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フラワーカンパニーズ×トヨタ ハイエース:Vol.5(最終回)「たぶん道が広がる」MOBYクルマバナシ
【Profile】フラワーカンパニーズ名古屋が生んだ“日本一のライブバンド”フラワーカンパニーズ。通称フラカン。Vocal:鈴木圭介(左)、Bass:グレートマエカワ(右)、Guitar:竹安堅一、Drums:ミスター小西の4人組。1989年に地元の同級生によって結成され、95年メジャーデビュー。“自らライブを届けに行く事”をモットーに活動、大型フェスから小さなライブハウスまで……メンバー自ら機材車に乗り込みハンドルを握り、日本全国津々浦々でライブを展開。2017年に自主レーベル「チキン・スキン・レコード」を新たに立ち上げ、ニューアルバム『ROLL ON 48』をリリース。現在でもバンドの“愛車”ハイエースを操り、精力的にライブ活動を行っている。
前回までのインタビューはこちら:
Vol.1「機材車とともに歩んだ28年」
Vol.2「青春の思い出の車たち」
Vol.3「“生きててよかった”と思う夜」
Vol.4「40万km……ハイエースとの思い出」
Vol.5:たぶん道が広がる
長距離移動中の車内環境について、なにか気を遣っていらっしゃることはありますか?
マエカワ:まずはあれだよな、2008年に今のハイエースを買ったときに、はじめて禁煙車にしたってことが一つある。
小西と、今はやめたけど竹安もタバコ吸ってて……車内はケムケムだったよね。道路じゃなくて、車内に霧が出ていたこともあったかもしれない(笑)。
ボーカリストである鈴木さんは、長い時間エアコンをつけてドライブをしていたりすると、声が出にくくなったりしないのでしょうか。
鈴木:ハイエースで僕が座る“定位置”があるんですよ。4列シートの3列目の一番右側。実質一番奥。一番落ち着く席ですね。後ろから見られないし、前からも振り返らないと見えない。だけどこちらからは見えるんです、前の人の携帯とか。
マエカワ:携帯を覗くって、彼女か(笑)。
鈴木:自分の携帯は誰にも見られないの(笑)。僕の席にはそういう利点はあるんです。だけど空調がね……まず、僕の席の窓は開け閉めができないんですよ。
ちょうど開かないところですよね。
鈴木:運転席と後部座席って、温度差があるじゃないですか。運転席は陽も照るから。だから車内の気温って大体、運転手に合わせてあるんですよね。
そうなると僕は寒いので、「マイ毛布」で丸ごと体を包んで、お腹を冷やさないようにケアしてます。
いろいろご苦労もあるんですね。
鈴木:夏の冷房は厚着で対策できるんですけど、冬がキツイ。というのも、足元にヒーターの吹き出し口がありまして、これがめっちゃくちゃ熱いんです! 座面の上で体育座りしちゃうくらい熱風なの。
だから吹き出し口の前にバリケード作って、暖房をふさいでます。エアコン問題は悩ましいので、自分なりに対策してます。
喉のケアもされますか?
鈴木:車の中では四六時中マスクを付けてます。それは湿気の問題というより、雑菌がね……。おそらくものすごい菌がいると思うんで。一匹でも菌がいると思うと……ゾッとする!
マエカワ:あはは(笑)。
鈴木さんの喉も大事ですし、あとは楽器などの大切な機材も一緒に運んでいるわけじゃないですか。そのあたりで気を遣っているようなことはありますか?
マエカワ:機材は配置が重要だね。例えばベースやギターや真空管の付いたアンプとか、繊細なものはなるべく揺れないようなところへ。逆に物販とかは多少揺れても大丈夫だからって、ローディースタッフが考えてくれてます。
鈴木:これが先、それが後って……上手い人がやるテトリスみたいな。順序が大事みたいで、僕ら2人でやれって言われたら恐らくできない。全然違うものを先に積もうとして、「そんなの一番あとなのに!」みたいな。
マエカワ:そうそう、ほんとそう(笑)。
鈴木:毛布を間に挟むとか、そういうのは僕らも手を貸しますけどね。
人も機材もすべて運ぶとなると、スペース的に一番大きいハイエースでもけっこう厳しいですよね?
マエカワ:意外となんとかなってるかな。まあでも、みんなびっくりはしますよね。後ろ開けたら「わっ、パンパンだ!」って。
鈴木:パンパンだと揺れないからいいんですよ。スカスカだと「ガガッ」て崩れたりするので、なるべく物販の量で調整して積めるだけ積めるように。そうやって、みんなで協力してますよ。
車内を快適に過ごすためのグッズなどでお勧めはありますか?
鈴木:僕もお客さんからいただいた物は使います。だけど首枕はくすぐったくて、「あー痒い痒い痒い!」ってなるから、結局は毛布が一番だっていう結論。毛布最強説!
最強説(笑)。
鈴木:首とか腰周りに、毛布一枚挟むんですよ。形も自由に変えられるんで、フィットする形にして。やっぱり毛布最強説!(笑)
マエカワ:あとはあれかな、たまに鈴木が買ってくる……クレベリン!
鈴木:あれ自腹で買ってますからね。結構高いんですよ。2,000円とか。
マエカワ:会社(フラワーカンパニーズ)に請求すりゃあいいじゃん(笑)。
先ほどのマスクもそうですが、やっぱり喉のケアには気を遣っていらっしゃるんですね。
鈴木:本音を言えば、風邪をひいた人は自ら電車で行ってくれって思う。そのまま風邪なんかひいてないっていう顔でマスクもせずに乗ってたら……1回でもあやしい咳をしたら、すぐに「はい、これ」ってマスク渡します。車内で風邪ひいた人がいると、全員感染しちゃうので。
ドライブグッズのベストバイは、灯台下暗しの毛布とマスクいうことで……。
マエカワ:毛布万能だな(笑)。
話が前後しますが、今回の新曲『ハイエース』。もし日産・キャラバンに乗っていたら、『キャラバン』という曲名になったのでしょうか。
マエカワ:『キャラバン』って曲はあるもんね。キャラバンっていうバンドも、人もいるし。
鈴木:小沢健二さんの曲にもあったよね。『犬は吠えるがキャラバンは進む』。字面的にはキャラバンの方がかっこいいと思うんですよね。
マエカワ:そう? 70年代的で俺はハイエース、好きだよ。
鈴木:好みが分かれるところなのかな? ただ、僕にとってハイエースは、もっと馴染み深いんですよ。というのも、僕らの住んでた名古屋に「ハイエース」っていうディスカウントショップがあったんですね。今で言う「ドン・キホーテ」みたいなもんですけど、すべてが安い。そこによく行ってたんで、「ハイエース」って言葉はもう、身に染み付いてるというか、うん。
マエカワ:トヨタから声が掛からずに、ディスカウントショップの「ハイエース」から声が掛かっちゃうよ(笑)。
最後にMOBYの読者に向けて、「フラワーカンパニーズ」のご紹介をお願いいたします。
マエカワ:もう28年もやっとるから、はじめて知る人とか聞く人はとっつきにくいと思うかもしれない。どれから聞けばいいんだとか、どんなときにライブ行きゃいいんだとか……でも、いい意味でも悪い意味でも俺ら「ベテラン感」みたいなの、そんなにないからね。
だから曲を知らなくてもたぶん入りやすいと思うし、好きな曲が一曲でもあったらそれだけで「ファン」って公言してくれていいと思う。「フラカン好きだよ」って。
そういう気軽な想いで、曲を聞いてもらうなり、ライブに来てくれると、たぶん道が広がるかなって思う。
はじめてライブに行く人は、『真冬の盆踊り』で戸惑うかもしれませんね(笑)。 (※ 常連のお客さんが踊りだすので。)
マエカワ:うん(笑)。そこでやめちゃう人もいるかもしれないけど、でもね、俺達のいろんないいところもあると思うから、いろんな面がね。
「これどうせおじさんたちでしょ?」とか、そういう世代的なとっつきにくさはね……俺らにはあんまりないと思うんだよね。いつ入ってきても入りやすいと思うから、ぜひ来てほしいね!
“日本一のライブバンド”であるフラワーカンパニーズさん。今回の連載を通してお伺い出来たのは、28年のバンド生活における苦楽や青春、“生きててて良かった”と思う瞬間など、人生の教訓となるようなお話ばかりでした。2017年9月6日に発売された16thアルバム『ハイエース』はMOBY読者の皆さんもきっと気に入ってくれる名曲がずらり。フラワーカンパニーズさんの歴史を思い浮かべながら、ぜひ一度ご視聴ください!
前回までのインタビューを読む
VVol.1「機材車とともに歩んだ28年」
Vol.2「青春の思い出の車たち」
Vol.3「“生きててよかった”と思う夜」
Vol.4「40万km……ハイエースとの思い出」
フラワーカンパニーズ『ハイエース』 – 歌詞ポスター
フラワーカンパニーズ ニューアルバム情報!
ROLL ON 48
◎フラワーカンパニーズ ニューアルバム『ROLL ON 48』絶賛発売中!
あがいてももがいても更なる未来へ転がり続け、希望を繋ぎ続けるフラカンの世界観を余すことなく詰め込んだ最強のバンド・アルバム!話題の新曲「ハイエース」他全11曲収録。
*アルバム特設サイトはこちら
http://flowercompanyz.com/rollon48/
参考価格: ¥
(2019年05月29日現在)
フラワーカンパニーズ公式サイトはこちら!フラワーカンパニーズ Official Site
取材:朽木一輝、田神洋子、宇野智
撮影:市川晶
文:朽木一輝、田神洋子
編集:田神洋子
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...