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あの数字にはこんな意味が!?急カーブ注意標識「R」の数値の意味を理解しよう!
急カーブや坂道には「この先急カーブ」や「この先下り坂 急カーブ」などの警戒標識が設置されています。その標識に「R」と書かれていることに気づいたことがありますか?
「R」は何を意味しているのでしょうか?また、一緒に書かれている数字をどのように活用すればいいのでしょうか?
「R」=カーブのきつさ?
「R」は「Radius」で、半径を意味し、この先にあるカーブの半径を表しています。例えば標識に「R=300」と書かれていた場合は、カーブの半径が全長300メートルであるということになります。
道路構造令によって、設計速度に応じたカーブの標識として「R」を記載することが定められています。設計速度とは、簡潔に言うと、「道路の構造上、その車が安全に走行できる速度」のこと。つまり、カーブになっている道路を無理なく走れる速度と思ってください。
定められている設計速度は、以下のようになっています。
- 100キロメートル 推奨値R=460/最小値R=380
- 80キロメートル 推奨値R=280/最小値R=230
- 60キロメートル 推奨値R=150/最小値R=120
- 40キロメートル 推奨値R=60/最小値R=50
上記のように、時速100キロメートルで走行する高速道路で半径460メートルのカーブがあれば、R=460と表示されます。一般道路で時速40キロの道路で半径60メートルのカーブがあれば、R=60と表示されます。
簡単に言えば、一般的には数字が小さければカーブの全長が短くなることになります。しかし、単純に「数字が小さければカーブがきつくなる」とも言い切れないのです。
上り坂、下り坂、平坦な道路によってカーブのきつさは変わってきます。また、周囲に障害物が何もない視界の良いカーブよりも、視界の悪いカーブの方が角度がきつくて曲がりにくく感じるかもしれません。
さらに、時速何キロかによっても感じ方は異なるため、状況によってカーブの感じ方を数字で表すのはとても難しいでしょう。
「R」の表示を見かけたらどうすればいい?
こうして数字を羅列してみても、なかなかイメージするのは難しいかもしれません。そこで、「R」が書かれている標識を見かけることが多い高速道路を管理しているNEXCO東日本の担当者に、Rを見かけたとき、どのように対処すればいいか聞いてみました。
「Rはカーブの半径を表していますが、広く認知されている言葉ではありません。そのため、道路の一般利用者が数字を見かけた場合は、この先に急なカーブがあると思ってください。
数字が小さければよりきついカーブになっていると勘違いされやすいですが、道路の法定速度によってことなるため、一概に数字の大小で判断するのは困難です。
どのような数字が書かれていても、減速するなどしてください。特に悪天候時は滑りやすくなっていますので、いつもよりも注意、警戒して走行してください。しかし、急な減速は危険なので状況に応じた対応をお願いします。」
つまり、数字を見てどのように対処するかは、カーブの距離感と速度、走行経験も必要になってくると言えるでしょう。
普段からいつも走行しているカーブであれば問題ないかもしれませんが、初めて走行するカーブの場合は、どれくらい急なのかを数字だけでは判断できません。カーブの走りやすさには個人差があるということです。
しかし、「R」が書かれているカーブは、急なカーブであることに間違いはありません。走行中に「R」を見かけたら減速したり、警戒したりして、注意して走行する必要がありそうです。
「標識」は看板、路面の表示は「標示」
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「!」は「どのような危険があるのか表せない」
- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...