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オシャレより〇〇を優先?主流だった《観音開きリアゲート》がなくなった理由

「クロカン4WDに観音開きリアゲート」が定番だったのには理由があった

トヨタ ランドクルーザー70系や、いすゞ ビッグホーンなど、かつて日本で販売されていたクロスカントリー4WD。こうしたモデルのリアゲートは、左右分割式でした。

普段は開口部の7割ほどが開け閉めできて、残りの3割の部分はロックを外すと開閉できるというもので、仏壇の扉に似ていることから“観音開き”などとも言われています。

トヨタ ランドクルーザー70

こうした形式のリアゲートは、主にラダーフレーム構造のクルマに多く見られました。ラダーフレーム構造とは、ハシゴ形の鋼鉄製フレームにエンジンやサスペンションが載り、さらに別に造られたアッパーボディが載っている構造をいいます。

トラックやクロスカントリー4WD、商用バンなどがこのタイプでしたが、現在乗用車で採用されているのは ジープ ラングラーとスズキ ジムニーくらいとなりました。

ラダーフレーム構造のクロスカントリー4WDに分割式のリアゲートが採用されていたことには、いくつかの理由があります。ひとつは、狭い場所でも開閉できるからです。

現在のジムニーのように、ドア1枚を横開きで開閉するとなると、車両後部にそれなりのスペースが必要になります。7割だけ、もしくは3割だけ開ければいいのであれば、それほどスペースは必要はありません。

先代のホンダ ステップワゴンの“わくわくゲート”は、まさにこの理由で採用されていました。

ホンダ ステップワゴンのわくわくゲート(画像は2015年モデル)
先代ステップワゴンに採用されたわくわくゲート(画像は2015年モデル)

第二の理由は、クロスカントリー4WDならではの事情です。激しい凹凸のあるオフロードを走ると、アッパーボディに歪みが生じて、リアゲートを開くと閉まらなくなってしまうことがあるのです。

例えば、オフロードでスタックしてしまい、レスキューグッズを車内から出したら、リアゲートが閉まらなくなった…ということも。

これはリアの大きな開口部を1枚のリアゲートでまかなうから、歪みが発生して起こることであり、2枚のゲートを付ければ開口部の歪みは少なくなります。

それでもゲートが完全に閉まらないことはあるのですが、全開になるよりはマシということです。

執筆者プロフィール
山崎 友貴
山崎 友貴
1966年生まれ。四輪駆動車専門誌やRV雑誌編集部を経て、編集ブロダクションを設立。現在はSUV生活研究家として、SUVやキャンピングカーを使った新たなアウトドアライフや車中泊ライフなどを探求中。現在の愛車は...

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