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動物が車を壊す?そしてUFOまで登場?世界のビックリ道路標識「動物注意編」
国が変われば道路標識も変わります。世界には思わず笑ってしまう標識や、ビックリするような標識も。
なかでも「動物飛び出し注意」の道路標識は、ドライバーへの注意喚起・絶滅危惧種の保護などの観点から、それぞれの国特有のさまざまな道路標識がみられます。
車の下のペンギンに注意!
南アフリカには、猫ではなく「車の下にペンギンがいないか確認しよう」という意味の道路標識があります。ペンギンは人間に対して警戒心が薄く、街中にもよく出没します。車の下に潜り込んでいることもあるため、このような注意標識が設置されています。
水陸両棲生物であるペンギンは、陸上での俊敏性は高くありません。このような標識があるように、ペンギンと車が接触する交通事故も多発しているため、南アフリカのほか、ニュージランドやオーストラリア南部などでは「ペンギン飛び出し注意」の標識や、ペンギン専用の道路横断トンネルも設置されています。
日本でも、猫がボンネット内に潜り込んでいるのに気づかずエンジンを始動してしまう事故が起きています。日本にこのような注意標識はありませんが、乗車前にボンネットを叩いて猫に注意を促す「猫バンバン」という啓蒙活動があります。
大型動物との接触事故に注意!
その他の地域でも、道路標識による動物飛び出しの注意喚起は重大な役割をもちます。国によってはカンガルー、コアラ、ラクダ、カバ、ライオンなど、多様な野生動物が路上に飛び出すため、それぞれの動物が描かれた道路標識によって注意が促されています。とくに中・大型動物との衝突は、車が破損しかねません。
SUVの車体前方に付いているパイプ状のバンパーはカンガルーバーとも呼ばれ、中型動物との衝突から車を守るための装備です。しかし、大型動物ともなるとカンガルーバーは効果を発揮せず、衝突速度によっては車が簡単に大破してしまいます。
ヘラジカとの衝突に注意(北欧)
北欧に生息しているヘラジカは、細長い足に支えられた高さ2mにもなる世界最大のシカです。車と衝突するとヘラジカの足が折れ、800kgにもおよぶ体重でボンネットやフロントガラスが押し潰される悲惨な事故になりがちです。
そのため北欧の自動車メーカーであるボルボは、ヘラジカ対策としてキャビンの剛性を高めるとともに、路上のヘラジカに対して素早く安全な緊急回避行動がとれるように設計されています。
バイソンとの衝突に注意(アメリカやアラスカ)
標識に注意して走っていれば安全かといえばそうではありません。獰猛な野生動物は興奮して、ときに車に対して攻撃をしかけてきます。
その最たるものがアメリカやアラスカに生息するバイソン。体重は最大1t、走行速度は60km/hに達するバイソンの突進は小型の車ではたちどころに破壊されてしまいます。アメリカ車が大型で頑丈であるのはバイソン対策も一因なのかもしれません。
ゾウ通行止め(インドやアフリカ)
どれほど頑丈な車でも陸上最大の動物であるゾウに踏み潰されればひとたまりもありません。ゾウの道路標識をみつけた場合は要注意です。
また、インドやアフリカには飼育されたゾウもいるため、路上にはゾウ通行禁止を示す道路標識もあります。
牛の飛び出し注意!
世界でもっともよく見かけるのは牛の飛び出しを注意喚起する道路標識。
野生の牛はもちろん、放牧地では群れで道路を横断することもあるため、牛への注意を促す道路標識を見かけたら周辺に気を配って運転しなくてはなりません。しかし、場所によっては頭上の牛にも注意する必要があります。
さらにアメリカのとある山道では、道路脇の崖から足を踏み外した牛がたびたび道路上に落下してくるらしく、それを注意するための標識が設置されています。
牛の誘拐に注意(アメリカ・ニューメキシコ州)
崖から落ちる牛がいれば、天に昇る牛もいます。アメリカのニューメキシコ州のサンタフェ〜アルバカーキ間の道路には、UFOで拐われる牛が描かれた標識があります。
1900年代なかば、アメリカ全土では家畜の牛から血液が抜かれた状態で発見されるキャトルミューティレーション事件が頻発していました。
ニューメキシコ州にはUFO墜落事件で有名なロズウェルがありますし、この標識がある場所は、UFOと深いつながりがあるとされるアメリカ空軍基地・エリア51との中間付近。宇宙人によって牛が誘拐されてしまう…といったオカルトなムードが満載というわけです。
とはいえ牛は道路標識を理解できず、ドライバーもUFOに対して対処のしようがないため、この道路標識は「さしあたり牛の飛び出しに注意しましょう」という意味のアメリカンジョークだと思われます。
海外のビックリ道路標識は他にもたくさん!何に「注意」すればいいか分かりますか?
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分かりにくい道路標識をまとめてみました!
- 執筆者プロフィール
- 伊藤友春
- 1981年生まれ。自動車専門Webライターとして執筆活動中。自動車の構造に明るく、ほとんどの整備や修理をDIYでこなす。輸入車・コンパクトカー・変わったデザインやコンセプトの車が好きで、現在の愛車はその最た...