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きちんと説明できる?車好きしか分からない「クラッチが滑る」ってどんな状況?

エンジン回転数とクラッチの回転数が合わない状態のこと

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クラッチは、摩擦の力を使ってエンジンの動力をミッションに伝え、その動力がタイヤに伝わることで、車は動き出すことができます。

摩擦で車を動かすということは、ブレーキと真逆のことをしているということでもあります。そのため、摩擦による摩耗が発生し、クラッチディスクは減っていきます。

摩擦の影響を大きく受けると、摩耗は早く進んでしまうもの。例えば、高回転で回っているエンジンに対し、突然クラッチを繋ぐような行為はもちろん、クラッチ側とエンジンの回転数が異なるような「半クラッチ」の状態を長く続けるのも、クラッチを摩耗させる原因です。

摩耗が進んだクラッチは、フライホイールとの圧着力が落ちてきて、次第に半クラッチと同じような、エンジン回転数とクラッチの回転数が合わない状態になります。

この結果、「クラッチが滑る」という状態が発生するのです。

クラッチが滑るとエンジンの回転数を上げても加速感が得られなくなる

DCT(デュアルクラッチトランスミッション)のイメージ画像
©scharfsinn86/stock.adobe.com

エンジンの力を全てトランスミッションに伝えることができなくなったクラッチは、滑りはじめます。この現象は、クラッチを完全につないだ状態で走行し、エンジンを高回転になるまで回していくと発生します。

5,000回転前後まではクラッチが持っている摩擦力で、エンジン動力を全て伝えきれているのですが、それ以上にエンジンが速く回転すると、クラッチの持ち合わせている摩擦力では、動力の全てを受け止めきれなくなり、エンジン側のフライホイールが、クラッチの上で空回りするような状態になるのです。

これが「クラッチが滑る」という状態。エンジンを回していくと、突然ヒュンとレッドゾーンまで回ってしまい、エンジン回転数の上昇に応じた加速感を得られないポイントに入ります。

クラッチが滑る原因は様々考えられますが、主なものは、クラッチのオーバーヒート、クラッチカバーの劣化、ハイパワーすぎるエンジンでクラッチの摩擦力が足りない、オイルなどが漏れてクラッチに付着したといったものです。

特に、スポーツカーのような高性能エンジンを積み込むMT車では、クラッチの置かれる環境が厳しくなり、滑りがよく発生してしまいます。

AT車では車側が勝手に操作してくれるクラッチですが、MTではそうはいきません。摩擦で減るモノという認識を持ち、クラッチに優しい運転を心がけていきましょう。

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執筆者プロフィール
Red29
Red29
1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...

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