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軽商用車「ベビー」が最後のチャンスだったが…国産トライクでブランド復活してほしい「くろがね」はなぜ没落したか

戦前から戦後に最盛期、最近また注目されているオート三輪

これはインドのバジャージ製オート3輪だが、近年この種のトライク(3輪車)が超小型モビリティの一種として注目されている
出典:flickr.com Author:Thank You (25 Millions ) views CC BY 2.0

最近になって、軽自動車より小さな「ラスト1マイル」の乗り物として注目される「超小型モビリティ」、大は軽自動車登録(トヨタ C+pod)から、小はシェアリングサービスで活用される電動キックスターターの特定小型原付自転車などまで、さまざまです。

ただしどれも帯に短し、たすきに長し…普通自動車免許があればそれなりに走れて税金も車両本体も安く、2人乗り以上も可能で、ある程度の悪天候にも耐える…となると難しいのですが、高速道路も走れる250cc版が出たAPトライクなど、3輪車があるのも面白いところ。

厳密には道路運送車両法での扱いが「側車つき2輪」、つまりサイドカーつきオートバイの名目なので安いながらも多人数乗車可能、しかし道交法では普通自動車扱いなので普通自動車免許で運転できる「トライク」(3輪車)、昔の日本では当たり前の乗り物でした。

戦前から戦中、戦後も1950年代までの日本といえば、国力は低くて道路インフラは狭くてガタガタ、国民の所得は少なくオフロードでも平気で高価な4輪など、事業用でもそうそう買えませんから、オートバイの後輪を左右2輪に置き換えたような「オート3輪」が主流。

中でも大手は現在も生き残っているマツダとダイハツの2大メーカーでしたが、市場でのシェアは低いもののその他メーカーもたくさんあり、そのひとつが「くろがね」ブランドでオート3輪の準大手と言えた日本内燃機、後に画期的なリアエンジン軽商用車、「ベビー」を生む東急くろがね工業の前身です。

後述するように1960年代で自動車メーカーとしては消滅、現在は日産の下請けである「日産工機」となっていますが、今からでも「くろがね」ブランドでオート三輪ならぬトライクを開発・販売すれば、歴史があって宣伝しやすそうなメーカーと言えます。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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