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ETC2.0とは?メリットやデメリットから利用方法・割引・ドライブスルーでの利用まで徹底解説

ETC2.0とは

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ETCとは「Electronic Toll Collection System」の略称で、高速道路・有料道路の料金所の通過をスムーズにし、なおかつ割引サービスも受けられる、車に乗らない人にもおなじみのサービスとなっているのではないでしょうか。

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ETCの新規格が「ETC2.0」

前述したETCの最新版がETC2.0です。従来のETCのサービスに加えて、多様な運転支援サービスをドライバーに提供することを目的とした新しい規格で、自動運転など、国が主導するITS(高度道路交通システム)の中の1つとなります。

すでに全国の高速道路の約1,600カ所以上に設置されている(都市間高速道路ではおよそ10~15kmごとに設置)、道路側のアンテナである「ITSスポット」と、車載機器が高速かつ大容量の双方向通信=DSRC通信(Dedicated Short Range Communications:スポット通信)を行うことで実現されます。

AIやIoT、自動運転が前提ともいえるITSの利用ということで、従来の支払いだけを目的にしたETCと、互いの情報共有や、情報セキュリティーも念頭に持つETC2.0とでは全く別物のシステムといえるでしょう。

ETC2.0の普及はそれほど進んでいない

ETC2.0の普及率は、ひと月4万台以上のペースを維持しながら徐々に増加しており、2020年7月の段階で約530万台のETC2.0がセットアップされています。

530万台という台数は一見多いように聞こえますが、東北地方6県の自動車保有台数と同じ台数で、一般的に普及したというには、物足りない台数ともいいかえられます。

ETC2.0を導入しているのは新規ユーザーが多い!

ETCの普及がそれほど進まないのは、ETC2.0に急いで交換しなくても大丈夫と思っているユーザーが多いということでしょう。

確かに、割引やサービスの向上という点があっても、それを実現するためには設備投資が必要。もともとETCを使っていたユーザーは「今までつかってきたETCがまだつかえる」と考えるのも当然です。

そこで、あえて交換するケースというのは少なく、新車につけるETCを2.0でつけたとか、ETCの調子が悪くなってそろそろ交換しなきゃ、といった必要に迫られた時に「どうせなら」ETC2.0にしようかな、という人が多いのではないでしょうか。

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ETC2.0とITSスポットサービス

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ETC2.0は、これまでは「ITSスポットサービス」と呼ばれていたものを本格的に導入し、普及させるにあたって、国土交通省が改称したものです。

車載機器側も「ITSスポット対応」や「DSRC対応」とうたう製品はETC2.0に対応済みとなっています。

この試みは世界に先駆けた国が主導する実験で、料金の支払い以外にも、各種運転支援に利用される情報を提供するシステムとして、プラットフォームを共通化しその汎用性を高めた仕組みです。

交通の社会での役割は非常に高く、交通事故の軽減、物流の効率向上、沿線環境の改善といった目標があり、自動運転の実用化を最終目標にしたような取り組みとなっています。

ETC2.0で実現できること(メリット)とは?

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ETC2.0のサービスは大きく以下の3つです。

  • 「安全運転支援」
  • 「渋滞回避支援」
  • 「災害時支援」

次項よりそれぞれを解説していきます。

安全運転支援

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合流地点や急カーブなどの事故の起きやすい地点、トンネルの入り口や高速道路の出口といった特定のポイントの渋滞状況や天候状況のほか、進行方向における落下物や故障車などのランダムに発生する可能性があるトラブルの情報や注意喚起を事前に提供してくれます。

実際に、首都高速道路での事故発生地点の第1位だった参宮橋カーブは、この安全運転支援によって事故が6割も減ったという調べがあります。

渋滞回避支援

渋滞の発生していない(渋滞距離のより短い)ルートをナビゲーションしてくれるサービスです。ダイナミックルートガイダンス支援と呼ばれ、従来であれば最大200km範囲の道路情報の5倍にあたる範囲である、最大1000kmにわたる大量の情報から最適なルートを考え、交通集中を避けるとしています。

例えば、最大約1,000km分の道路交通情報がITSスポットより受信できるため、首都圏ならほぼ全域をカバーできることから、複数の都県をまたがる移動でも、最も時間のかからないルートを案内してくれるようになりました。

同時に、前方の渋滞状況も静止画で教えてくれます。

災害時支援

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地震の発生を伝えてくれるほか、メッセージで災害時に取るべき行動を教えてくれます。

さらに、多数の2.0搭載車両から収集した走行情報のビッグデータを活用することで、大災害時の通行可能ルートの提供なども行われる仕組みです。

ETC2.0の利用に必要なもの

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ETC2.0を利用するにあたり、ETC2.0対応の車載器が必要になります。車載器は大きく3種類あり、「スマホ連動」、「カーナビ連動」、「発話型」があります。

スマホ連動型ETC2.0

スマートフォン連動型ETC車載器は、車載器とスマホをBluetoothでつなぎ、ETC2.0用のアプリを併用することでサービスを受けることができます。

車に乗る場合はカーナビを積む方が多いので、どうしてもカーナビ連動型に比べると種類が減ってしまいますが、スマートフォンをカーナビとして利用している方には重宝するはずです。

古い車に乗っており、ETC2.0対応のナビゲーションシステムに交換するよりは安価な方法で、ETC2.0から送られる情報を表示するアイテムとして、スマホを利用します。

インターネットでは売り切れの商品が多く、対応機種も商品による部分があるようで、一度量販店などで商品を確認してみてはいかがでしょうか。

カーナビ連動型ETC2.0

現在、ETC2.0のサービスを利用されている方の多くが、こちらカーナビゲーション連動型の車載器を積んでいるのではないかと思います。

主に新車状態で利用される方が多く、スマートフォン連動型に比べて種類も多く、販売価格の幅も広いため、自分に合った車載器を選ぶことができます。

カーナビ機能のみ、主な機能などをリスト形式でお伝えします。

利用できる主な機能・サービス

  • ダイナミックルートガイダンス
  • ハイウェイラジオ情報(音声)
  • 渋滞末尾情報
  • 画像情報
  • 落下物
  • SA/PA情報
  • 多目的な情報提供

カーナビゲーション連動型の車載器には、以下のような商品があります。

発話型ETC2.0

基本的にスマホ連動型はカーナビ連動型とサービスとしては同じですが、最も安価な発話型は、モニターが省略されるため、利用できるサービスが多少異なります。

カーナビ型と基本的な機能は共通ですが、発話型はモニターを必要とするダイナミックルートガイダンスと画像情報は利用できません。

ETC2.0の今後

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ETC2.0に今後導入が予定されているサービス、現在実証実験中のサービスの一部を紹介します。

経路情報サービス

導入が予定されているサービスの1つが、経路情報を活用したサービスです。
渋滞回避支援の延長線上の話といってもいいサービスで、渋滞や事故などの状況に応じて的確な経路選択を行うドライバーに対する優遇措置を実現するというものです。

複数のルートがあった場合、多くの人が最短ルートを通りたいと思うでしょう。しかし、それが渋滞を発生させる一因になっています。

そこで、遠回りの交通量の少ないルートを選んだドライバーに対しては、料金の割引を行うといったサービスが検討されています。

地域情報支援サービス

車載機器の機能に依存するところもあるのですが、地域観光情報などの提供を受けられるサービスや、シームレスな料金体系の導入時期に合わせる形で、新設計の料金所の設置も計画されています。

現在の通過速度が時速20km以下にならないとゲートバーが上がらないというスタイルを廃し、一定速度で通過できるようになるようです。

民間サービスでの活用

そして、高速道路の料金決済システムを民間サービスで活用する動きも進んでいます。

事前登録の手続きによってゲートのキャッシュレス・チケットレス化を実現してスムーズな入退場を可能とした公共駐車場がすでに実用化しています。

そのほか、車検証情報との組み合わせで車両確認の簡素化を実現して乗船時間を大幅に短縮したフェリー港、お客さんの来店を速やかに把握することでそのお客さんに合わせた対応を可能にした店舗、遠隔地にあるタクシープールから乗り場までタクシーを自動的に配車して乗り場の待機列をコントロールするシステムなども実現しています。

例えば、ケンタッキーフライドチキン相模原中央店では、2020年8月3日から、同年11月30日まで、ドライブスルーの決済方式にETCのキャッシュレス決済を加え、クレジットカードに付帯するETCカード番号を登録可能なドライバーを、同年11月13日まで募集しています。

期間中はETC決済にて1割引のサービスも受けられるとのことです。

2022年、2030年のETC問題(デメリット)

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今後、ETCからETC2.0へ切り替えが行われることになっています。

ETCとETC2.0の使用している周波数帯が変わり、全く別のシステムへと変化させるために国が主導して切り替えを行っています。現状は、その移行期間であり徐々に、使用できないETCもでてきます。

旧型のETCが続々と使用不可に

2007年12月に全面適用された電波法によって、それ以前に製造されたETCの一部が使用できなくなるというのが2022年問題と呼ばれるものです。

次に待ち構えているのが2030年問題。

例えば、ETCに割り振られた19桁の車載器管理番号がありますが、先頭の数字が「0」のものは、旧セキュリティーで2030年以降の使用ができなくなります。

ETC2.0でも使用できなくなるケースも

ETCマークのそばに「●●●」があれば新規格です。カード挿入口に「■」マークがあると、2030年にETC2.0と記載があるにもかかわらず、影響を受けてしまうものもあるとされています。ETC2.0だからと購入してしまうと、2030年にまた買い換えが必要になるケースがあります。

高速道路をスムーズに利用できるために利用されているETCですが、今後ETC2.0が普及し、私たちのカーライフを充実させてくれる日は近いといえるでしょう。

新しい車社会の構築が着々と進んでいると考えると、ワクワクしますね。ETC2.0がどんな車の未来を担うのか今後も目が離せません。

執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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