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今登場すれば大ヒット?一代きりで終わったけど名車と呼べる車たち・ホンダ編【推し車】
世の中には一代限りで終わる車は結構ありまして、中には車名を変えるだけで同じコンセプトが継続する車もあれば、あまりの不人気でコンセプトもろとも一代限りで消滅する車もあり、またどちらでもない諸事情でやむなく消えゆく車も。
今回はそんな中から、ホンダの「一代限りで終わった名車」を紹介します。
T360(1963年)
既に2輪車では確固たる実績を上げていたホンダの4輪車参入第一号で、国産初。軽トラでは初のDOHCエンジン搭載車でもありました。
小型車メーカーとしての実績も作るため、S500に切り替わって幻に終わった軽オープンスポーツ、S360と源流を同じくするDOHCエンジンは、2バルブながら4気筒4連キャブレター(または2連キャブレター×2)で30馬力という本格派。
20馬力程度の空冷2サイクル2気筒エンジンばかりだったライバルよりは確かにパワフルでしたが、実用車にそんな複雑で整備も面倒な高性能エンジンは必要ありませんでした。後にシングルキャブレター化を経て、後継のTN360では普通の2気筒エンジンになりました。
ライフステップバン(1972年)
1993年に発売して大ヒット、軽自動車界に大革命を起こした初代スズキ ワゴンRより20年以上前、ほぼ同様のコンセプトで登場していた軽トールワゴン第一号(厳密には商用車登録のボンネットバンなため、N-VANの元祖とも言えます)。
FF軽乗用車のライフをベースに、前後長も十分で4ドアの前後席ともに快適。低床で乗降性もテールゲートを通じた荷室への積載性も良好なハイルーフボディというコンセプトは、スライドドアがないことを除けば、現在のトールワゴンやハイルーフミニバンと全く同じ。
こんな車が1970年代に登場したのは驚くべきことで、初代シビックへ生産能力を注力するため1974年に廃止されてしまったのが惜しまれます。
コンチェルト(1988年)
4代目シビック(通称 グランドシビック)をベースに、提携していたイギリスのオースチン・ローバー・グループと共同開発した4ドアセダン/5ドアハッチバックセダンで、同様の経緯で生まれた初代レジェンド同様、ヨーロッパの香りが強い車。
高性能エンジンは搭載しなかったものの内外装ともに格調高く、それでいてスーパー・ローを持つ実質6速MTも設定された、INTRAC(イントラック)という4WDシステムもあって、メカ好きにも興味深い車でした。
1992年のモデルチェンジでドマーニへ改名。単なるシビックフェリオ兄弟車のようになってしまい、プレミアム・コンパクトセダン的なコンセプトは引き継がれなかったのが残念です。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...