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V型エンジン・W型エンジンの構造と仕組み|搭載車やそれぞれのメリット

V型エンジンとは?

メルセデス・ベンツ V6エンジン
メルセデス・ベンツ V6エンジン

レシプロエンジンとは、シリンダー(気筒)内をピストンが往復運動する機関を持つエンジンのことを言います。

市販車の多くは「直列型エンジン」と呼ばれるタイプが採用されています。何が直列かといえば、シリンダーが1列につまり直列に並んでいる構造なのです。

もう一つ「V型エンジン」と呼ばれるタイプがあります。V型とは2つのシリンダーが文字通り「V」の字のように2列になっています。

例えば6気筒エンジンですと、直列6気筒エンジンは6つのシリンダーがまっすぐ直列に並び、V型6気筒エンジンでは、V型の2列にシリンダーが3つずつ並ぶ構造となります。

車で市販化されたV型エンジンは、今までにV4、V6、V8、V10、V12、V16まで存在しています。

V型エンジンの音

こちらの動画は、V6気筒のエンジン音と排気音集をご紹介しています。

V型エンジンの構造・仕組み

V6エンジン ピストン
©Maksym Yemelyanov/stock.adobe.com

上の写真をご覧ください。これはV型6気筒エンジンです。左右に3つずつピストンが「V」の字に配列されていることがわかります。

その下にあるのがクランクシャフトと呼ばれるものです。クランクシャフトには全てのピストンが繋がっています。
ピストンとクランクシャフトの間にある棒状の部品をコンロッドと呼びます。

各ピストンで得た動力をクランクシャフトに回転運動として伝達します。この回転運動が、クラッチなどを経由して駆動輪に伝えられることによって車は走ることができます。

アルファロメオ V6 ターボエンジン
©Wolfgang/stock.adobe.com

V型エンジンと聞くと、高性能なスポーツカーのエンジンとして聞くことが多いのではないでしょうか?

自動車最高峰レースF1のエンジンもV型エンジンを採用しています。V型エンジンがスポーツカーやレースカーで採用される理由は、V型エンジンの構造とメリットに答えがあります。

V型エンジンの構造

V型エンジンのシリンダー列をバンクと呼びます。左右両バンクの「V」の字の角度のことをバンク角といいます。

バンク角はエンジンの気筒数と振動バランスの関係によって異なってきます。一般的なV型エンジンのバンク角は、V6とV12は60度、V8は90度、V10は72度を採用されています。

V12の場合は更に180度のバンク角を持つエンジンも存在します。180度というと水平対向エンジンと思われがちですが、その違いはクランクシャフトとコンロッドが接続される位置です。

左右バンクで対になる2つのコンロッドがクランクシャフトの同じ位置で接続されているのが180度V型です。それに対して対になるコンロッドがクランクシャフトの別々の場所で接続されているのが水平対向エンジンです。

これはエンジン内部の話なので、エンジンの外観からV型か水平対向かを見極めることは非常に困難です。

水平対向エンジンについて詳しくはこちら!

V型エンジンのメリットとデメリット

V型エンジンは、直列型エンジンに比べ、どのようなメリット、デメリットががあるのでしょうか?

そして、スポーツカーやレースカーで採用される理由はなんでしょうか?その課題を解決するのがV型エンジンなのです。

V型エンジンのメリット

  • バンクを左右に分けることでエンジンの全長が短くなる
  • エンジン高が低くなることから車の重心を下げることができる
  • 片バンクだけでも動力を得て走ることが可能である

V型エンジンのデメリット

  • 直列エンジンに比べ横幅が広くなる
  • 各バンクにカムシャフトが必要で部品が多くなり複雑になる
  • 部品が多くなることでエンジンの重量が増える

高級車や大排気量車によく用いられる

スポーツカーやレースカーでV型エンジンがよく採用されるのは、コストや複雑さといったデメリットよりも、エンジンの全長が短くなることで搭載位置をできる限り車の中心に配置すること、車の重心を下げることで、車全体の重量バランス、コーナーリングの速度をあげることができるからです。特にレースでは、0.1秒を争うため必要な条件になります。

車自体の性能が向上する多気筒(6気筒以上)では、全長を抑えているV型エンジンの方が、限られたスペースに搭載しやすくなります。(エンジンの補機類をバンク間に配置することによって、エンジンが幅広くなった部分をある程度補填することが可能です。)

よって高性能な大排気量スポーツカーや、重量がある高級セダンの最上位に位置する特定のカテゴリーにおいては、V型エンジンを採用する車種が多いと言えます。

2列あるV型エンジンでは、片方1列のバンクを休止してエンジンを動かす仕組みを持ち、パワーが不要なときに走行時の燃費の向上が図られているモデルがあります。

V型エンジンの歴史

パッカード120
出典:wikipedia.org Author:Lars-Göran Lindgren Sweden CC 表示-継承 3.0
画像はパッカード120、8気筒エンジンを搭載。

自動車用ガソリンエンジンの発達は19世紀末期に始まったと言われています。

その初期過程で高速化と大排気量化を両立させる目的があり、当初の単気筒から2気筒、4気筒と気筒数が増加し1900年代初頭には直列6気筒まで出現しました。

しかし、その頃から長すぎるクランクシャフトが生産時の加工精度と搭載スペースの確保、高速回転時の振動などに制約を及ぼすとされ、これ以上の多気筒化は停滞することに。

1914年アメリカのキャデラックが当時の高級車で主流であった直列6気筒に対抗するようにエンジンの多気筒化による低振動・高回転化と、エンジン自体の小型化を両立させる目的で実用水準に達したV型8気筒エンジンが開発されました。

これに対抗するようにアメリカの自動車メーカー、パッカードが1915年に「ツインシックス」と称するV型12気筒エンジンを開発、更に他社からもV型8気筒、V型12気筒が輩出されました。ついにはV型16気筒まで出現するなど、アメリカの高級車業界においては1920年代以降、多気筒V型エンジンが勢いを得ました。

しかし、当時の自動車ではボンネット短縮の必要性が必ずしも強くはなく、クランクシャフトは長くなるがより、製造しやすい直列8気筒も、1920年代後半以降の高級車で広く親しまれました。

V型エンジン搭載車の代表例

フェラーリ F8 トリブート
V8エンジンを搭載するフェラーリ F8 トリブート

V型エンジンは多くの車に搭載されています。昔からV型エンジンはスポーツカーに多く採用されてきましたが、最近では高級セダンにも採用されています。

国産車ではV6を採用した日産 GT-Rや新型NSXが有名です。8気筒以上になると、外国車が多くメルセデス、フェラーリ、ランボルギーニが有名です。

V6からV12までのエンジンを搭載する代表車をご紹介します。

V型6気筒エンジンを搭載する代表車

ホンダ 初代NSX

ホンダ 初代NSX

日産 GT-R

日産 GT-R 50周年 アニバーサリーモデル
日産 GT-R 50周年 アニバーサリーモデル

アウディ S4

アウディ S4 セダン 2015年

V型8気筒エンジンを搭載する代表車

マクラーレン 650S

マクラーレン 650S クーペ

3.8L V型8気筒 DOHCツインターボエンジンを搭載しています。

フェラーリ 488GTB

フェラーリ 488GTB

3.9L V型8気筒 DOHCツインターボエンジンを搭載しています。

シボレー コルベット C7

シボレー コルベット C7

6.2L V型8気筒OHVスーパーチャージャーエンジンを搭載しています。

V10エンジンを搭載した代表車

レクサス LFA

レクサス LFA

4.8L V型10気筒 DOHCエンジンを搭載しています。

アウディ R8

アウディ R8 クーペ

5.2L V型10気筒 DOHCエンジン を搭載しています。

ランボルギーニ ウラカン LP610-4

ランボルギーニ ウラカン LP610-4

5.2L V型10気筒 DOHCエンジンを搭載しています。

V12エンジンを搭載する代表車

メルセデスベンツ マイバッハ S600

メルセデス ベンツ マイバッハ Sクラス 2015年

6.0L V型12気筒 SOHCツインターボエンジンを搭載しています。

フェラーリ F12ベルリネッタ 6.3L

フェラーリ F12ベルリネッタ

V型12気筒 DOHCエンジンと搭載しています。

ランボルギーニ アヴェンタドール LP700-4

ランボルギーニ アヴェンタドール LP700-4

6.5L V型12気筒 DOHCエンジンを搭載しています。

V型エンジンを搭載するトラックも!

トラック
©xiaosan /stock.adobe.com

スウェーデンのセーデルテリエに本社をおく、大型トラック、バス、産業用エンジンの製造メーカーのスカニアは戦後の輸送力拡大の需要に合わせて、排気量の増大、直噴化など様々な新技術を生み出しました。

1969年にさらなるエンジンのパワー強化を目的として、トラック用にV8エンジンを採用し50周年以上が経ちました。

執筆者プロフィール
MOBY編集部
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新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...
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