを手で保持した状態での通話
  • スマートフォンを手で保持して、画像を注視する
  • スマートフォンを手で持っていない状態で画像を注視する、あるいはカーナビの画面を注視する

携帯電話使用等(交通の危険)の罰則内容

  • 罰則:1年以下の懲役、または30万円以下の罰金
  • 反則金:適用なし(反則金制度の対象外となり、すべて罰則扱いとなる)
  • 違反点数:3点

ながら運転の取り締まり・罰則は強化されている

2019年の道路交通法改正に伴い、ながら運転の取り締まり・罰則は強化されています。

例えば、普通乗用車を運転していて、ながら運転による取り締まりを受けたシチュエーションでは、改正前と改正後で罰則の差が生じているのに注目です。

ながら運転の取り締まり・罰則 比較一覧表

携帯電話使用等(保持)

携帯電話使用等(保持)のケースで注目すべきポイントは罰則です。

道路交通法の改正前は「5万円以下の罰金」となっていたのが、改正後は「6ヶ月以下の懲役、または10万円以下の罰金」へ差し替えられています。

反則金や違反点数も大幅な増加がされている一方で、懲役刑も課せられる可能性が示されているのは欠かせない確認ポイントです。ドライバーが運転中にスマートフォンを手にもつ素振りでも違反に問われる可能性があります。

携帯電話使用等(交通の危険)

携帯電話使用等(交通の危険)のケースで注目すべきポイントは、“反則金が適用なし”となるのと“違反点数が高くなっている”点です。

反則金が適用なしとなりますが、同時に1年以下の懲役刑もしくは30万円以下の罰金が課せられることとなっており、他の違反内容と比較して重い罰則となる点は認識すべきでしょう。

また、ドライバー自身の運転免許に課せられる違反点数をチェックしてみると、改正前は「2点」であったのが改正後では「6点」となっています。改正に伴い、取り締まり前まで累積の違反点数が0点であっても、一発で免許停止(免停)処分を受ける流れへ変化しました。

改正後の大幅な厳格化により、スマートフォンなどを使用した危険な運転は行わないよう、安全運転を心がけるのが大切です。

ながら運転を防ぐための対処方法

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ながら運転を予防し、安全運転へ集中して取り組むにはどのような方法があるでしょうか。

この項目では、ながら運転を防ぐための対処方法を3つピックアップしてみました。

ハンズフリーキットを使う

1つ目が「ハンズフリーキットを使う」です。

仕事などで運転中にスマートフォンなどを通じた通話を行う際は、イヤホンやヘッドホンマイクの形状となっているハンズフリーキットを装着してやり取りをする方法があります。

ただし注意すべきポイントは、地域・自治体によっては条例で運転中のハンズフリーキットを使用した通話を禁止しているケースがあります。道路交通法に引っかかっていなくとも、自治体側の条例で禁止扱いとなっている可能性があるため注意です。

スマートフォンに搭載されている機能を上手に利用する

2つ目は「スマートフォンに搭載されている機能を上手に利用する」です。

運転中にスマートフォンの着信音が鳴ってしまい、電話へ出なければならないケースがあります。

しかし、スマートフォンには“数秒間経過してから電話に出る”などの設定ができる仕組みを取り入れていたり、声を発することでスマートフォン側が受け取り通話開始させたりと、さまざまな機能が搭載されているため、有効活用するのも重要です。

ただし、運転の前後でスマートフォン側の設定を行うようにして、運転中での操作は行わないようにしましょう。

欠かせない用事は運転する前後に済ませる

3つ目は「欠かせない用事は運転する前後に済ませる」です。

仕事での取引相手へ事前に通話やメッセージで連絡を済ませる、あるいはスマートフォンの「ドライブモード」を使って、運転中に着信があっても通話が使えない旨を示せるようにするのが重要です。

前述の2つの対策方法は“補足的要素”ですが、欠かせない幼児は運転の前後に済ませるという行為は、ながら運転を予防するなら真っ先に取り組みたい要素でしょう。

【実話】ながら運転の事故例

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警察庁の調査にもあるように、ながら運転が原因で死亡事故が発生しているケースが後を絶ちません。

この項目では、スマートフォンを使用した「ながら運転」により発生した死亡事故の実話を2件取り上げています。ながら運転の罰則を強化する前に発生した事故と、近年発生した事故をそれぞれピックアップしてみました。

【事故例1】20秒間、スマートフォンを注視していたら大惨事に

1つ目の事例は「20秒間、スマートフォンを注視していたら大惨事に」です。
2017年2月、埼玉県草加市で発生した交通事故で、当時38歳の女性が息子の手を引いて歩道を歩いていたところ、トラックにはねられて亡くなる事故が発生しました。

トラックを運転していた当時30歳の男性は取り調べを通じ、スマートフォンの地図を注視した状態で交差点の赤信号を無視。他の車と接触したのち、女性を跳ねたという事件が発生しました。男性には「自動車運転死傷処罰法違反」(過失運転致死傷)などの罪で禁錮2年6カ月の判決が下されています。

2017年当時は現在のながら運転処罰が厳格化されていなかったため、上記の判決となっていますが、もしも現代で上記の流れによる交通事故を発生させていたら、もっと厳しい処罰が下されていたかもしれません。

【事故例2】動画見ながら運転していたら女性を跳ね飛ばしていた

2つ目の事例は「動画見ながら運転していたら女性を跳ね飛ばしていた」です。

2023年4月、東京都目黒区の「柿の木坂」交差点で、74歳の女性が自転車に乗って横断歩道を渡っていたところ、交差点を左折してきたワゴン車が衝突。女性は意識不明で病院に運ばれましたが、その後亡くなりました。

ワゴン車を運転していた27歳の会社員は「過失運転致傷」で現行犯逮捕。事故を引き起こしたタイミングでは商品の配送を行っていましたが、最中に“携帯電話で動画を視聴しながら運転し、自転車に気づかなかった”と供述。ドライバー自身が、ながら運転をしていたと認めたのです。

本来、仕事中に動画を視聴していることも問題ですが、車の運転中に行っていたことでより悪質かつ犯罪と問われても止むを得ない事件も発生しているのが見受けられます。

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執筆者プロフィール
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新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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