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F1に6輪車が存在していた驚くほど合理的な理由 ティレル「P34」
ティレル「P34」
ティレル「P34」は、かつてイギリスに存在していたレースチーム「ティレル」(当時の日本ではタイレルと表記)が、1976年から1977年までのF1世界選手権に用いたフォーミュラー1カーです。発表当時は、異例の6輪F1カーということで大変注目を集めました。
1975年に発表
ティレル「P34」はロンドン市ヒーローズ・ホテルで1975年9月に披露されました。車に掛けられていたカバーが外され、会場は時が止まったかのような状態だったそうです。
なぜかというと、フロントタイヤはとても小さくフロント2軸の6輪車で、4輪のフロントタイヤはリヤタイヤとのバランスがとれていないスポーツカーノーズとボデーモノコックの間にあるということに驚いたのでしょう。
誕生の経緯
最大の特徴である6輪になった経緯は、空気抵抗の減少を目的としてフロントタイヤを小さくしたことから始まります。フロントタイヤを小さくすると、タイヤ接地面積が減少してしまいます。
これを補うために、フロントタイヤを4輪にしたことで史上初の6輪F1カーが誕生しました。
6輪の意味
当初の目的である、空気抵抗の減少によるスピードアップはうまくいきませんでした。
しかしその過程でタイヤを6輪にしたことで、副産物的な効果が得られました。接地面積が増えたことでグリップ力が上がり、ブレーキ性能とコーナリング性能が飛躍的に向上したのです。
結果を出す
運用されたのは2年という短い間でしたが、その間に1度の優勝、2位に9回入賞するという結果を残しています。
これを受けてか他チームも6輪車の開発をしていましたが、実戦投入には至りませんでした。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...