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ガソリン車とハイブリッド車、冬の暖房利用で燃費悪化率が高いのはどっち?

暖房は冷房よりも燃費が落ちにくい?

©MICHAEL ZECH/stock.adobe.com

では、暖房の場合はどうでしょう。外気温は低いですが、エンジンが動いている車は、そのもの自体が「熱」を持っています。

一度エンジンが温まってしまえば、暖かい空気を作り出すのは容易くなり、大きな負荷が無く暖房を使用することができます。そのため、ガソリンエンジン車で暖房を使う場合には、冷房使用時よりも燃費が悪化せずに済むのです。

しかし、ハイブリッドカーの場合には、ガソリンエンジン車と比べ、熱源となるエンジンが動いている時間が短くなります。アイドリングストップやモーターだけでの駆動をしているためです。

そのため、場合によってはエンジンが十分な熱源とならず、暖房を作動させるためにエンジンを動かすという、ガソリンエンジン車とは異なる動きをすることとなります。

これにより、駆動用バッテリーも補機バッテリーも充電が十分にもかかわらず、エンジンが始動して、燃料を消費する場面が多くなります。

駐車後の始動など、長くエンジンが動いていない時間のあとは、外気にさらされ冷やされていくエンジンを再び温める必要もあるため、ハイブリッドカーでの暖房使用は、燃費の悪化に大きな影響があるのです。

冬の燃費悪化率はハイブリッドカーの方が高い

©Georgy Dzyura/stock.adobe.com

筆者はガソリン車を約7年乗り現在はハイブリッドカーを10年保有しています。走行距離やタイヤなどの条件はほぼ一定の両者を比較すると、前述のとおり、燃費が落ち込む時期が正反対になっていました。

ガソリン車では夏場のエンジン負荷が大きく、冷房の使用有無が燃費に大きな影響を及ぼします。対して、冬場の暖房に関してはA/CスイッチがONでもOFFでも、燃費にそれほど大きな影響はありません。

対して、ハイブリッドカーの燃費悪化は、冬場に顕著に現れます。一例として、今年の週間平均燃費を比較してみました。

月下旬から10月上旬、既にスタッドレスタイヤに履き替えた状態で、平均燃費は22km/L前後で推移。20km/Lを切ることはほとんどありません。しかし、気温が下がるにつれて、燃費は段々と悪化していき、12月1日から10日までの平均燃費は15.8km/Lまで下がりました。秋口と比べると冬季の燃費は約30%も悪化したことが分かります。

数値からも分かる通り、ハイブリッドカーにとって、冬の暖房使用は燃費を稼ぐには厳しい状況です。最新車種では、エンジンを非効率に冷やさないよう、冷気を遮るシャッターをグリル内に搭載したり、ヒートポンプエアコンを搭載したりするなど、暖房による燃費悪化が起きにくくなるように対策が施されています。

それでも冬場に燃費が落ちるのはハイブリッドカーの宿命です。暖房とは相性が悪いということを理解しながら、水温をみながらこまめにエアコンをON・OFFしたり、設定温度を1度下げたりするだけでも、燃費の回復は見込めます。

ガソリン車とハイブリッドカー、それぞれの特性を理解しながら、車と上手く付き合っていきましょう。

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執筆者プロフィール
Red29
Red29
1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...

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