現金とローンではどちらが得で後悔しない？勤務歴10年のベテラン営業マンの回答は

車選びで迷いがちなポイントの1つに、購入費用の支払方法が挙げられます。現金一括で支払うか、それともローンでの分割払いを選ぶか迷った経験があるのではないでしょうか。

数百万円のお金をかけて新車を後悔なく手に入れるには、現金払いとローン払いのどちらが安心なのでしょうか。

ローン払いで車を手にする人が8割

人生で「大きな買い物」に分類される車選びですが、現金払いよりもローン払いを選択するユーザーが多くなっているそうです。とあるメーカーの直営ディーラーで10年以上の間営業を務めている関係者に、現金とローン、どちらの支払い方法が多いのか尋ねてみました。

「現金払いが1割から2割で、残りの8割がローンを利用しています。

ローンなら、頭金が不要であったり支払いにかける年数・支払回数が状況に合わせて設定できたりするため、一定の収入はあるけれども予算不足でお求めの車種が現金一括で買えない人には心強い支払い方法となっているようです。

昨今は安全装備の充実で車の販売価格が高くなり、加えて収入も大きく増えていない世間の情勢から、現金一括で新車を購入できるお客様が珍しくなりつつあります。

ローンは、クレジット会社や銀行などでの審査を通らなければなりませんが、一定の収入があり支払い能力が十分と判定されたら新車を手に入れられるのが魅力です。どうしても新車でなければ嫌だとこだわりをもたれているお客様には、見積りの際にローン支払いも提案するよう対応しております。」

近年流行している残価設定型ローン、盲点も

新車の購入でローンが8割を占めていると伺ったところで、近年耳にする機会が多くなっている「残価設定型ローン（残価設定型クレジット）」はどれほどの頻度で使われているのか気になりました。

残価設定型ローンは、購入した車に設定されている本体価格から一部を契約終了時の「保証金額」として残すことで、月々の支払金額が通常のローンより少なくなり、負担を軽くすることができます。

残価設定型ローンの利用割合についても、とある自動車ディーラーの関係者から次のように話を伺いました。

「残価設定型ローンは車種にもよりますが、ローン全体で平均5割程度の利用割合となっています。ちなみに、弊社で扱っている人気の小型SUVなら、7割から8割のお客様が残価設定型ローンをご利用になられるケースが多いです。」

人気の車種であれば7割から8割が残価設定型ローンを使っているようですね。

しかし、ディーラーの関係者は残価設定型ローン利用時の注意点について以下のように語ります。

「残価設定型ローンは、支払い終了時点で一定の価値が保証されるのをメリットに受け取って契約をするお客様が多いです。

ただし、通常のローンでも共通することですが、ずっと同じメーカーで乗り続ける、あるいは買い続けるなどの覚悟がなければ残価型設定ローンで購入すると、後々大変な思いをするかもしれません。

残価型設定ローンで購入した車を大破させるような事故を起こしてしまうと、残価が低下する分、差額の精算が必要です。多少の傷であれば契約条件の範囲内に収まるケースがほとんどですが、事故歴に加えられてしまう破損具合となれば、残価設定した金額を下回ってしまいます。

次の新車を購入したくても同じメーカーから選ばざるを得なくなり、精算できなかった差額分を上乗せする結果、”ローン地獄”に突入するお客様も珍しくありません。

車を使う以上、万が一の事故は十分に考えられるので、リスクを避けたい人は特約付きの車両保険に入るなど対策する必要があります。その点も鑑みて、他の支払い方法と比較できるように丁寧な説明をするように心がけています。」

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家計と乗り換えサイクルに合わせた支払い方法を選択しよう

車を後悔なく手に入れたいなら、家計を考えつつ、車を乗り換える時期・サイクルを想定して、状況に合わせた支払い方法を選択するとよいでしょう。

何も縛りがなく自由に車を使いたいなら、現金での一括払いが有効な選択となりますが、新車価格が高騰する昨今では現実的な選択とは考えにくいかもしれません。

一方、ローン払いは、分割で時間をかけて車の購入代金を支払えるメリットがある反面、購入代金に「金利」がかけられるのも忘れてはならないポイントです。最終的な支払い総額は現金払いよりも1割から2割程度増えることになります。

残価型設定ローンは、支払い期間が終了したタイミングで一定の価値が保証されているのがメリットです。数年で車を乗り換える計画を立てている人には効率のよい支払い方法ですが、事故で車を壊してしまった際に価値が下がった分の差額を請求される可能性があるのを認識しなければなりません。

それぞれの支払い方法でメリット・デメリットがあるため、お財布事情を把握し、無理のないカーライフを送れるよう最適な支払方法を選んでみましょう。

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