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高級車あるあるだった立体エンブレムが少なくなった理由はやっぱりアレが原因
現在でも立体エンブレムを採用する車種は?
国際的に厳格化される歩行者保護の規制を受け、跳躍するジャガーを模したエンブレム「リーピングジャガー」をはじめ、多くの立体エンブレムが姿を消しました。
これまで立体エンブレムの代名詞でもあったメルセデス・ベンツの「スリーポインテッドスター」もグリル内に収められるようになり、現行ラインナップのなかで立体型のものが標準装備されている車種は「Sクラス」および「メルセデスマイバッハ」ブランドの車種のみとなっています。
こうした流れに抵抗し続けているのが、ロールスロイスのシンボル「スピリット・オブ・エクスタシー」です。翼の生えた女性を模した彫像は「フライング・レディ」とも呼ばれ、1910年代からロールスロイスの象徴として車体の先端を飾り続けています。
2003年に発売された先代の「ファントム」からは、規制への対応や、盗難防止の観点から、「触れた瞬間に像がボンネット内に格納される」という驚きの機構が採用されています。
同モデルのデザインを担当したMark Djordjevic氏は「ロールスロイスのオーナーにとって、後席の両側からオーナメントがはっきりと見えることが重要なポイントであると調査は示している」として、ステータス性の高い立体エンブレムを求めるニーズに応える必要性を述べています。
オーナーからの反応は?
立体エンブレムが伝統的なモデルからも姿を消していることに対して、オーナーの方はどのように受け止めているのでしょうか。
メルセデス・ベンツを扱うディーラーのスタッフに話を聞いたところ、「長年メルセデスを乗り継いできたお客様のなかには、ボンネット上のオーナメントがなくなったことを残念に思われる方もおられます」と、ブランドの象徴であった立体エンブレムを惜しむ声もあるようです。
一方で「オーナメントがなくなったことを理由に、購入を差し控える方は自分の知る限りではおらず、むしろお気になさらないお客様の方が多い印象です」という話もあり、立体エンブレムがなくなった後も、ブランドや車両の価値そのもののイメージは揺らいでいないことが見受けられます。
絶滅の危機に瀕する立体エンブレム。オーナーの思いもさまざまですが、旧来のモデルが街から消えていくとともに、目にする機会も減っていくと考えられます。もしかしたらそう遠くないうちに「見かけたらラッキー」と思えるレアアイテムとなっていても不思議ではなさそうです。
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- 執筆者プロフィール
- 鹿間羊市
- 1986年生まれ。「車好き以外にもわかりやすい記事」をモットーにするWebライター。90年代国産スポーツをこよなく愛し、R33型スカイラインやAE111型レビンを乗り継ぐが、結婚と子どもの誕生を機にCX-8に乗り換える...