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マツダ MX-30新型取材レポート「メーカーがユーザーに何も押し付けないクルマ」【ほぼ取説動画&画像47枚】
2020年10月8日にデビューしたマツダの新型コンパクトSUV「MX-30」。メディア向けに事前に開催された取材のレポートをお届けします。
目次
MX-30について
「MX-30」は「CX-30」のプラットフォームを使用したコンパクトSUV。これまでのマツダのデザイン言語とは異質なものを感じた新型。しかし、これはマツダが世に送り出したかったクルマだったに違いない。
マツダは単にEVモデルを出したかったのではなかった(当初、EVとしてデビューするとアナウンスされていたが、我々メディアには寝耳に水でまさかのハイブリッドとして国内デビューした)ような気もしてきました。
マツダはMX-30について次のようなキーワードを用いてマーケットとコミュニケーションしています。
「自然体」
「Human Modern」
「心ととのう室内空間」
マツダのデザインコンセプト「魂動(こどう)」デザインは、2019年にデビューした「Mazda3」、「CX-30」では、ボディへのダイナミックな景色な映り込み、エモーショナルなデザインで見る者を驚かせました。(プレス技術的にも相当にヤバい)
しかし、MX-30は比較するとそうではありません。マツダはあえてそれらを封印したと言います。私は存在感のあるクルマのデザインだな、と感じました。みなさんはどうお感じなられるでしょうか。
「掴みどころのないクルマ」
私は、MX-30の撮影を一頻り終えた後にMX-30の開発主査、竹内都美子氏とチーフデザイナー、松田陽一氏と歓談する機会がありました。
私の方からMX-30の撮影を終えてた感想をこう切り出しました。
「良い意味で、掴みどころのないクルマですね。見る人それぞれが違う印象を持つというか…、思い思いにカーライフをイメージしてくれる、無地のキャンパスのような…」
竹内氏と松田氏は揃ってにこやかに、そのとおりだと応えてくれました。
従いまして、MX-30については取材した私から読者の皆様へ伝えることがなくなってしまいましたので、一つだけ印象に残ったお話を少し。その話しの後で、たっぷりの画像と動画でMX-30をバーチャル体験してください。
「ディーラーでは客へ売り込まないで欲しい」
マツダ MX-30開発主査の竹内都美子氏との歓談したとき、
「ディーラーでは、お客さまに『ここがいいですよ』。『あそこがいいですよ』などと売り込んで欲しくないと言いました」
と語ってくれたのがとても印象に残っています。この一言が、MX-30がどんなクルマなのかを端的に象徴しています。
また、MX-30を初めて見て、触れて、乗ってみた人が持ったイメージは多種多様になるはずとのことで、松田氏は「人によって、MX-30を『かっこいい』と言ったり『かわいい』と言ったりする」とのことで、その受け手の多様さをイメージしながら大事にデザインされたようです。
それでは、取材会で撮影した動画、画像をご覧ください。
【動画】ほぼ取説
外装デザイン画像
インテリア画像
インテリア・マテリアル
マツダ拘りのサスティナブルな素材を用いたインテリア・マテリアルが展示されていた。
スペック
ボディサイズ | 全長:4,395mm 全幅:1,795mm 全高:1,550mm ホイールベース:2,655mm |
エンジン名称 | e-SKYACTV G |
エンジン | 直列4気筒2.0L直噴ガソリン+ISG(マイルドハイブリッド) |
エンジン 最高出力 | 115kW(156PS)/6000rpm |
エンジン 最大トルク | 199N・m(20.3kgf・m)/4000rpm |
モーター 最高出力 | 5.1kW(6.9PS)/1100rpm |
モーター 最大トルク | 49N・m(5.0N・m)/100rpm |
トランスミッション | 6速AT |
駆動方式 | 2WD・4WD |
WLTPモード燃費 | 2WD:15.6 4WD:15.1 |
∟市街地モード | 2WD:12.3 4WD:11.9 |
∟郊外モード | 2WD:16.1 4WD:15.6 |
∟高速道路モード | 2WD:16.9 4WD:16.1 |
価格・グレード
MX-30はシンプルにモノグレード。
2WD:242万円(税込)
4WD:265.65万円 (税込)
100周年特別記念車
2020年はマツダ創立100周年。MX-30にも「100周年特別記念車」が設定されました。
編集後記「メーカーがユーザーに何も押し付けないクルマ」
私は取材に行く前に、いくつかの質問を用意していました。その質問の中には「CX-30と競合しないのか?」「女性向けか?」「なぜEVではなく、マイルドハイブリッドから国内市場デビューなのか?」
撮影と広報担当者との歓談を進めていくうちに、その質問は愚問のように思えてきました。CX-30とは全く競合しないし、ユニセックスだし、パワートレインは必然的にマイルドハイブリッドになったと解釈した方が自然…。
マツダが自動車メーカーとして「サスティナブルとは何か」を日本市場でアピールするその象徴がMX-30だったのではないでしょうか。
MX-30は「メーカーがユーザーに何も押し付けないクルマ」 が私の感想を一言でまとめたもの。良いクルマです。
ちなみに、月間販売目標台数は1,000台。控えめです。
気になった方は、ぜひディーラーでMX-30に触れて乗ってみてください。(私はまだ公道で乗っていません。近日中に公道試乗会が開催されるとのことですので、そのレポートをお待ちください。)
- 執筆者プロフィール
- 宇野 智
- モーター・エヴァンジェリスト/ライター/フォトグラファー/ビデオグラファー/エディター エヴァンジェリストとは「伝道者」のこと。クルマ好きでない人にもクルマ楽しさを伝えたい、がコンセプト。元MOBY編...