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日本での「車をオンラインで販売」は前途多難?現状をディーラーで質問してみた
車を手に入れる新しい方法として、オンラインでの販売が模索されています。スマホ1台で手続きができるのがメリットですが、実際どのくらいの人が利用しているのでしょうか?
車のオンライン販売の現状について、ディーラーを取材してみました。
日本の新車オンライン販売は”サブスク”のみ
実は、日本における車のオンライン販売は、「サブスクリプション」にあたります。
サブスクでは完全に車を所有するわけではなく、代金を支払って一定期間利用できる権利を得ることになります。自動車税や車検・点検、任意保険料も含んだ諸費用込みで、1ヵ月単位で決められた利用料を支払う仕組みです。
トヨタの「KINTO」、ホンダの「Honda ON」では、いずれもこのようなサブスクリプションをオンラインで手続きすることができます。
中古車なら購入手続きまでなら対応しているケースがある
アメリカの自動車メーカー・テスラは、完全に車を所有できる方式でオンライン販売を実現しています。
日本でも中古車であれば、購入手続きまでオンラインで可能となるシステムが存在します。
最たる例が「トヨタ中古車 オンラインストア」です。インターネットで全国のトヨタ系中古車センターにて販売されている物件からお気に入りの一台を探せます。24時間いつでも購入申し込みができるサービスです。
ただし、車をオンラインで注文しても、自宅に届くわけではありません。物件が保管されているお店で納車が行われ、車検・点検の際は店舗を訪れる必要があります。
オンラインと銘打たれているものの、インターネットだけで完結しないシステムとなっている点は注意したいポイントです。
オンラインで車を入手できるサービスは実際に使われているのか?
車のオンライン販売を利用しているユーザーはどれほどいるのでしょうか。
例えば、2019年に登場したトヨタの「KINTO」は、インターネットでのオンライン申し込みも可能な自動車定額利用サービスです。
KINTOの現状について、トヨタの車種を扱う地場系ディーラーの営業担当者に直撃し、話を伺いました。
「KINTOですが、サービス開始して3年が経って、実際に私が契約を担当したのは2件程度です。
世界の情勢は大きく変化しましたが、だからといって車の販売は昔からの風習である「実際に店舗へ来店して実車をチェックし、契約手続きをする」の方向性は変化していません。
KINTOは車本体を買ってもらうわけではなくリースで貸し出す形式なので、その点が一般に馴染んでいないのかもしれません。」
KINTOはインターネットから手軽に申し込み手続きができるのが強みです。しかし一方で、弱点も存在します。
車の維持にかかるコストについて、KINTOでは「コース別で最長となる7年契約ではすべて月額料金に含まれる」としていますが、自動車保険は年齢・継承してきた等級を問わずに一定の料金設定となっています。
これにより全体を見渡すと、細かな部分で費用がかさんでしまい、インターネットで申し込んでも納車やアフターサービスを受けるために実店舗へ足を運ばなければならない点が、オンラインでのサービス利用に繋がらず足かせとなっているのかもしれません。
ホンダも新車のサブスクリプション「Honda ON」で参入し、日産もBEV(電気自動車)「アリア」の登場と同時にオンライン販売の仕組みを作っていくと表明しています。
しかし、真っ先にオンラインで新車が手に入るサービスを打ち出したKINTOの現状が芳しくない点を見ると、今後、日本で車のオンライン販売普及への道は前途多難とも考えられるでしょう。
各メーカーが参入していくことで車の購入方法が実店舗からインターネットに移ってゆくのかどうかに注目です。
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- 執筆者プロフィール
- 長谷川 優人
- 1990年生まれ。30代突入と同時期にライター業を開始。日常系アニメと車好き。現在所有はワゴンR(MH95S)。アニメ作品の聖地巡礼などで、各地へドライブに出かける。