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切断から窒息事故多数…大根も粉砕するパワーウィンドウで子供の事故を防ぐ方法
最近ではほとんどの車に標準装備されているパワーウィンドウ。窓の操作を簡単に行うことができる便利な装置ですが、たびたび事故も発生しています。過去には、子どもの指が挟まれ切断されてしまった事故や、首を挟まれ窒息し、意識不明の重体になったケースもあるほどです。
コロナ禍において、換気のために窓を開閉することも少なくないはず。悲しい事故を防ぐためにも、いま一度パワーウィンドウの注意点を確認しておきましょう。
野菜も切れる!?パワーウィンドウの力
JAFでは「軽自動車・セダン・ミニバン」の3車種でパワーウィンドウの閉まる力について実験しています。窓が閉まる力は最大で34.6kgf(スイッチを引き続けた場合)で、その力はゴボウや大根が容易に切れるほど。
また、8歳男児、30代女性、50代男性の3人がパワーウィンドウを手で止める実験を行っていますが、片手で止めることができたのは50代男性のみ。30代女性は両手であれば止めることができましたが、8歳男児は両手でも止めることができなかったという結果が出ています。
このような実験結果から、子どもが挟まれることの危険性がわかるでしょう。JAFのみならず、政府広報室や日本自動車工業会など、さまざまな機関でパワーウィンドウの事故に関する注意喚起がなされています。
最近では「挟み込み防止機能」が装備される車も多くありますが、”運転席のみ”であることも。
またJAFの実験では、挟み込み防止機能が備わっていたとしても、窓を閉めきる直前の部分に「挟み込みを検知しない領域」があるとのこと。子どもの細い指などが挟まった場合は、挟み込み防止機能が作動しない可能性があります。
パワーウィンドウによる事故を防ぐためには
パワーウィンドウの事故には、大きく分けて「ドライバーの操作によって子どもを挟んでしまうケース」と「子どもが操作して自らを挟んでしまうケース」の2つがあるようです。
政府広報オンラインによると、パワーウィンドウの事故原因の大半が”大人の不注意”。つまり、大人が注意を払うことにより、大半の事故は防ぐことができます。
筆者がお世話になっているディーラー担当者に、パワーウィンドウ操作時の注意点について聞いてみました。子どもを乗せる際は「チャイルドシートの使用」「子どもへの声かけ」「ロック機能」が大切であると話しています。
チャイルドシートを使用する
6歳未満の子どもには、チャイルドシートの着用が義務付けられています。正しくチャイルドシートを使用していれば、子どもの手が窓の上部まで届く可能性は低いでしょう。
操作前には子どもへの声かけを行う
パワーウィンドウの操作を行う際は、子どもへの声かけをしましょう。『窓を閉めるよ』『窓から離れて』など、注意を促してください。
ただし、子どもは注意を受けると逆にふざけて窓から手を出したりすることもあるため、声をかけたからといって完全に安心してしまうのは危険かもしれません。窓を閉める際は十分に注意を払うようにしましょう。
ロック機能を使用する
子どもによる誤操作を防止するためには、運転席の窓操作部分にあるロック機能を使用しましょう。ロックをONにすれば窓の操作ができなくなるため、子どもが誤って窓の開閉を行うことを防ぐことができます。
前出の担当者いわく、このロック機能を知らない人も少なからずいるとのこと。小さな子どもを乗せるのであれば、ロック機能は積極的に活用すべきです。
日常的に子どもを乗せて運転している場合、どうしても安全確認が疎かになりがちです。小さな子どもがチャイルドシートを着用せずに座っていたり、後部座席の窓に沿って立っている光景を目にすることすらあります。
こういった油断が、パワーウィンドウによる挟み込み事故などの一因となることを認識すべきでしょう。
コロナ禍において、換気を行うために窓の開閉をする機会も増えているはず。そんな時だからこそ、安全にパワーウィンドウの操作をしていただきたいところです。
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- 執筆者プロフィール
- 成田 佑真
- 1993年生まれ。普段は医療機器販売を行っているが、暇があれば自動車関連記事を読み漁る。現在の愛車はA4。子どもの頃からマークⅡに憧れ、社会人になりマークXを購入。週末は必ず手洗い洗車を行い、ドライブに出...