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「三菱のプライドが原因?」商用EVバンがこのタイミングで復活する理由とは

2011年にデビューした三菱の商用EVが昨年復活!

東京オートサロン2023の三菱ブースに展示された、ミニキャブ・ミーブ B-Leisure Style Ⅱ(写真:山岡和正)

自動車産業はますますEV振興の傾向を強めており、いよいよ日本も本格的な次世代モビリティの時代になりそうです。そんな中、昨年10月に三菱自動車が「ミニキャブ・ミーブ」の再販を開始しました。同車は2021年3月末に、一時的に生産中止となっていたモデルです。

三菱自動車は2022年以降に軽自動車サイズのEVを販売することを経営計画の中で発表。今回のミニキャブ・ミーブはその先鞭を取った形です。

ミニキャブ・ミーブは2011年に発売されましたが、当時はまだまだEVの存在自体が一般から遠かった時代であり、販売は法人が中心となっていました。ワンモーター式のEVシステムを搭載し、1回の満充電で133kmの航続距離を確保。1日の平均的な走行距離が65km未満というプロユースの実態を考えると、商用EVとしては十分な性能と言えます。

さらに、昨年の東京オートサロン2022には、同車をベースにしたキャンピングカーも登場。航続距離は別としても、車中泊でなにかと電力を必要とするキャンピングカーとEVの親和性は十分に高いと言えます。

東京オートサロン2022に登場したミニキャブ・ミーブ B-Leisure Style。(写真:MOBY編集部)
アウトドアスタイルに仕上がっているが、車内はくつろぎの空間に。(写真:MOBY編集部)

すでに内燃機関の軽バンや軽トラックはキャンピングカーベースとしてスタンダードな存在となっているため、航続距離の向上や充電システムの進化さえ実現可能となれば、一大市場となりうるカテゴリーではないでしょうか。

軽商用EV市場で手を組む各社、三菱は焦った?

ミニキャブ・ミーブの再販が発売されるわずか3か月前には、「コーマシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジー(CJPT)」は、同社企画、トヨタ、スズキ、ダイハツの共同開発によって軽バンEVを2023年中に発売することを発表しました。これもミニキャブ・ミーブ再販のファクターになっているかもしれません。

三菱自動車 ロゴ エンブレム

これまでの軽商用車市場では、スズキとダイハツは鎬を削り合うライバル同士でしたが、軽商用EV市場ではお互いに一致団結。これにより、トヨタやマツダ、スバルにも同車種がOEM供給される可能性が高まってきました。

さらに、スズキからエブリイをOEM供給されている三菱、日産に関してもこのモデルを採用する可能性が高く、世の軽商用車EVは単一車種バッジモデルになってしまう可能性が大きくなっています。

しかし、三菱はこのカテゴリーでは先駆者。ただしこれまでの販売で十分な回収ができているかは疑問で、CJPTモデルが世に出回る前に、実績のあるミニキャブ・ミーブを再販して台数を売っておきたいという意図があるのかもしれません。

ちなみにCJPTが発表した軽商用EVの社会実装プロジェクトには多くの大企業が名を連ねており、Amazonや佐川急便、西濃運輸、日本郵便、日立物流、ヤマト運輸、福山運輸といった物流のトップ企業も参画しています。このことから分かるように、CJPTモデルの成功はすでに既定路線。そこに三菱1社で対抗するのは、非常に難しいと言えるでしょう。

執筆者プロフィール
山崎 友貴
山崎 友貴
1966年生まれ。四輪駆動車専門誌やRV雑誌編集部を経て、編集ブロダクションを設立。現在はSUV生活研究家として、SUVやキャンピングカーを使った新たなアウトドアライフや車中泊ライフなどを探求中。現在の愛車は...

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