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ハイマウントストップランプの仕組みと役割|保安基準や車検に通らないときの理由は?
目次
ハイマウントストップランプとは?
ブレーキランプと言えば車両後方の左右それぞれに1つずつ装着されているブレーキランプ(制動灯)ですが、それとは別にもう1つハイマウントストップランプと呼ばれる補助制動灯も存在します。
ハイマウントストップランプの仕組みと役割
ハイマウントストップランプの役割は減速していることを後続車へ伝えることです。
フットブレーキをかけた時のブレーキランプの点灯でも判断できますが、ブレーキランプよりも高い位置に設置されたハイマウントストップランプで後続車のドライバーに確実に伝える意図があります。
これはハイマウントストップランプの別名が補助制動灯であることからも想像できます。
2006年から装着が義務化
ハイマウントストップランプは「道路運送車両の保安基準」の第39条の2(補助制動灯)において言及されています。その記述によれば、乗車定員が10人未満の乗用車、並びにバン型の貨物自動車で車両総重量が3.5トン以下のものにはハイマウントストップランプを装着しなければならないとされています。
補助制動灯の義務化は2006年(平成18年)1月1日に始まりました。つまり車両年式が2006年以降になっているものは、補助制動灯が基本的に装着されていることになります。
そうなると2006年以前にどのように取り決められていたのかが気になるところですが、保安基準によると平成17年12月31日以前に制作された自動車は補助制動灯を自動車後面に備えることができると記されています。
これらから、保安基準が2005年と2006年明確に分けられていることがわかります。
ハイマウントストップランプの交換方法
ハイマウントストップランプの交換はとても簡単です。車いじりに慣れている方なら30分もかからないでしょう。
まずは、ランプを選びます。近年ではLEDを採用するユーザーが増えています。
LEDランプを採用すれば消費電力が少なく長寿命なので交換時期のスパンを長くとることができるからです。
ランプ選びの際には、発光色は「赤色」と決められていますから違反にならないよう注意してください。
取り外し方
まずは既存のランプを取り外すところからスタートします。
車種により若干方法が異なることがありますが、大まかな取り外し作業の流れは同じです。
ここで取り外し方法の流れを掴むことができれば自車の特性やランプの特徴を調べるだけで簡単に取り外しをすることができます。
① 車室内にあるカバーを外す
リアガラス上部にポッコリと膨らんでいる箇所にハイマウントストップランプが埋め込まれています。ロックボタンといって、カバーを固定するものがある場合はそのボタン中央部をドライバー等で押します。そしてリアガラス側にスライドさせるようにしてカバーを外します。
② バルブを取り外す
カバーを取り外したら、赤いレンズ部分やソケットなども取り出すことができるので、既存のバルブを取り外します。
取り付け方
ランプを購入する際には、自車のソケット形状と新規取り付けランプのバルブ形状が合致しているかを確認しましょう。
① ソケットにランプを挿し込む
バルブをソケットの奥までグッと挿し込むとパチンという音がします。これで挿し込み完了です。
② 赤いレンズとカバーを取りつける
車側にもカバー側にもツメがありますので、ツメの位置を合わせて取り付けましょう。
③ 作動確認をする
ランプは非常に重要なカーパーツです。特にブレーキ時の点灯の役割を持つ極めて重要なパーツなので作動確認は必ず行うようにしましょう。一人で確認しなければならないときは、なるべく白色に近い色の壁にバッグで駐車し、ブレーキを踏んでルームミラーやサイドミラー等で赤いランプが点いていることを確認します。
ハイマウントストップランプの車検時の保安基準とは?
ハイマウントストップランプはブレーキ時に点灯させる重要パーツですので、保安基準をしっかりと守るようにしましょう。
前述の通り、日本では2006年からハイマウントストップランプの装備が義務化されています。ハイマウントストップランプの保安基準は次の通りです。
・車両中心部に取り付けられていること
・取り付け位置は地面から0.85m以上で、ブレーキランプ(制御灯)よりも高い位置に取り付けること
・ブレーキランプ(制御灯)と連動して点灯すること
・ランプの色は「赤色」であること
他にも細かい基準が設けられていますが、ざっくりとまとめると上記4点が重要ポイントとなります。
ハイマウントストップランプが車検に通らないときの理由は?
電球やLED切れを起こしているから
想像するに容易ですが、灯火するはずのものが電球切れ・LED切れなどで点灯していない場合には車検に通りません。
「道路運送車両の保安基準第2章及び第3章の規則の適用関係の整理のため必要な事項を定める告示」の第43条3項のホに「補助制動灯は、制動灯が点灯する場合のみ点灯する構造であること」とされています。
つまり、装着されているのであれば、ハイマウントストップランプが制動灯点灯時に点灯するのは必須ということです。
常時点灯してしまっているから
先ほど説明したように、ハイマウントストップランプはブレーキランプの点灯と同じタイミングで点灯しなければなりません。常時点灯しているということはこの条件を満たさないので車検に通らなくなります。
後続車の運転手目線で考えれば、常にブレーキランプが光っている状態と言っても過言ではなく、追突事故を誘発する危険性があります。
色や点灯パターンが不適合だから
ハイマウントストップランプはブレーキランプと同じように色や点灯パターンが事細かく定められています。それに適合しない場合には車検に通らないので、基本的には純正あるいはそれに準じたものを使いましょう。
ハイマウントストップランプ部分へのスモーク施工は車検OK?
「道路運送車両の保安基準」を読む限りでは、スモーク施工は車検にOKともNGとも記載されていません。
しかし、スモークを施せばハイマウントストップランプの光量が小さくなり、補助制動等しての本来の役割を果たすことができなるなる可能性があることから、純正のハイマウントストップランプに施工しないのが無難と思われます。
ただし、社外品のハイマウントストップランプで車検に対応した商品が販売されているので、カスタムの際にはそういったアイテムを利用するのがおすすめです。
ハイマウントストップランプ交換は簡単!自分でやってみよう!
ハイマウントストップランプの交換方法から車検時の保安基準について解説しましたが、いかがでしたか?
ハイマウントストップランプの交換はあまり難しくないということが分かりましたね。
危険な作業を伴わず、作業時間もあまりかからないので気軽に自分で交換することができます。
これをディーラーなど専門店にランプ交換をお願いすると、倍以上の費用と工賃がかかることがあるので自分で交換してみることをおすすめします。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...