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《動く家があれば怖くない?》災害対策にキャンピングカーを買うは正解なのか
災害対策としてキャンピングカーを検討する際の留意点
上述のように、キャンピングカーは災害時において多くのメリットをもたらしますが、搭載設備や実際のインフラ状況によっては、実力を存分に発揮できないケースも考えられます。
災害対策としてキャンピングカーの購入を検討する際には、「これさえあれば大丈夫」とは考えず、以下のような点も考慮に入れておくとよいでしょう。
蓄電池としての性能はEVに軍配
災害時の電力供給の面で、キャンピングカーのサブバッテリーは上述のように大きな助けとなります。一方で、バッテリー容量のみで比べた場合には、概してEV車種の方が大きくなる傾向にあります。
たとえばEVの日産 リーフは、スタンダードなモデルで「40kWh」のバッテリーを搭載。対して、キャンピングカーの場合には相当に大容量のサブバッテリーであっても5kWhに満たないものが多く、絶対的な容量には差があります。
1世帯の平均的な電力使用量は1日あたり11.8kWhであることから、リーフの場合には「3日程度、普段通りに電力を使える」ほどの容量があることがわかります。
とはいえキャンピングカーの場合であれば、エンジンを動かすことでサブバッテリーへの充電が可能です。さらに、ソーラーパネルをオプションで設置できるモデルも多く、状況次第でかなり長い時間にわたり給電が可能になると考えられます。
トイレがあっても処理が大変?
カセット式トイレを備えるキャンピングカーもあり、数日間の使用には耐えうると考えられますが、災害時には汚水タンクを処理することが難しくなります。カセット式トイレを備えていても、凝固剤入りの非常用トイレなどを別途用意しておく必要があるでしょう。
その他、キャンピングカーにはシャワールームを備えたモデルもありますが、「被災時にも好きにシャワーが使える」とは考えない方がよいでしょう。
給水環境が整わず、かつ終わりの定かでない避難生活においては、水量消費の激しいシャワーの使用が現実的でなくなる場面も多いと考えられます。
「悪路走破性」は乗用車と同等のモデルが多い
一部のオフロード向け車両を除き、キャンピングカーの車体はトラックや1BOXをベースにしたものであり、悪路走行を念頭に置いたものではありません。
災害の影響で舗装にダメージが生じていたり、道路に物が散乱していたりといった状況では、一般的な乗用車と同様に移動が困難になるケースも考えられます。
以上のように、キャンピングカーに防災性能を期待する際には、「どのようなリスクに対して、どのような機能を求めるか」を具体的に見通しておくことが大切です。
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- 執筆者プロフィール
- 鹿間羊市
- 1986年生まれ。「車好き以外にもわかりやすい記事」をモットーにするWebライター。90年代国産スポーツをこよなく愛し、R33型スカイラインやAE111型レビンを乗り継ぐが、結婚と子どもの誕生を機にCX-8に乗り換える...