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N-BOX登場前の“国民車的軽自動車”はコレ!スズキの一人勝ちだった「ワゴンR」の黄金期【推し車】

ワゴンR王国、最後の栄光

最先端の軽自動車としてトールワゴン販売競争の先頭に立つワゴンRには常に新機軸が求められ、3代目ワゴンR RR(ダブルアール)はスズキ初の直噴ターボを積んだ

鉄板の国民車的な人気を誇る軽自動車といえば2023年現在ならホンダ N-BOXで間違いありませんが、それ以前に軽自動車で1人勝ちしていたのは、スズキのワゴンRでした。

1993年に初代デビュー時は大して期待されていなかったものの、実際には軽自動車のみならず日本車そのものに革命を起こした歴史的名車となり、ライバル各社から軽や小型車で数々のフォロワーを生むものの、しょせんは二番煎じとばかりワゴンR人気は継続。

しかし王座とはいつか誰かへ譲るもので、2012年以降はN-BOX(2011年12月発売)に抜かれるものの、ワゴンR最後の黄金期となったのが、今回紹介する3-4代目です。

後席両側スライドドア全盛期となった今でも、反スライドドア派にはワゴンRを好むユーザーがいて、MOBY編集部がAIに聞いた「30-40代のクルマ好きが気になる名車」にも一応ノミネートされています。

筆者としても、「深夜のドン・キホーテに行くと、ジャージ姿の若いカップルや子連れ夫婦の乗るワゴンRで駐車場が一杯だったな…」と、思い出深い?クルマです。

「スティングレー」で人気が加速した3代目(2003年)

スズキが本気になればオラオラ顔の1つや2つ!と本気を出し、ムーヴ カスタムを擁するライバル、ダイハツを青ざめさせたワゴンRスティングレー

小型車/普通車並の衝突安全性能が求められた軽自動車の新規格化(1998年10月)以降も2代目が大ヒットしていたワゴンRですが、2003年にモデルチェンジした3代目でもその人気は変わりません。

2代目途中で右1+左2の変速4ドア車廃止、AT車の全車コラムAT化、リアシートスライド追加による後席の居住性改善といった改良が矢継ぎ早になされたのも、作れば売れる人気と、流行の牽引役として迫るライバルをブッチ切る新鮮味が求められたがゆえ。

3代目では一新されたプラットフォームと運転席/助手席エアバッグ標準装備など衝突安全性能強化、最小回転半径の縮小による取り回し性能の強化で、より安全で運転しやすい軽自動車としての魅力を強化し、スポーツモデルのRR(ダブルアール)には直噴ターボを採用。

ただし、この頃になるとライバル各社が「標準モデル」に加えて「カスタム」などデザインや使い勝手など多彩な魅力を追加した派生モデルを多数展開して追撃しており、やや白物家電化していたワゴンRもマンネリ化の打破は急務です。

そこで2007年に登場したのがワゴンR初のカスタムモデル「ワゴンRスティングレー」で、ボンネットを持ち上げ厚みを増したフロントマスクには通常版と全く異なる横基調デザインのディスチャージヘッドランプやスケルトングリルを装着。

この「チョイ悪系ワゴンR」によって、それまで社外品エアロ頼みだったのが、品質の高い純正でアグレッシブデザインとなったほか、フロント先端左右の見切りがよくなって運転もしやすくなるなど、バランスの良さでライバルに差をつけました。

これで一番慌てたのは最大のライバル、ダイハツ ムーヴで、2006年にモデルチェンジした4代目の「ムーヴカスタム」が丸っこいスマート路線だったのでワゴンRスティングレーに全く太刀打ちできず、後期で大がかりなフェイスリフトを余儀なくされています。

ワゴンR最後の黄金時代、4代目(2008年)

リヤシートスライドと後席ドア拡大で乗車スペースの効率アップ、居住性を大幅に改善した5代目ワゴンR、初代N-BOX発売前の軽自動車ベストセラーといえば、スティングレーを含むこのワゴンRだった

2008年に4代目へモデルチェンジした頃もワゴンR人気は不変でしたが、気になっていたのはダイハツ タントのような、超ハイルーフのスーパーハイトワゴン。

タントと同ジャンル車で後席両側スライドドアを軽自動車で初採用した「パレット」を2008年1月に発売するなど、スズキとしても対応しつつ、依然として主力のワゴンRも、4代目ではスペース効率を重視したモデルチェンジとなりました。

すなわち、初代以来の伝統だったリアクォーターウィンドウを廃止、そのぶん後席ドアを拡大して乗降性を向上させるとともに、リアシードスライド機構を160mmまで拡大して、前後方向の乗車スペース増加による大掛かりな居住性改善を敢行したのです。

その結果、純粋な荷室スペースは減ったもののシートアレンジ次第でどうにもなりますし、単純に「荷物が少ない時は後席ひろびろ」という評価を得て、2011年12月に初代ホンダ N-BOXが発売されるまでの販売台数トップは、ワゴンRの天下が続きました。

2010年8月の改良では、一時期スズキ製軽自動車/小型車で最大の特徴となっていたジャトコ製のハイ/ロー2段切り替え式な副変速機付きCVTを採用、加速性能と燃費性能の両立に成功、走行性能と実用性(スペース効率)を高い次元でバランスさせています。

もっとも、それらはあくまで「N-BOXやタントのような新世代スーパーハイトワゴンほどではない」レベルであり、絶対的なスペース効率や、スライドドアもなく乗降性でも劣るワゴンRの黄金時代は、この4代目は最後となったのです。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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