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皆さんに伝えたい…現役整備士が嘆く不正車検!発生理由と所有者に罰則があるケースも解説

ディーラー車検で不正が起きたのはなぜ?

©Andrey Popov/stock.adobe.com

整備工場の許容量を超えた車検を行おうとした

ここでは私個人の推測をお話ししますが、ディーラー車検で不正が起きた原因は、過剰入庫が一つの大きな原因だと考えます。

高い売り上げ目標を達成するためや、ユーザーの依頼に応えるために、整備工場の許容量を超えた車検台数を入れ、検査員をはじめ整備士に無理な作業を強いたことが理由のひとつではないでしょうか。

「車検は短時間で終わる」というユーザーの誤解

そして、過剰入庫となった背景には、「車検ならすぐ終わるだろう」と安易に考えるユーザーにも原因があるのかもしれません。

それには「1日車検」「短時間車検」「45分車検」など、車検でどんな作業をしているのかをユーザーに教えることもせず、すぐに車検が終わると誤解させるような宣伝文句も原因の一つではないでしょうか。

さらに、1日車検をお願いする方のなかには朝10時に来店する予定が連絡もなしに昼過ぎに来店したり、「まだ車検が終わらないのか」と必要以上に急かす方も一定数います。

入庫が遅れればその分、作業が遅くなるのは当たり前ですし、ディーラーは1人のために作業を行っているわけではないので他の予定も狂ってしまいます。

風通しのよい職場・労働環境も大切

まとめると、不正車検が起こったのは「過剰入庫」「車検作業の誤解」の2つが大きな原因だと考えています。

もちろん、不正車検は絶対にしてはならない違法行為ですし、今回の不正車検に関して擁護するつもりはありません。

今回の発覚では、正規の方法で車検を行っているディーラーに対して、不要な不信感を持たせてしまったことも残念に思います。

しかし、ディーラーで車検を行っている検査員や整備士はこのような環境で日々作業を行っていること、そして、簡単に車検を通しているわけではないことを多くの方に理解してもらえればと思います。

ディーラー車検でわたしたちが配慮すべきこと

車を提供する自動車ディーラー
©luckybusiness/stock.adobe.com

車検日時を予約したら遅刻せずにディーラーへ行こう

車検当日には遅刻をせずにディーラーへ行きましょう。もしどうしても遅れてしまいそうな場合、事前に連絡を入れておくことで、遅れた場合でもスムーズに対応してくれます。

車の状態をほとんどチェックしない人は、車検の日程に余裕を持とう

車の状態が悪いとどうしても整備に時間がかかってしまいます。そのため、年式の古い車や走行距離の多い車の場合、ギリギリで車検をとおすのではなく、ある程度余裕を持って車検をお願いすることが望ましいです。

取り寄せ部品によっては、すぐに調達できないことがあります。

普段自分で車の状態をほとんどチェックしていない、もしくは状態が悪い車の場合、見積もりを事前に行い、部品が準備できてから車検をお願いするようにしましょう。

車検整備には専門的な知識と技術が不可欠です。愛車に長く、安心して乗り続けるためにも、ディーラーや整備工場と信頼関係を築きながらお付き合いしていきたいものですね。

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執筆者プロフィール
山北吏(つかさ)
山北吏(つかさ)
1989年生まれ。現役整備士(整備士3級)webライター。webライター歴は1年半。愛車はインプレッサ(GH8)。車に乗るなら絶対MT!実家が田舎だったこともあり山道は得意!整備士として働き始め3年目。前職は輸入業...

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