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【日産 フェアレディ 280Z-T 2by2】淑女の名にふさわしいフラッグシップ

世界でヒット!グローバルモデル・フェアレディZの歴史

日産 フェアレディZ 280Z-T 2by2 外装 フロント
ロングノーズ・ショートデッキの伝統的スポーツカー・フォルムは先代から継承した。

フェアレディZは1969年にデビュー。始祖となるダットサン フェアレディシリーズの北米販売で確かな手ごたえを感じ、それを受けて世界に通用するグローバルモデルとなるフラッグシップ・スポーツカーとして誕生しました。企画・開発の指揮をとったのは、当時設立間もない米国日産(現:北米日産)社長「片山豊」氏。ダットサンブランドでのピックアップトラックは、アメリカでも故障も少なく高評価を得ていましたが、米国日産を担うに値するフラッグシップモデルが未だなく、それに見合うモデルが必要不可欠との理由からでした。

高度なスペックとスタイリングをもち、なおかつ価格も安ければ、ピックアップトラックで壊れない車を作るメーカーであることはすでに周知済み。ようやく理想どおりに完成した初代フェアレディZの販売網開拓に、米国日産は小さなディーラーも漏らさず丁寧にアピール。その結果、初代フェアレディZは約10年にわたり販売され、世界総生産台数は約55万台を記録するロングセラー車となり、アメリカでは敬愛を込めてダッツンズィと呼ばれています。

フェアレディZはそののち6代にわたり進化を遂げ、今でもフラッグシップ・スポーツカーとしてGT-Rとともに日産の双璧を担っています。また、フェアレディZの生みの親ともいえる片山豊氏はアメリカではレジェンド・ミスターKとして讃えられ、1998年に全米自動車殿堂入りを果たしました。

コンセプトは継承!フェアレディZ S130型 2by2は洗練装備で人気に

日産 フェアレディZ 280Z-T 2by2 外装 フロント・サイド
大ぶりのソフトカラードバンパーはマイナーチェンジ後全車に標準装備された。
日産 フェアレディZ 280Z-T 2by2 外装 サイド
かなり後方に位置するドライバーズポジションはスポーツカーならではだ。

1978年フェアレディZは2代目となるS130型にバトンタッチ。ボディタイプには先代同様「2シーター」「2by2(4人乗り)」が用意されました。先代のコンセプトであるスポーツカーらしいロングノーズ・ショートデッキスタイルは継承しつつも、ボディサイズを若干大きくすることで、室内スペースを余裕のあるものに拡大しています。

2代目フェアレディZで特筆すべきは、何といっても2by2タイプが装備をはじめ、より洗練され充実化。性能を低下させることなく快適な操作安定性を図ったことだといえるでしょう。なかでも280Z-T 2by2は最高速度は当時の国産車トップクラスを誇りつつ、エアコン・パワーウィンドウ・アルミホイール標準装備となる最上位グレード。こうして確立されたラグジュアリーなスポーツカーという魅力は現在でもフェアレディZの代名詞となっているのです。

1980年には国産初となるTバールーフ仕様を追加。オープントップ仕様はダットサン フェアレディ以来となるもので、のちにZ32型まで採用されることとなりました。(Tバールーフとはオープンカーの種類の1つで、ルーフパネルの中央部を強度のため残した形状をもつもの。70年代に米国で厳格化された安全基準クリアのため、当時のモデルに採用されることが多かった)

日産 フェアレディZ 280Z-T 2by2 外装 リア
リアオーバーハングは先代より拡大している。
日産 フェアレディZ 280Z-T 2by2 内装 インストルメントパネル
先代より格段に近代的となったインストルメントパネル。逆V型の2本スポーク・ステアリングは当時の最先端だ。

外装デザインが先代コンセプトを踏襲したものであるのに対し、内装デザインは大幅に刷新。インパネは近代的デザインが採用され、ステアリングにも洗練された2本スポーク逆V型に変更されました。しかし、先代からのデザインレイアウトであったセンターに配置される丸形3連メーターはそのまま踏襲。こののちもフェアレディZのアイコニックデザインとして継承されていくこととなります。

フェアレディZ S130型のスペック・高性能だが淑女らしくしなやか

日産 フェアレディZ 280Z-T 2by2 内装 シート
この頃の高級車にはベロア調シートがやけに多い気がする。
日産 フェアレディZ 280Z-T 2by2 エンジン
エンジンはL28E型でECCS(電子制御式システム)が採用された。

フェアレディZ S130型のエンジンには、2.0L 直列6気筒SOHCとなるL20E型を搭載する「200Z」、2.8L 直列6気筒SOHCとなるL28E型を搭載する「280Z」が用意され、L20E型搭載車の最高出力は130PS、L28E型搭載車の最高出力は145PSとしています。また、1981年にはL28E型エンジンをECCS(電子制御コントロールシステム)化することで最高出力を155PSに向上。0-100km/h加速をMT車で初代より0.3秒早い8.9秒としています。

サスペンションにはフロントが先代同様マクファーソンストラット、リアがセミトレーリングアームに変更され、全車で4輪ディスクブレーキが採用されることとなり、高性能でありながらしなやかで安定性のある乗り心地を実現。まさに淑女の名にふさわしいスポーツカーに仕上げられました。

1982年には2.0LエンジンにターボモデルとなるL20ET型搭載の200Z-Tが国内向けにデビュー。200Z-Tは215/60R15の60扁平ラジアルタイヤを装着し、最高出力は145PSを達成。2.8Lに迫るパワーを見せつけたのです。

フェアレディZ S130型の中古車はMT車・2シーターが人気!

日産 フェアレディZ 280Z-T 2by2 外装 フロント・サイド
先代同様ボンネットの開閉は通常の国産車とは逆となる。昔の外車には多かった。
日産 フェアレディZ 280Z-T 2by2 外装 フロント・サイド
ヘッドランプの収まり具合も絶妙で美しい。

フェアレディZ S130型は70・80年代の車でありながら、高級スポーツカーであったため、解体されてしまうことも少なく流通する数も比較的多いと言えます。当時は2by2(4人乗り)やAT車が人気でしたが、その立場は逆転し今ではMT車や2シーター(2人乗り)に人気が偏っています。2シーター・MT車では200万~300万円、AT車や2by2では100万円以下のものもあるようです。(2019年7月時点)

最新「フェアレディZ」中古車情報
本日の在庫数 1044台
平均価格 332万円
支払総額 44~3,660万円

フェアレディ 280Z-T 2by2のスペック表

エンジン直列6気筒SOHC
最高出力155PS/5,200rpm
最大トルク23.5kg・m/4,000rpm
ボディサイズ全長:4,620mm
全幅:1,690mm
全高:1,305mm
ホイールベース:2,520mm
車両重量1,300kg
トランスミッション3速AT
5速MT
駆動方式FR
乗車定員4人
新車時車両価格

撮影:宇野 智(MOBY)

※2019年6月に日産自動車がメディア向けに開催した同社の座間事業所にある「日産ヘリテージコレクション」取材会にて撮影。ここは一般の方も無料で見学できます。(見学の案内はこちらの公式HPをご覧ください。)

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