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「えっ…補償額が半分以下?」希少中古車の事故を巡る保険トラブル続出…対策は?
多くの車は15年経つと価値が「0円」に
ほとんどのクルマは、15年から20年程度が経過すると、その価値は20万円程度、あるいはゼロと評価されることもあります。ただし、中にはその希少価値からプレミアム価格で取引されるものも多くあるのです。
例えば、25年から30年以上昔に登場したスポーツカーなどが、今、再注目されています。1989年に登場したR32型スカイラインGT-Rを筆頭に、FD3S型のRX-7、ランサーエボリューションなど名車と言われるクルマが数多くあるのです。
こうしたクルマの価値が、国内需要の増加とアメリカでのクラシックカー登録制度(通称25年ルール)によって、どんどん高まっています。
希少中古車、車両保険金額はいくらになる?
先述したR32型スカイラインGT-Rの場合、今から30年以上前に製造されたクルマなので、普通に考えればクルマに残る価値はゼロなのですが、高額な個体ではなんと売価は1,000万円。
こうした車は「希少中古車」と呼ばれ、他の中古車よりも購入や所有のハードルが上がります。特に一般的な中古車と大きく異なるのは車両保険の「車両保険金額」でしょう。
車両保険金額とは、クルマが自らの過失により損害を受けた場合に、保険会社から補償される修理金額の上限のことです。
一般的に新車時に最も高く設定され、年数を経過するごとに、車両保険金額は下がっていきます。これは、クルマが登録され走行し、年数を経過していき価値が減価するためです。
自動車保険見積もりサイトでは、車の型式と年式を入力すると、標準的な車両保険金額を確認できます。例えば、ある見積もりサイトでは、平成24年式(今から10年前)のトヨタ プリウスでは、車両保険金額が75万円と算出されます。
この金額は、中古車販売店での売価とは大きく異なる場合もあるため、保険会社との話し合いをして、中古車の購入金額まで車両保険金額を引き上げることも可能です。
ただし、その金額で保険会社が補償を引き受けるのかはケースバイケースとなります。一般的には、中古車の売買契約書を保険会社に提出するなどして、第三者的目線での車の価値を証明する必要があります。
- 執筆者プロフィール
- Red29
- 1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...