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布タイプ?スプレー式?バリエーション増えた“タイヤチェーン”…結局どれを選ぶのが最強?ユーザーに聞いてみた
各種タイヤチェーンの特徴
タイヤチェーンを種類分けすると、金属チェーンと非金属チェーン、布製チェーンに分類できます。これにスプレー式チェーンも加えるなら、タイヤチェーンの種類は全部で4タイプということになります。
各種のタイヤチェーンにはどのような特徴があるのか、気になる布製チェーンから順番に見ていきましょう。
布製チェーンの特徴
布製チェーンが誕生したのは1998年のこと。ノルウェーの企業「Auto Sock(オートソック)」によって開発され、2000年に欧州で滑り止め製品として認可されました。
現在では多数の企業が布製タイヤチェーンを販売しており、その多くはヨーロッパメーカー製で、ポリエステルを主な素材としています。また、どの布製タイヤチェーンも基本的な特徴は似ており、次の5つをメリットとしています。
- ジャッキアップ不要で簡単に着脱できる
- 静粛性と乗り心地が装着前とほぼ変わらない
- 軽量コンパクトに収納できる
- 繊維製なのでサビない
- 繊維製なのでホイールを傷つけない
布製チェーンを装着する際は、まずタイヤの上半分以上が隠れるようにチェーンを被せて、隠れていない部分が上になるように車を動かし、タイヤ全体を完全に覆います。
このように取り付け作業は簡単ですし、力も要りません。5つのメリットのなかでも、着脱のしやすさは布製チェーンの最大の利点といえるでしょう。
なお、一般的な布製チェーンは、装着時の制限速度を時速40kmとしています。
金属製チェーンの特徴
金属チェーンは、もっとも古くから利用されているタイヤチェーンで、ラダー型(はしご型)とネット型(亀甲型)の2タイプがあります。ラダー型は安価で取り付けが簡単、ネット型はやや高価ですが雪道でのグリップ性能に優れます。
むかしの製品と異なり、近年の金属チェーンは車の移動やジャッキアップなしで着脱できて便利。ただし、金属のチェーンは絡まりやすく、重量もやや重いため、はじめて使う際は取り扱いに手間取るかもしれません。
また、乗り心地や静粛性が悪化しやすいことも、金属チェーンのデメリットです。装着時の走行速度については、時速30km以下に制限されます。
非金属チェーンの特徴
非金属チェーンは、ウレタン樹脂やゴムなどを素材とするタイヤチェーンです。このタイプのメリットには、「乗り心地や静粛性が大きく悪化しない」「耐久性に優れる」「装着時の制限速度が時速50kmと高い」の3点があげられます。
着脱については、非金属チェーンもジャッキアップなしで行うことが可能。ただし、ラダー型の金属チェーンとくらべると、取り付けに手間がかかるかもしれません。また、非金属チェーンは価格がやや高めです。
スプレー式チェーンの特徴
スプレー式チェーンとは、タイヤに吹き付けて使うスリップ防止剤のこと。もっとも手軽に使えるタイヤチェーンといえますが、塗布後は走行するほどに効果が落ちるため、長距離を走る際は定期的に再塗布する必要があります。
また、スプレー式チェーンはチェーン規制に対応していません。こうしたデメリットはありますが、スプレー式チェーンはほかのタイプより安価ですし、タイヤサイズを問わず使えて便利です。
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- 執筆者プロフィール
- 加藤 貴之
- 1977年生まれのフリーライター。10年以上務めた運送業からライターに転向。以後8年以上にわたり、自動車関連記事やIT記事などの執筆を手がける。20代でスポーツカーに夢中になり、近年は最新のハイブリッド車に興...