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ご当地ナンバーにあやかりたい!ナンバープレートは好きな地域に設定できる?
現在、車を購入する際には、任意の番号4ケタを付けることができます。この「希望ナンバー制度」は1999年に開始されました。
しかし、希望ナンバー制度では、4ケタの数字部分を自由に設定できる一方で、ひらがなの部分や3ケタの分類番号、そして地域名の部分は自由に選ぶことができません。
「好きな番号が選べるなら地域名も好きなものにしたい」「同じ県内の違う地名のほうがいい」といったケースは、実現できるのでしょうか?
地域の選択は原則不可!無理に行えば処罰も
車の保管について規定している法律、通称「車庫法」で、ナンバープレートの地域部分は「保管場所(駐車場)」に基づいて設定するとしています。
つまり、ナンバープレートの地域は「自動車の使用の本拠の位置」を管轄する運輸管理部または運輸支局を示すため、好きな地域を選択することはできないのです。
保管場所は、その車の使用者の住居から半径2km以内にあることが条件となっています。かつては半径500m以内と規定されていましたが、車を購入する人が増えた結果、駐車場不足が問題となり半径2km以内に緩和されました。
車庫証明の取得には住民票などの現住所を確認する書類が必要であるため、車庫の場所と住居の場所を意図的に変更することはできません。
引っ越しなどで、車庫の場所と住居の場所が変わった場合は、登録内容を変更する必要があります。変更申請は管轄の運輸支局にて行います。申請時には国土交通省が配布する申請書や手数料納付書、住民票などの住所の変更の事実を証明する書面、自動車検査証が必要です。
「車庫飛ばし」には最大20万円の罰金も
希望する地域のナンバープレートを手に入れるため、実際には居住実態がないにもかかわらず、違法に車庫証明を取得してナンバープレートの地域を操作するという手法があります。
これはいわゆる「車庫飛ばし」で、違法行為に該当します。車庫法第17条では、自動車の保管場所に関する虚偽の書面を提出した場合は最大20万円の罰金が科せられると定められています。
悪意がある場合はもちろんですが、住民票の異動忘れなどで悪意のないまま車庫飛ばしをしてしまっているケースも。引っ越した際は、車の登録情報の変更を忘れないようにしましょう。
地域性を表現したナンバーも増えてきた
地域によっては図柄入りプレートが選択できる
ナンバープレートのなかには、「地方版図柄入りナンバープレート」というものが存在します。
地方版図柄入りナンバープレートは、走る広告塔として地域の観光資源や風景を図柄にして地域の魅力を全国に発信することを目的に、2018年から交付が開始されました。
交付料金は地域によって異なり、交付料金に加えて1,000円以上の寄付をすると、フルカラーのナンバープレートを選択することができます。
独自の地名が採用されている地域も
また、いわゆる「ご当地ナンバー」と呼ばれるものもメジャーになっています。
上述の通り、ナンバープレートの地域名は原則として管轄の運輸支局を示していますが、近年では地域独自の地名を提供している自治体も増えています。
東京都内では「杉並」や「世田谷」に加え、「板橋」や「江東」も追加されました。また「富士山」のようなその県を象徴する地名を盛り込んだり、「とちぎ」のようにあえてひらがなにすることで親しみやすさを出すといった工夫が行われています。
自治体がご当地ナンバーを導入する理由の多くは、「地名を掲げた車が全国を走ることで知名度を上げたい」というものです。実際に、地域創生のひとつとして、ご当地ナンバー導入を希望する自治体は少なくありません。
特別なナンバープレートが期間限定で登場することも
ラグビーW杯や東京オリンピックといった全国的なイベントを記念したナンバープレートも過去に存在していました。特にラグビーW杯の白い記念ナンバープレートは、軽自動車でも白いプレートを装着できたため、かなりの人気があったようです。
このように、かつては無機質な印象のあったナンバープレートですが、現在ではバリエーションも豊かになっています。
基本的にはナンバープレートで好きな地域を選択できませんが、住んでいる地域によっては、こうした特別なナンバープレートを選択してみると、カーライフがもっと楽しくなるかもしれません。
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- 執筆者プロフィール
- 清水 圭太
- 1995年生まれ。自動車やファッション、高級時計などのライターとして執筆活動中。現在の愛車はランドローバー、輸入車が好き。週末はSUVで旅行に行くのが楽しみになっている。