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NEXCOに聞いてみた「よく見る高速道路の出口渋滞時に路側帯に並ぶのは違反?」
高速道路の路肩、走行はNGだけど出口渋滞時のアレは?
道路の路肩部分には、車1台なら通れそうな空間が用意されています。こうした余裕がなぜ取られているのか、その理由を正しく説明でき、道路を利用している人は意外と少ないものです。
しかし、空いているからと、渋滞時に路肩を通り抜ける行為は、車でもバイクでも行ってはいけません。基本的に路肩を走行することは「出来ない」という理解をしておくことが大切です。
では、高速道路の出口渋滞の際に、路肩に並ぶことも違反になってしまうのでしょうか。出口渋滞の際に推奨されている方法を紹介していきます。
高速道路上の路肩にはどんな役割があるの?
路肩という言い方をすることが多いですが、正しくは路側帯です。
路側帯とは「歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路部分で、道路標示によって区画されたもの」を指します。
一般道における路側帯は、歩行者のために設置されたスペースとなります。したがって、路側帯を通行できるのは歩行者と自転車等の軽車両のみ。自動車やバイクはもちろん、原動機付自転車も走行することはできません。
では、自動車専用道路において、路側帯はどのような扱いを受けるのでしょうか。
一般道のように軽車両や歩行者が入り込むことが無い自動車専用道路では、路側帯は緊急自動車が走行する場所、または緊急事態が起こった車両がやむを得ず停車する場所と考えられています。
最近では少なくなりましたが、一昔前は高速道路の渋滞中に、路側帯を走行して渋滞中の道路を進んでいくなどの、非常にマナーが悪く危険な車が多くありました。これは明らかな違法行為です。一般車両は路側帯には入れないと覚えておくことが重要になります。
出口渋滞では路肩に並ぶのはやむを得ない?
一般に、路側帯の走行や侵入はNGであることは前述のとおりわかっていただけたと思います。ただし、NEXCOによれば、「突発的な状況変化が起こり、自動車専用道路の本線上の安全が脅かされる状況では、路側帯への侵入もやむを得ないのではないか」とのことでした。
本来、高速道路では緊急時以外の駐停車は禁止されており、路側帯は緊急車両以外の通行が出来ない場所ですが、出口渋滞が本線まで延びてしまった場合、本線の安全上路肩に並んで待つのはやむなしという見解です。
警察としても、路側帯へ侵入するのは違法な状態であるとは認識しながらも、状況によっては黙認せざるを得ないと話すところが多く、高速道路の出口渋滞に限っては、路側帯で順番を待つのが、選択肢の中で最も安全かつ公共の利益になるということなのでしょう。
本線上に渋滞ができると、通行の妨げになることと、追突事故につながる恐れが高いというリスクが隠れているためです。
出口渋滞しているときの対応方法はこう!
出口渋滞時の対応は、道路標示や掲示板等で出口渋滞の情報をいち早く知り、前方の状況を確認しながら走行することです。
路側帯へ渋滞が続いている場合には、方向指示器を上げて渋滞の最後尾に並びましょう。最後尾に並んだあとは、ハザードを点灯させ、周囲に存在を知らせるとともに、出口渋滞が発生していることを、後方からくる車両に知らせることが重要です。
明確なルールは必要ですが、ルールは実態に沿った運用が行われる必要があります。路側帯に関するルールも、前提としては「歩行者・軽車両専用」「(自動車専用道路では)緊急車両専用」ということを頭に入れながらも、状況に応じて、多くの人が最も安全に利用できるように、運用方法にグレーゾーンを作り、適用していくことが大切なのではないでしょうか。
これで、路側帯の使い方は、完全にマスターできたはず。高速道路での渋滞時には、本稿を思い出していただき、安全なドライブをしてください。
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- 執筆者プロフィール
- Red29
- 1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...