更新
キャンピングカーの人気オプション!サイドオーニングの魅力と注意点
キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です
おすすめのサイドオーニオングは?
カーサイドオーニング(以下サイドオーニング)とは、キャンプ時などに車を利用して展開する日よけ&雨よけのことです。
タープの一部を車に連結する「カーサイドタープ」と同一視されるケースもありますが、ここでは「車両に常設し、ロールスクリーンのように幕を引き出すことのできる日よけ」をサイドオーニングとして取り上げます。
多くのビルダーでオプション品として用意され、キャンピングカーでは定番の装備とも言えます。
また、ほとんどのモデルで後付けが可能です。
とはいえ本体価格で10万円前後、取付工賃を含めるとさらに費用がかかり、判断に迷うところもあるはずです。
今回はそんなサイドオーニングの魅力と欠点、おすすめの製品をご紹介します。
サイドオーニングの魅力
キャンピングカーユーザーを中心に人気の装備、サイドオーニング。
通常は左右どちらかのルーフ付近に装着し、車の脇にプライベートな空間を生み出します。
普段はコンパクトに収納されており、取り付けた状態で車検を通過できます。
改めてそのメリットを確認してみましょう。
キャンプサイトの設営・撤収の手間を軽減
最大の魅力はなんと言っても、一瞬でキャンプサイトに屋根を生み出せること。
安定性を高めるためペグダウンが推奨されていますが、テントやタープを張るときに必要なポールの組み立て、布の展開、ロープの結束、ペグで地面に固定するといった設営の手間がほぼ不要になります。
ハンドルを回すなどして広げる手動タイプ、ワンタッチで自動展開する電動タイプがありますが、脚の調節を含めてさほど時間はかかりません。
一瞬で屋根が張り出す様子には感動を覚えるでしょう。
設営の手間が減るぶん、調理やアクティビティにかける時間と体力が確保されることは大きなメリットです。
収納時は逆の作業をするだけなので、急な雨などでもすぐに収納できます。
設営・撤収の手間の軽減は「一度使ったら手放せない」と感じさせるほどユーザーに好評です。
自由にアレンジできる拡張性
最大まで広げてアウトドアリビングとして使うほか、少しだけ展開して庇(ひさし)のように使うユーザーもいます。
エントランスから出入りする際、雨に濡れず靴や上着を着脱できるため便利だそう。
オプション品を購入することでカーサイドテントのように使うこともできます。
完全に目隠しをしてプライベートルームにできるタイプから、蚊帳(かや)のようにメッシュ生地になっているタイプまで、各社から販売されています。
照明などのオプション品もあるため、車の横にひとつの部屋が誕生します。
工夫次第で、いろいろな使い方ができるのも魅力です。
メンテナンスが容易
大きな面積をもつテント生地やタープ生地は、収納にもコツが必要です。
とくに雨天時の撤収は大変で、たたむ過程で余計に汚れたり、車内が濡れたり……。
帰宅後に干し場所や収納場所の確保に苦労することもあります。
サイドオーニングも枯葉や砂を払い、よく乾燥させて巻き取ることは同じです。
濡れたまま巻き取るとカビや故障の原因となります。
また、収納部に雨水が入ることがあるので定期的な展開が推奨されています。
しかし、サイドオーニングなら自宅駐車場でも簡単に展開できますし、地面に触れることなく幕を広げられるので、乾燥や拭き取りが容易です。
これまでのキャンプで、タープの後始末に苦労していた人には、とくにおすすめできます。
サイドオーニングの欠点と注意点
あっという間にオープンエアのリビングができる便利な装備ですが、注意点もあります。
決して安くはないオプション品となるので、使い方をイメージしてから購入するのがおすすめです。
使用できない場所がある
テントやタープと同じように、サイドオーニングは定められた場所以外では展開しないのが基本です。
たとえば公共の駐車場や道の駅など、キャンプ行為が禁止されている場所では展開できません。
RVパークでも使用が禁じられている場合が多くあります。
サイドオーニングは「基本的にオートキャンプ場で使う装備」と考えておくのが安全です。
そのように考えると、サイドオーニングの価値は「年に何回くらいキャンプ場に行くか」に左右されます。
頻繁にキャンプを楽しむキャンパーなら、サイト設営の手間が大幅に軽減されるサイドオーニングは真価を発揮します。
逆に市街地のRVパークでの車中泊が中心なら、使用機会がなかなか訪れないということになるでしょう。
使用時にも注意点が
風にあおられて破損する恐れがあるため、強風時には使用できません。
飛んでくる火の粉への注意なども、タープと同じように必要です。
また、一度展開すると、車だけを切り離して移動するということができません。
買い出しや入浴など、車を移動させたい場合はサイドオーニングを完全に収納してから出かけることになります。
そのため、キャンプサイトに着いてから頻繁に車を出し入れしたい人には向きません。
取り付けは信頼できる業者に
故障につながるほどの悪影響はないと考えられていますが、車両の片側にだけ10kgから30kgの重量物が載ることになります。
バランスの変化など、走行中に少しでも異変を感じたらディーラーやビルダーに相談しましょう。
DIYをするユーザーもいますが、車体に穴を開ける工法となるケースも多いため、取り付けは信頼できる業者に依頼することをおすすめします。
固定が不十分だと落下の恐れがあるほか、コーキング剤の不足などから車内への水もれを起こすことがあります。
おすすめはFIAMMA「F45S」
国内で流通するサイドオーニングにはいくつかのブランドがありますが、定番はイタリアのFIAMMA(フィアマ)社。
キャンピングカー関連用品を扱う老舗で、バンライフのメッカである欧州で実績を積んだ機能性には定評があります。
日本でも多くのキャンピングカーに採用されている一般的な製品のため、入手や修理がしやすいのもメリットです。
補修パーツも国内で比較的容易に手に入ります。
サイズ展開が豊富であることも選ばれる理由。
「F45S」の場合、軽キャンパーにも装着できる190cmから、200、230、260、300……と多様なサイズが輸入されています。
サイズが大きくなるほど幕の横幅・出幅も大きくなります。
本体価格は200サイズで10万円ほど、400サイズで15万円ほど。
別途工賃がかかります。
機能を拡張するオプションパーツが豊富なのも同社製品の魅力です。
たとえば「オーニングハンガー」を購入すれば、LEDランタンなどを簡単に吊せます。
また、他社製品でも「FIAMMAに対応」と記載されたスクリーンやテントを購入すれば、カーサイドテントのように使うことができます。
FIAMMAのほかには、スウェーデンのDometic(ドメティック)やTHULE OMNISTOR(スーリー オムニスター)のサイドオーニングも、日本で比較的入手しやすい製品です。
オートキャンプの可能性は無限大
サイドオーニングは輸入品が主流であることから、日本車に対応させた適合車種一覧のようなものはなく、各社がケースバイケースで判断して取り付け実績を積んでいます。
ルーフの形状などから、安全に固定できることがもっとも重視されるでしょう。
サイドオーニングほど大がかりでなくとも……という場合は、冒頭に述べたカーサイドタープをはじめ、「バックドアテント」「カーサイドテント」「バックドアオーニング」など、車周りの空間を充実させるキャンプギアも多く販売されています。
オートキャンプ場を舞台に、車の機能を拡張して楽しむキャンプ。
可能性が無限大に広がりそうです。
ライター:SAYA
キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信!
- 執筆者プロフィール
- 車旅情報Webマガジン「DRIMO」
- キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジンです(https://news.drimo.jp/)。実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるラ...