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「それやると危険」セルフガソリンスタンドでガソリンをこぼしてしまったらどうする?
セルフガソリンスタンドでガソリンをこぼしてしまったら?
かつてガソリンスタンドといえば、必ず給油スタッフが常駐し、ドライバーは車から降りることなく給油が完了したものです。
しかし近年は人件費削減などの理由から給油スタッフを配置せず、ドライバー自身が給油するセルフスタンドも主流となっています。
そんなセルフスタンドでは、慣れていないドライバーが給油時にトラブルを起こすことも。
中でも「ガソリンをこぼしてしまうトラブルは多いと思います」と話すのは、かつてガソリンスタンドでの勤務経験がある教習所の検定員です。
ガソリンが付着したままだとどうなる?
ガソリンスタンドでの勤務経験がある教習所の検定員は、次のように話してくれました。
「ガソリンをこぼしたら、そのまま放置せずにすぐに拭き取ってください。拭き取るためのタオルがなければ、スタッフに知らせて拭き取ってもらうようにしてください。
理想を言えば、水や洗剤を使って洗い流すことが一番なのですが、万が一スタッフが見当たらず、すぐには洗い流せないこともあると思いますので、そのときは『すぐに拭き取る』が鉄則です。
ガソリンは揮発性が高いと同時に、発火する危険性も非常に高い物質です。そのため、静電気などのわずかな電気でも発火するおそれがあります。静電気を除去するパッド類がノズル付近に設置されているので、給油する前に必ず触れてから給油することを守ってください。
給油中に床にこぼしてしまったガソリンをごまかすため、履いていた靴でこすったところ発火したという事故がありました。おそらく摩擦熱かと思いますが、何が原因で発火するかわからない面もあるので、取り扱いには注意が必要です。」
また車体に付着してそのまま放置すると、塗装を痛める危険性もあります。すぐに拭き取れば問題ありませんが、長時間ガソリンが付着したままだと、変色したり、塗装面が剥がれたりして、再塗装しなければならなくなることも。再塗装の費用はとても高額です。」
筆者の知人は以前、給油中に大量のガソリンをこぼしてしまい、タイヤにガソリンが付着。水ですぐに洗い流したものの、数日後タイヤが変色し、パンクしてしまったと聞いたことがあります。
ガソリンがかかったことと、タイヤがパンクしたことに因果関係があるかどうかまでは調べられていませんが、なじみの自動車整備士によると、ガソリンが何らかの影響を与えたのではないかと指摘していました。
なお、タイヤメーカーは、ゴム質に長時間ガソリンが付着したままだと、タイヤの変質、ひび割れの発生があると注意を促しています。
- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...