MOBY(モビー)自動車はおもしろい!

MOBY[モビー] > メーカー・車種別 > 超小型EV・超小型モビリティとは?何人乗りで市販されているの?
メーカー・車種別

更新

超小型EV・超小型モビリティとは?何人乗りで市販されているの?

見かけるようになった超小型モビリティ、今後はどうなるのか

@scharfsinn86/stock.adobe.com

最近、超小型EVを目にする機会が増えてきました。ピザなどのファストフードのデリバリーや、コンビニエンスストアの配達サービスなどで利用され、商業用としての普及は、少しずつ進んでいます。

一般ユーザー向けにもEV車両は次々と登場し、普通車以外にも、日産 サクラのような軽自動車EVも登場しています。

超小型モビリティには3つの区分があります。第一種原動機付自転車とほぼ同じ扱いを受ける「ミニカー」と、原付以上軽自動車未満の「超小型モビリティ(型式指定車・認定車)」の2種類です。

どちらにも共通するのは、高速道路の走行はできないということです。あくまで一般道だけを走行できる、日常使いの小さなクルマという位置づけになります。

「スズキ流のジョーク?」役所の政策にやる気のなさがにじみ出たQ-conceptとは【推し車】

ミニカーと超小型モビリティの違いは?

ミニカー

ミニカーは、車両の長さ2.5m以下、幅1.3m以下、高さ2.0m以下で最高速度60km/h、定格出力0.6kw以下で乗車定員が1名のクルマです。ナンバープレートは水色のものが使用され、車検制度はありません。

EVが登場する以前に、エンジン車にもミニカーに該当する車両がありましたが、小型EVに関しては、最近新しい基準が定められました。

トヨタ COMS
@Ned Snowman/stock.adobe.com

街中で見かける1人乗りの電気自動車(例:トヨタ COMS)は、道路交通法上の分類は自動車であり、運転するのには普通自動車免許が必要な一方で、道路運送車両法上は第一種原動機付自転車(ミニカー)に分類されるので、車庫証明や車検を必要とはしないのです。

超小型モビリティ(型式指定車・認定車)

超小型モビリティには、型式指定車と認定車の2つがあります。

型式指定車で、2名乗車ができるものに関しては、ミニカーではなく軽自動車の扱いになります。

最高速度や定格出力、ボディサイズの規定は第一種原動機付自転車(ミニカー)と同じになりますが、ナンバープレートは黄色です。これに該当するのがトヨタのC+podとなります。

認定車は軽自動車と同様のボディ規格(長さ3.4m以下、幅1.48m以下、高さ2.0m以下)で、定格出力が0.6~0.8kW、最高速度は個別の制限を付与されたものを指します。

マイクロカー(ミニカー)は原付免許で運転できる?おすすめ車種3選

COMSとC+podに試乗!実用性、快適性はどう?

トヨタには、ミニカーに該当する小型EV・COMSと、型式指定車の超小型モビリティ・C+podがあります。

どちらもトヨタディーラーに試乗車が置いてあるケースは少なく、実際に乗って性能を確かめるのが難しいクルマですが、筆者が実際に乗ってみました

トヨタ COMS

まず、COMS。ミニカー区分であり、装備は最小限です。走る曲がる止まるという、車に必要な最低限の装備のみで、エアコンはもちろんなし。オプションを付けなければドアもありません。

ゴルフをされる方であれば、ゴルフ場を走る電動カートを思い浮かべてもらうと良いと思います。

車という期待感を持って乗ると、なんだこれという感想にたどり着くだけですので、原付バイクあたりからイメージを膨らませていくほうが良いと思います。決して快適とは言えない車内で、モーター音も大きく、道路からの突き上げなどもよく拾います。

それでもヘルメット無しで屋根があって、時速60㎞まで許容され、準車のように使えるのは便利です。自転車やバイクの代わりの新しい移動手段として考えるのはアリだと思います。

ミニカーの維持費としては、自動車税が3,700円、自賠責保険が12か月で7,000円程度、任意保険はマイカーを保有していれば、ファミリーバイク特約で補完できるため、保険料は数千円程度です。これに走行するための電気代がかかります。(満充電で100円前後、40㎞程度走行可能)

トヨタ C+podの運転席

C+podは軽自動車のため、しっかりと税金はもちろん、車検代などもかかってきます。

乗ってみるとCOMSよりはもちろん広く、こちらは冷房のみのエアコンが付いています。カップホルダーやトレイなどもあり、両側にドアもあるため、C+podは十分に車を感じられる商品です。

ただし、走り出すとCOMSで感じた電動カート感が拭えません。振動は大きく、こちらもモーター音がしっかりと中に入ってくる感じ。また、外の音も車内に入り込んで来るので、一般的な車の中の静寂には、程遠い印象でした。

両車ともに、小回りが利き、さらに自分の手足のように楽に動かせるのは、運転が苦手なユーザーにとって助け舟になりそうです。時速60㎞で頭打ちになる速度も、40㎞/h程度まではパワフルに速度が乗っていくので、交通の流れを妨げる心配も少ないと思いました。

車といわれなければ、移動手段としてはアリというのが、筆者の意見です。

イベント会場などでは実車の展示や試乗ができる機会があるので、トヨタ関連の地域イベントなどで見かけたら、積極的に乗ってみてもいいと思います。

漫画「三丁目の夕日」にも登場!超軽車「フライングフェザー」は知ってる?【推し車】

普及への道は険しい!軽EVとの勝負には完敗

続々と登場し始めた超小型モビリティ、超小型EVですが、現在、車を所有している人にとって乗り替えを検討しうるものでしょうか?

結論から言うと、原付バイクや自転車からC+pod、COMSという選択はアリですが、車から利便性を求めて乗り換えるという道は、C+podでもおすすめは出来ません。あくまで補助的な車という位置づけになり、一般的な自動車として使用するなら、軽EV(日産サクラ等)を選ぶ方が、現実的です。

日産 サクラ

現在の日本の道路事情では、普通の車を選ぶ方が良いですし、手軽に乗るなら原付バイクや自転車の方が、便利なようにも感じます。ミニカーや超小型モビリティ専用の道などが出てくると話は変わりますが、そのような動きも現在のところありません。

ですから、今のところは一般家庭への普及は難しく、ルート営業やデリバリーサービスなどの限られた用途で利用されるのが現実的な使われ方なのだと思います。

クルマ移動が必要な地方などで、免許返納後のお年寄りでも安全に使える装備などが整えば、需要は増えていきそうな気がしますが、ミニカー、超小型モビリティともに、もう3歩ほど進化しなければならないでしょう。

超小型モビリティに対する、大規模な法改正や優遇措置等が無ければ、まだまだ普及へは厳しい状況です。

軽乗用車初の「ハイブリッド」も!実験車か伝説枠の名車か?

電動キックボード規制はなぜ緩和されるのか?

「信念」や「ワクワク感」をシルエットに体現したスバル車たち

執筆者プロフィール
Red29
Red29
1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...

\ この記事が役に立ったらシェアしよう /

MOBYをフォローして最新記事を受け取ろう

すべての画像を見る

画像ギャラリー

コメント

利用規約

関連する記事

関連キーワード