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オイルランプとは?点灯する原因と対象法・点灯中でも走行は可能?
オイルランプとは?
運転席メーターに備わる警告灯のなかでも、オイルランプはもっとも注意したいサインといえるでしょう。「魔法のランプ」のようなマークのオイルランプは「油圧警告灯」とも呼ばれ、エンジンの油圧が低下すると点灯する仕組みになっています。
エンジンの油圧はポンプによって圧送されたオイルにかかる圧力を指し、油圧が低下するとエンジン内部の潤滑が十分に行われず、金属同士が直接接触することでエンジンの損傷や破損を引き起こす恐れがあります。
そのためオイルランプが点灯したら、できる限り速やかに停車させ、エンジンを停止する必要があります。
オイルランプが点灯する原因
オイルランプが点灯する原因は以下の通りです。
- オイル量が少ない・オイルが漏れてる
- オイルポンプの故障・ストレーナーや内部の詰まり
- 油圧センサーの故障
オイル量が少ない・オイルが漏れている
オイルランプが点灯するもっとも多い事例はオイル量の不足です。漏洩やオイルの燃焼により、ポンプが十分な量を吸い上げられないほどまでオイル量が減少すると油圧が低下し、オイルランプが警告を発します。
また、走行中にオイルランプが一瞬だけ点灯する症状や、オイルランプが点いたり消えたりする症状も、そのほとんどがオイル量の減少に起因する症状です。
車の揺れや傾きに加え、加減速やコーナリング時にかかる慣性力によってオイル液面が傾き、瞬間的にオイルを吸い上げられない状態に陥ることでオイルランプが一時的に点灯します。この症状はエンジンオイルの量が少ないほど起こりやすくなります。
オイルポンプの故障・ストレーナーや内部の詰まり
非常に稀であるものの、ポンプが故障した場合もオイルを圧送できなくなるため油圧がかからずオイルランプが点灯します。また、異物や汚れによってオイル吸入口(ストレーナー)に備わるフィルターやオイル通路が詰まった場合にもオイルの圧送ができなくなるためオイルランプが点灯することがあります。
オイルとともに交換されるエレメント(オイルフィルター)は目詰まりを起こしたとしてもバイパス回路が備わっているため詰まることはありません。ただし、オイルフィルターが目詰まりを起こして機能できなくなると、ろ過できなかった汚れがエンジン内部に蓄積し、ストレーナーや通路の目詰まりが起きやすくなります。
油圧センサーの故障
油圧低下を検知するセンサーが故障した場合もオイルランプが点灯します。また、稀に劣化したセンサーに付着した異物によってショートを起こしオイルランプが点灯するトラブルもあるようです。これらの場合はエンジンやポンプ自体には問題がないため、走行してもエンジンにダメージを与えることはありません。
ただし、センサーが断線した場合は多くの車種でオイルランプが点灯しなくなります。油圧センサーはエンジンにとって非常に重要な警告灯であるため、オイルランプが点灯しないトラブルは、点灯する事よりも危険な状態といえるでしょう。
日頃からエンジン停止状態かつキーオンの状態でオイルランプが点灯していることを確認しておくことも大切です。
オイルランプが点灯したときの対処法
オイルランプが点灯したときの対処法は以下の通りです。
- 車を安全な場所へ停める
- エンジンオイルの量をチェック
- ロードサービスやガソリンスタンド等に相談する
1.車を安全な場所へ停める
走行中にオイルランプが点灯した場合は、直ちに安全な場所へと車を停め、エンジンを停止しましょう。高速道路上であっても、オイルランプが点灯したら即時路肩へ停車させてください。
高速道路では三角停止表示板を掲示して後続車に危険があることを伝える義務があります。また、携帯電話もしくは付近の緊急電話から道路緊急ダイヤル「#9910」へ電話をかけ、道路管理者への通報も忘れずに行いましょう。
2.エンジンオイルの量をチェック
オイルランプが点灯した際は真っ先にオイル不足が疑われるため、まずはオイル量を確認してましょう。まず下回りを点検し、オイルがエンジン周りから滴り落ちる状態であればオイル量を確認するまでもなく、オイル漏れが点灯の原因であると断定できます。
明らかなオイル漏れがない場合は、以下の手順でエンジン内部のオイル量をチェックを行います。ただし高速道路上では後続車に追突される恐れがあるため、自分で点検は行わずに即刻ロードサービスへ救援を要請してください。
オイルレベルゲージの使用方法
- ボンネットを開ける
- エンジン脇の黄色いリングに指を欠けてオイルレベルゲージを引き抜く
- オイルレベルゲージの先端付近についたオイルを布などで拭き取る
- オイルレベルゲージを元の位置まで差し込む
- もう一度オイルレベルゲージを引き抜き、先端に付着したオイルの状態から油面の高さを確認する
オイルレベルゲージ先端には規定オイル量の上限と下限を示すマークが備わっており、オイルがこの範囲内まで付着していればオイル量はおおむね正常です。
近年の欧州車はオイルレベルゲージが備わらず、別途設けられたオイル量警告灯や車内の車両モニタリングディスプレイで確認する車種が増えているものの、その場合にはオイルランプが点灯する前に何らかの異常を警告していることでしょう。
3.ロードサービスやガソリンスタンド等に相談
オイルが不足している状態での走行はエンジンの破損を引き起こす可能性が高まるため、付近のガソリンスタンドや整備工場へ相談するか、ロードサービスに連絡して救援を求めましょう。
オイル漏れがなく、単純にオイル不足が原因の場合はオイルを補充すれば復帰できます。ただし明らかなオイル漏れやセンサーの故障など、その場で修理や原因特定できない故障の場合は速やかにレッカー移動をしてもらってください。
オイルランプが点灯中でも走行してもいい?
オイルランプが点灯したら速やかに停車させ、その後はエンジンを動かさないのが鉄則です。オイルランプ点灯の原因がオイルの不足や圧送不良であった場合、そのまま走行を続けるとエンジンの調子を崩すばかりかエンジン内部が焼き付き、修理できないほどの損傷を引き起こす恐れがあります。
それに加え、走行中に重度のエンジン焼き付きが起こると車は急減速し、場合によってはタイヤがロックして車を制御できない事態に陥ります。その際はエンジンが停止しているため負圧が確保できずにブレーキも効きづらく事故は必死といえるでしょう。
また焼き付きの程度によっては、オイルや燃料の漏洩の果てに車両火災へと発展する危険もあります。
エンジンオイルは定期的に点検・交換をしよう!
オイルはエンジンの血液とも称されるほど重要な部品であり、オイルランプが点灯する事態は故障の一歩手前ともいえるほど重篤な状態です。そのためエンジンオイルは、オイルランプを点灯させないように管理することが必須です。
定期的にオイル交換を実施することで量を適正に保てます。また日頃からオイルレベルゲージでオイル量をチェックしておけば走行距離あたりのオイル減少量を把握できるとともに、オイル漏れにもいち早く気づけます。
スポーツカーやターボ車、古い車ほどオイルが減りやすい傾向にあるため、該当する車ほど高頻度のチェックが必要です。上記の車以外にも、オイルフィルターの取り付け部からのオイル漏れにはとくに注意しましょう。
またオイル量が適正であれば安心というわけではではありません。過度に劣化したオイルは粘度が低下してエンジン内部の潤滑不良を引き起こすとともに、抱え込んだ汚れがストレーナーやオイル通路を詰まらせます。
オイルの量と状態を適正に保つためには、オイルフィルターも含めて走行距離や期間に応じた定期的な点検と交換が大切です。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...