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カナードの効果とは?取り付け位置・方法や車検対応基準からおすすめ汎用商品まで
カナードとは|効果はある?
カナードとは、車のフロントバンパーに取りつけられるエアロパーツの一種。
主にフロントバンパーサイド面取りつけられる板状のものと、バンパー下面の両端に翼端板を備えたもの、カナードデザインを取り入れたエアロバンパーがそれに当たります。
カナードの効果
大型のカナードはフロントウィングとして前側のダウンフォースを積極的に増加し、フロントタイヤを押さえつける働きがあります。
小型のカナードは整流板としての役割が大きく、タイヤハウスまわりで起こる空気の乱流を整え、浮き上がろうとする車を抑える働きをします。
大小どちらのカナードも速度が上がるほどより効果を発揮するため、高速走行時のステアリングの座りがよくなったり、フロントの挙動がクイックになるといった効果が期待でき、とくのサーキットでは高速コーナー入り口での回頭性に大きく貢献するエアロパーツです。
デメリットはある?
フロントまわりにカナードを取りつけることで、車の側を地面に押しつけようとするダウンフォースが発生するため、相対的にリアが軽くなり直進安定性を損なう恐れがあります。また走行風の大きな空気抵抗となってしまうため、進行方向から見て仰角方向に角度をつけるほど、また大きいカナードほど空気抵抗が大きくなり、燃費の悪化が懸念されます。
車の動きに大きく関わるパーツであるため、取りつけ方やリア側とのダウンフォースのバランスによっては、高速域でのスピンを誘発する危険性がありますので極端なセッティングには注意しましょう。
カナードは車検に通る?車検対応基準を紹介
「カナード」の取りつけに関する保安基準は存在しませんが、カナードは突起物にあたるため、歩行者や自転車を保護する目的で、道路運送車両の保安基準・第18条に適合しなければ車検に通りません。
まず取りつけるカナードは、傍目に見て鋭く尖っている形状のものは公道では使用できません。
ただし、やわらかい材質のカナードや、車体からの突き出し量や先端部分の形状によっては取りつけることが可能です。
第178条 3項 4号
http://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokubetten/
外部表面には、曲率半径が2.5mm未満である突起を有してはならない。ただし、突出量が5mm未満である突起にあっては突起の外向きの端部に丸みが付けられているものであればよいものとし、突出量が1.5mm未満にあってはこの限りでない。
第178条 2項 3号 ロ
http://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokukokuji/
エア・スポイラは、直径 100mm の球体が静的に接触することのできる部分に半径2.5mm未満の角部を有さないものであること。
以上の法文から解釈すると、直径100mmの球体が接触できる箇所に半径2.5mm以下の鋭い突起を設けてはなりませんが、ボディ面から5mm未満であれば、角を丸めることで取りつけることが可能です。ただし、車検証に記載されているボディ寸法を超えるようなカナードの取りつけは不可となります。
また、材質の硬さは60アショア(消しゴム程度の硬さ)以下であればこの限りではありません。
バンパー下面のカナード
バンパー下面に取りつけられる翼端板形状のカナードは、取りつけ基準がやや異なります。
下記の法文はリアスポイラー(GTウィング)に関する規定ですが、カナードにも適用されるものと思われます。
第178条 2項 2号 ニ
http://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokukokuji/
エア・スポイラは、側方への翼状のオーバー・ハング部(以下「ウイング」という。)を有していないものであること。ただし、ウイング側端の部分と車体のすき間が 20mm を超えない等ウイング側端の部分と車体とのすき間が極めて小さい場合、ウイング側端が当該自動車の最外側から 165mm 以上内側にある場合又はウイング側端が当該自動車の最外側から165mm 以上内側にないウイングの部分が歩行者等に接触した場合に衝撃を緩衝することができる構造である場合にあっては、この限りでない。
カナードから垂直にせり上がった翼端板形状のカナードは取りつけることができません。
しかし、翼端板がボディ面から20mm以内であれば取りつけることができます。ただし、車検証記載のボディ寸法を超えるもの、半径2.5mm以下の鋭い突起を備えるカナードは取りつけ不可です。
保安基準を満たしていたとしても、管轄する陸運支局や検査する試験官によっては、危険な突起物と判断されると車検に通らない場合があります。
カナードの取り付け位置・方法
カナードの取りつけ方をステップごとに解説します。
大型のカナードほど大きな力が加わるため、走行中に外れないよう、確実に取りつける必要があります。
仮止め・位置決め
取りつけしたい位置に、角度・左右のバランスを確認しながら仮止めします。
角度は、立てるとカナードの効果が強く現れ、寝かせると空気抵抗が少なくなります。
左右で取りつけ位置が極端に違うと、高速時の走行安定性を損なう場合があります、遠くから眺めて左右のバランスを確認しましょう。位置が決まったらマーキングをしておきます。
穴あけ
ネジで止める場合は、任意の位置にドリルで穴を開けます。
取りつけ
キット付属の両面テープは粘着力が乏しい場合が多いので、市販の屋外用両面テープをつかうとよいでしょう。ボルト止めする製品の場合は両面テープも併用します。リベット、タッピングビスでは走行中に外れてしまう場合があります。ボルト・ナットで確実に止めましょう。
サーキットでの使用する場合は、裏板を当てて補強します。必要であればバンパー自体の取りつけ強度にも注意を向ける必要があります。
テスト
低速から徐々に速度を上げて走行テストをしてください。カナードには走行風の大きな力が加わります。振動が発生していないか、取りつけ強度が足りているかしっかり確認しましょう。
取りつけ箇所は、走行による振動でボルトがゆるんだリ、両面テープが剥がれてくる場合があります。定期的に取りつけ状態を確認しましょう。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部 カー用品チーム