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【EENOURインバーター発電機】実際の使い心地を検証!防災&アウトドアにも!!

キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です


車中泊旅では、電気が使用できる環境作りはもはや必須。

電源(サブバッテリーやポータブル電源など)を充電する方法としては、走行充電・外部電源からの充電・ソーラー充電などあるが、防災の観点からも外部の環境や天気に影響されない「発電機」を備えておくことは非常に有用だ。

地震や毎年のように起こる大雨・台風などの自然被害。

かくいう私も2019年に台風被害に見舞われたが、その経験からも、やはり『アウトドア用兼非常用電源』はあるに越したことはない。

また、最近は人々の災害に備える意識も高まっているように見受けられる。

そんなこんな考えているときに、新しいポータブル発電機を試す機会があった。

なんと燃料として、ガソリンとLPガスの両方が使えるという。

すぐさま自分の車中泊用バンに積んで実際に動かしてみて、色々と検証してみた。

発電機の一般的な利点について

2019年の9月初旬に、私の住んでいる房総半島は台風の直撃で大きな被害を受け、その影響で停電や断水が長く続いた。

私の家も壊れたりしたところもあったが、私自身は無人島でのキャンプ生活や車中泊に慣れているおかげで狼狽える程の不便を感じることもなく、むしろ車中泊装備のありがたみを再認識した程度で済んだのだが、多くの人が何日間にも及ぶ大きな不便を強いられた。

電気が止まってしまうと井戸や貯水タンクのポンプが動かなくて、水道が回復しただけでは水が使えなかったところもある。

また、水道が回復しても電気が回復しなければ電気給湯器は使えないし、浄化槽(下水道のない田舎では戸別に合併浄化槽を設置する必要がある)が稼働しないのも困りものだ。

停電は、家電製品が使用できないだけでなく、困ることがこの他にもまだまだ色々とある。

こうした非常時用としてポータブル電源(バッテリー)は大変有効だが、バッテリーが使えるのは当然ながら蓄電量次第で、水中ポンプのようなあまりに負荷の大きい機器には使用できない場合もある。

ソーラーパネルでポータブル電源に充電することもできるが、日光が出ていなければ充電はできない。

そうなると頼りになるのは、十分なパワーのあるポータブルのエンジン式発電機(以下前の部分を省略して発電機)だ。

そんなこともあってか、3年前のちょうど今頃、インフラの回復が進んだ後も暫くの間この辺りのホームセンターの入り口付近にはポータブル発電機がドドーンと並ぶことになった。

3年経った現在も、あれ以来ホームセンターの中での発電機の存在感や地位が心なしか高くなったような気もする。

前置きが少々長くなってしまったが、今回EENOURというブランドのDK3500iEDFという発電機を試用させていただく機会を得たので、使い勝手を検証するとともに発電機について色々と考えてみた。

EENOURインバーター発電機「DK3500iEDF」について

DK3500iEDFについて説明する前に、EENOURについて簡単にご紹介しておこう。

EENOURは、ポータブル電源市場で深い知識と経験を培ってきたメンバーが集結して2020年に創立した比較的新しいブランドだ。

そして、今回ご紹介するDK3500iEDF以外にも発電機は大小数種類のラインナップがあり、発電機以外にもやはり大小数種類のポータブル電源とソーラーパネル、その他ポータブルクーラーや冷蔵庫など、キャンプや車載に便利な様々な電源類と電気製品を各種揃えている

電源類と電気製品の両方を同一ブランドで揃えている例はあまり多くないのではないかと思うのだが、まるで私も含めたDRIMO読者に向けた製品を取り揃えているような印象だ。

そして、製品をざっと見回したところ、全体機にデザインが洒落ているところも◎だ。

発電機はどこのメーカーも似たようなデザインが多いように思うのだが、今回ご紹介するDK3500iEDFは特に特徴的でカッコイイ。

一目見た時にすぐに思い浮かんだのはGショック。

そしてiPhone登場以前に使っていたauの携帯電話が思い浮かんだ。

防水とゴツさを売りにしていた電話機だった(調べたら2006年頃のだった)のだけど、色が白とオレンジとグリーンがあって、私が使っていたのがグリーンで、まさにこのDK3500iEDFとよく似た色で雰囲気も似ていて懐かしさを感じてしまった。

それはさておき、DK3500iEDFの具体的な特徴やアピールポイントなどからご紹介しよう。

EENOURインバーター発電機のポイント①:インバーター発電機であること

DK3500iEDFはインバーター発電機だ。

インバーターは周波数を整え、出力を安定させる装置のことだが、逆に言えばこれがない発電機は出力波形がいびつになってしまい、周波数も出力も安定しない。

例えば扇風機のような単純にモーターを回すだけの機器や、ヒーターなどなら多少安定していない電気でもよいのだが、周波数と出力の安定した良質な電気が必要なケースは多い。

それがどんなものかと言えば、例えばパソコンやスマートフォンなどの充電、テレビ、IH炊飯器や電子レンジなどマイコン制御の機器、充電工具のリチウムイオンバッテリーやポータブル電源の充電などがこれに該当する。

要するに車中泊で使用したいような電気製品の多くは、インバーターで整えられた良質な電気である必要があるのだ。

限られた用途で、それを理解した上でコストをセーブするためにインバーターなしの発電機を使うのはよいとしても、非常時やキャンプのために発電機を用意するのであれば、インバーター発電機であることが必須と考えて間違いない。

そして、もちろんDK3500iEDFは50Hz/60Hzの周波数切り替えもできるので、東日本/西日本どちら用の電気製品も安心して使用可能だ。

EENOURインバーター発電機のポイント②:2種類の燃料

DK3500iEDFはレギュラーガソリンとプロパンガスの2種類の燃料を使用できる

災害時はガソリンスタンドに長蛇の列ができることもあるが、都市ガスではなくプロパンガスの地域であれば、ガソリンがなくても家のプロパンガスで発電することができてしまう。(※ 専用のガス供給ボックスを液化ガス整備士に設置してもらう必要あり)

長期保存が可能で運搬も簡単なLPガスは、災害時の復旧も早い。

また、LPガスのボンベが使える状況であれば、LPガスを使用する大型のバーベキューグリルなどとも燃料の併用ができ、キャンプでも便利だ。

(※ 専用のガス供給ボックス以外からガスを供給する場合は、LPガス単段式調整器・検圧プラグ・専用ガスホースなどが別途必要)

2種類の燃料を使うことができるとこういった利点がある。

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今回は実際にLPガスの使用を試すことはできなかったが、LPガスを使用するときは付属の圧力調節器をここに繋ぐ

また、プロパンガス用の機器をカセットガス(CB缶)で使用できるようにするアダプターが市販されているが、近年プロパンガスの充填(じゅうてん)が難しいこともあるため、キャンピングカーでこういった物を使用している人も多いのではないかと思う(LPガスは契約している家のボンベでないと充填してもらえないことがある)。

カセットガスも使えれば尚便利だ。

しかしこういった物を使用する場合は一応メーカーにも相談した方がよいと思う。

EENOURインバーター発電機のポイント③:出力

発電機の能力を測る上でなんと言っても重要なのは出力だ。

DK3500iEDFの定格出力はガソリン使用時で3.2kVAプロパンガス使用時で2.8kVAもある(VA=Wだが、発電機の出力表示は通常VAを使うようだ)。

なんとガソリンの場合で起動電力3500W、定格で3200Wまで使えるのだ。

ポータブル電源では定格出力2KWでもかなり大掛かりな部類になるため、3KW以上なんて要らないと思うかもしれないが、それは早計だ。

これはポータブル電源を選ぶ際にも当てはまることだが、使用する機器の定格消費電力だけで電源選ぶわけには行かないのだ。

パソコン・テレビ・ヒーターなど主にモーターを使わないような機器は消費電力に合わせて少し余裕があれば基本的に大丈夫だ。

しかし、例えば電子レンジの起動電力は消費電力の1.1~2倍、冷蔵庫やクーラーは2.1~4倍が目安とされている。

例を挙げると、消費電力1300Wの電子レンジは出力1.8kVAクラスの発電機では使えない可能性があることになる。

また、同時に幾つかの電気製品を使っている場合は、例えば冷蔵庫のコンプレッサーが回り始めて発電機が止まってしまう(過負荷がかかって保護回路が働く)ようなケースも考えられる。

複数の電気機器を同時に使用するなら、十分余裕を持って選ぶ必要もある

特に災害時など、家庭の電源の代わりにと考えるなら、3.2KWの能力も決してオーバースペックではないと思う。

電動工具も大きな起動電力を必要とするものが多いが、コンプレッサーや水中ポンプなどは特に大きな起動電力が必要だ。

これくらいのパワーがあれば、そうした工具類もかなり本格的に使用できると思う。

EENOURインバーター発電機のポイント④:セルスタートとリモコン

エンジンの始動は、チェーンソーや刈り払い機(草刈機)の使用経験がある人にはロープを勢いよく引っ張って始動するリコイルスターターがお馴染みで、多くの小型発電機もこれを採用しているが、実は慣れていない人や力の弱い人にとってはちょっと厄介な代物でもある。

しかし、DK3500iEDFにはなんとセルモーターが内蔵されていてワンプッシュでもエンジンを始動できてしまうのだ。

昔のCMだったら「奥様にも……」とか「ママさんも……」などといった少々臭いフレーズが浮かんできそうだが、ともかく大変便利であることは間違いない。

しかし、これだけで驚いてはいけない。なんと無線のリモコンでスタート/ストップまでできてしまうのだ。

リモコンまで……といった気もしなくもないが、離れた場所から機器の使用を止めたいようなシチュエーションがあるなら便利だ。

EENOURインバーター発電機のポイント⑤:運搬

車内での収まり具合はこんな感じだ。

重量は26kgとなっている。

決して軽いとは言えないが、このクラスの能力の発電機としては軽い方になるようだ。

20~30kgと言えばシングルのシーカヤック1艇程度の重さに例えられる。それを車の屋根に1人で積み下ろしする人は多い。

そうと考えると普通の体力の男性には全く無理のない重さだ。

そして、最初に見た時に随分ごついリコイルスターターだなと思ったのは、伸縮式のバーのハンドル部分だった。

丈夫なキャスターもついていて、スーツケースのように片手で引いて運ぶことが可能となっている。

大袈裟でなく、これを使うと本当に楽ちんで、ホイールも大きくしっかりしているので、結構地面がラフでも大丈夫だった。

またまた、昔のCMに出てきそうな「奥様にも……」のフレーズが思い浮かんでしまった。

EENOURインバーター発電機のポイント⑥:デジタルマルチメーター

DK3500iEDFには多機能なデジタルマルチメーターが搭載されていて、燃料残量、累積使用時間、周波数、出力ワット数や電圧などをすぐ確認できる

実験だったからこういった数値がわかるのは大変面白かったが、もちろん面白いだけではなくて実用性も大変高いであろうと感じた機能だ。

また、過負荷時やオイル不足時の状態もLEDライトで表示される

こういった機能もあると安全・安心だ。

そして、点火プラグ、エアクリーナーやオイル関係などのメンテナンスなども簡単にできるようになっている。

長く安全に使用するためには、こういったことも非常に重要だ。

EENOURインバーター発電機のポイント⑦:音について

発電機にはエンジン音と排気ガスがもれなくついてくる。

真っ先に思い浮かぶのは、縁日の屋台の少し高めで響き渡るようなエンジン音だ。

また、少し古いアメ車のキャンピングカーとかに搭載されていた発電機には、近くでこれを回されると何事が起こったのかと思うような音を発し、本体のV8・5Lクラスのエンジンの方が余程マシだと感じるような代物もあった。

DK3500iEDFのエンジンは、諸元表を見ると空冷4ストロークOHV、145ccとなっている。

少なくとも2ストロークエンジンよりは静かで耳障りな音ではなさそうで、匂いも弱いことは想像がつく。

そして実際にエンジンを始動してみると、かなり抽象的な表現にはなってしまうが、音質は昔の(現在も?)縁日でよく聞いたディーンとかデデデデのような感じの音とは少し違っていて、もう少し低めのボボボボとかブブブブといった落ち着いた感じの音色だった。

音量は、機側7m四方向の平均値で59dBとなっている。

こう言われてピンとくる人は少ないと思うが、感覚的には4ストローク単気筒の大人しめの250ccのオートバイのアイドリングの音程度かなあといった印象だった。

決して静かとは言えないが、昔使ったことがある発電機と比べると随分静かになったものだと感心したのも事実だ。

少し惜しいと思った部分

忖度なしに少々惜しいなあと感じたこともお伝えしておこう。

一つ目はシガーライターソケットの直流12V出力がない点だ。

クルマが絡むと何かとシガーライターソケットから給電する機器を使用することは多い。それらを簡単に使うことができないのは少々残念に感じた。

もう一つ付け加えておくと、ポータブル電源のシガーライターソケットは10Aのことが多いので、できれば12V・15Aの電源が取り出せたらありがたいと思った。

また、タンクのガソリンをポンプで抜き出す際、これが結構面倒臭かった。

(※ガソリンを車両で運搬する際、消防法16条により「KHK消防法適合品(容器の密閉できる構造)の容器で運搬しなければならない」と規定されている)

タンクから簡単に燃料を排出できるコックなどあればよいのではと思ったのだが、それはそれで法的な問題があったりするからないのだろうか?

この点はよくわからない。

しかし、もちろんガソリンが漏れたりすることもなければ、車の中で本体が倒れる心配なども全くなかった

同じ室内で車中泊もしたのだが、匂いが気になることもなかったので、燃料やオイルの漏れの心配もなさそうではある。

クルマ旅で使用する上での注意点

機械としての使用上の注意点は説明書にしっかり記載があるので、そんなことをここに連ねても意味がない。

ここではクルマ旅にこういったタイプの発電機を導入する上で、モラル的に注意が必要なことなどを一応書いておこうと思う。

キャンプ場やRVパークなどで使用する場合は、無断で使用して後からトラブルになるようなことは避けたい。

当たり前のことだと思うけど、事前に施設の管理者に使用の可否の確認をする必要はある。

そして、使用可能だったとしても一番問題となるのはやはり音だ。

気持ち良く施設を利用するためにも周囲の人への配慮は必要だ。

先程音についての項目で書いた音質・音量に関してはあくまで個人的な感想で、人によって感じ方は全く違うし、同じ音量であってもシチュエーションによって聴こえ方はまるで違ってくる。

例えば電車やバスの中でそこにいる人同士が会話していても気にならないのに、何故か同じ音量で携帯電話で話している人の声はうるさく感じるなんてこともある。

発電機の音に関しても、これと似たような感覚を抱く人がいそうであることを想像した方がよいと思う。

例えば、発電機を回すのは日中の周りも比較的賑やかな時間帯のみにし、その間にポータブル電源に充電しておいて、夜は充電した電気を使うようにするなどといった使い方はどうだろうか?

しかしこれもあくまで一例であって、これさえ通用しない場合もあると思うし、当然ながら私がこれならOKと判断を下すことでもない。

こういった音や匂いの出るもの(DK3500iEDFの排ガスの匂いはあまり気にならなかったが)を使用する場合は、マニュアル通りのような判断の仕方をするのではなく、また当然ながら自分の権利ばかり主張するのではなく、状況に応じて使う人各々が適正な判断をし、他人とトラブルにならないような配慮をして使用することが大切だ。

終わりに/理想の使い方

普通のキャンプ場やRVパークのような場所で発電機を使用する場合は、前述の通り細心の注意を払うべきで、状況によっては潔く使用を諦める必要もあると思う。

しかし、クルマ旅でこれが本当に威力を発揮するのは、そうした施設ではない場所だ。

諸事情により、それがどんなところか具体例を挙げるわけにも行かないが、そういった領域に達したいのなら安易に人に聞くのではなく、知識と経験を積み重ねて自分で見つけたり判断したりするべきだ。

また、実現できるか否かは別として、私が最も理想的だと思うのは必要十分な程度の容量の蓄電池とソーラーパネルとこのEENOURDK 3500iEDFを備えて、トレーラーハウスで公的な電力に頼らないオフグリッド生活を送ることだ。

ソーラーパネルは十分な日光がないと発電できないから、ソーラーパネルのみに頼るのは案外現実的ではない。

また、ソーラーパネルと蓄電池の規模をあまり大きくするより、ソーラーパネルと発電機を併用する方が設備全体が小さくまとまってよいように思う。

そしてこの程度の発電量で済むように生活の仕方を工夫することもまたよい。

トレーラーハウスなら地目の変更(結構お金がかかったり面倒だったり不可能な場合もある)の必要もないし、建物の固定資産税もかからない。

大袈裟になり過ぎない規模であれば気分次第で家の向きを変えてみたり、家ごと他の場所に移動したりもできる。

このクラスの発電機は私の想像する夢のような生活に必要不可欠な装備の一つといえるだろう。

【EENOURインバーター発電機】同シリーズの製品はこちら▼

ライター:笠原 サタン

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執筆者プロフィール
車旅情報Webマガジン「DRIMO」
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