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【トヨタ カローラ レビン(TE27型)】オーバーフェンダーを持つ初代走り屋
目次
カローラ レビンの誕生はラリー好きエンジニアの一言から
初代カローラ レビン TE27型が誕生したのは1972年。きっかけとなったのは、ラリー好きでワインディングロードを走破することを趣味としていたシャシー担当技師・久保地氏が、当時の主査(開発責任者)に「セリカ用の開発エンジン・2T-Gをカローラに載せたらどうか」と提案したこと。そのアイデアに興味を持った主査が企画し、開発がスタートしました。
初代カローラ レビンは、2代目カローラ(TE20型)をベースとする派生車種。車名となったレビンとは英語で「Levin=稲妻」に由来します。しかし、車名決定に至る当初の社長案ではズバリ日本語で「鷲(わし)」だったのこと。車名に鷲が採用されていたら、と考えると非常に興味深いものがあります。
ニイナナ カローラ レビン。デザインは精悍で硬派
ファンの間では型式TE27型から「ニイナナ」と呼ばれる初代カローラ レビン。2代目カローラとの差別化のためにフロントグリルの意匠には変更がかけられ精悍に。また、過度なエアロを装着しなくても、ビス留めされたオーバーフェンダー(タイヤのワイド化などのため外付けされるパーツ)に幅広タイヤのみで、絵になりました。
ボディバリエーションは2ドアクーペのみ、カラーバリエーションもオリーブ(インデアナポリス・オリーブ)と、オレンジ(モンテローザ・オレンジ)の2色のみ。内装も硬派で、カラーは黒で統一。インパネは6眼式メーター、本革巻きステアリングにベンチレーションホール付きバケットタイプ型シートが採用されたのです。
初代カローラ レビンは軽量で俊足!WRCにも参戦
カローラ レビン TE27型の全長は3,955mm、ホイールベースは2,335mmでコンパクト。このサイズはトヨタ現行モデルとなる86のグレード Gと比較すると、86の全長は4,240mm、ホイールベースは2,570mmとなり、レビンがいかに小さかったかがわかります。また、特筆すべきは車両重量で、初代カローラ レビンは855kgと非常に軽量でした。
サスペンションは前輪をストラット、後輪をリーフ・リジットとし、トランスミッションは5速MT、エンジンは1.6L 直列4気筒DOHCを搭載。このエンジンは前述した通りセリカ用に開発されたソレックス製ツインキャブ仕様の2T-G型となり、最高出力は115PS、最高速度は190km/hを達成しました。さらに軽量だったカローラ レビンは加速性能も抜群で、目安となるパワーウェイト・レシオは7.4kg/psと、かなりの俊足だったことが見てとれます。
TE27型には前述の2T-G型ハイオク仕様の他にも、レギュラー仕様の2T-GR型も存在。最高出力は若干小さい110PSとしています。1973年にはマイナーチェンジを実施し、フロントグリル周りの変更をするとともに、1.6L 直列4気筒OHVとしたカローラ レビン Jが追加されました。
初代カローラ レビンはその俊足を生かし、ラリーにも参戦。オベ・アンダーソン率いるトヨタ・チーム・ヨーロッパ(TTE)はTE27型を駆り、トヨタ初のWRC優勝を獲得しています。
カローラ レビン TE27型は改造車が多くノーマル車は稀少
カローラ レビンはAE86をはじめ人気車種。そのため、年式が古い車でも流通量は少ないながら出回ることもあります。しかし、出回る場合でもノーマル車は殆ど無く、改造済みが多数です。現在の中古車価格は138万~330万円。レストア具合は丹念にチェックすることがおすすめです。(2019年10月時点)
トヨタ カローラ レビン TE27型のスペック詳細
エンジン:1.6L 直列4気筒DOHC(2T-G型)
最高出力:115PS/6,400rpm
最大トルク:14.5kg・m/5,200rpm
ボディサイズ:全長 3,955mm 全幅 1,595mm 全高 1,335mm ホイールベース 2,335mm
車両重量:855kg
トランスミッション:5速MT
駆動方式:FR
乗車定員:5人
新車時車両価格:-
*本記事の画像は2019年9月にMEGA WEB トヨタ シティショウケースにて開催された新型カローラ・カローラ ツーリング メディア発表会にて撮影
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本日の在庫数 104台 平均価格 306万円 支払総額 63~1,100万円
- 執筆者プロフィール
- 石黒 真理