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【本当に賛否両論?】歴代オーナーに新型クラウンへの印象をズバリ聞いてみた!
9月1日に発売となったトヨタの新型クラウン。事前の発表段階から大きな反響を呼び、日本を代表する伝統車種の大胆な路線変更に対して、SNSを中心にさまざまな意見が寄せられました。
賛否両論が分かれるなか、歴代のクラウンオーナーたちは、今回のモデルチェンジをどのように受け止めているのでしょうか。実際に、これまでのモデルを所有する方々に話を聞きました。
「伝統車種の変化」には複雑な思いがあるようだ
今回のモデルチェンジで16代目となる新型クラウンは、デザイン面のコンセプトを大きく変更しています。
ボディタイプは伝統的な「セダン」タイプに加えて、世界的に流行するSUVタイプとして「クロスオーバー」「エステート」「スポーツ」を用意し、計4モデルの展開。
ボディサイズの面では日本の道路環境を意識した「車幅1,800mm」を今回はじめて上回り、駆動方式においても長らく「高級車の条件」とされてきた後輪駆動を廃止するなど、パッケージングを刷新しています。
このように、方向性がガラリと変わった今回のクラウンに対し、批判的な受け止め方をしているオーナーもいるようです。現在ゼロクラウン(12代目・180系)を所有するYさんは次のように言います。
「個人的には、『純国産セダン』としてのコンセプトが好きで乗っているので、新型クラウンは斬新すぎて魅力を感じませんでした。新たな客層を呼び込む目的からすると、いいアプローチだとは思いますが……同じ名前でも、まったく別の車種といった印象ですね」
コンセプト変更の趣旨は理解できるけれど、個人的な嗜好には合わない、という声は他にも聞かれました。15年以上にわたって170系(11代目)クラウンに乗り続けるSさんからは以下のような意見が。
「スタイリッシュなデザインですが、クラウンの『和』の雰囲気というか、静かで落ち着いた風格はなくなったように思います。世界的な市場を見据えての変化だと思いますが、日本的な味がなくなり、フラットになったなぁと」
また、大きな変化に対して、両義的な気持ちを抱えるオーナーも。先代となる220系クラウンを所有するEさんはこう語ります。
「セダンタイプには期待していますが、クラウンという伝統ある名前を4つのボディタイプに使う必要があったのかな、とは思います。遊び心というか、チャレンジ精神が感じられるのはいいと思いますが……現在の220系のサイズ感やデザインを気に入っているので、乗り替えは考えていませんね」
新しい市場を切り拓く必要性は理解しつつも、大きく姿を変えた「伝統車種」に対し、複雑な心境を抱いているようです。
- 執筆者プロフィール
- 鹿間羊市
- 1986年生まれ。「車好き以外にもわかりやすい記事」をモットーにするWebライター。90年代国産スポーツをこよなく愛し、R33型スカイラインやAE111型レビンを乗り継ぐが、結婚と子どもの誕生を機にCX-8に乗り換える...