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飛び石によるフロントガラスの傷は事故扱い!車両保険や修理・交換費用はどうなる?
目次
飛び石でのフロントガラス破損は避けるのが難しい
車を走らせていると、前方から石が飛んできて車体に傷がつく可能性は付き物です。
「飛び石」と呼ばれる現象は、前を走行している車のタイヤが路面に転がっている石を拾い、弾いた方向が悪く後続車のボディなどに直撃してしまうのを指します。みなさんも車を運転していて、前述の例のような経験があるかもしれません。
飛び石は、ボディに当たると傷や凹みができる程度で済むケースが多いですが、ガラスとなれば話は別です。フロントガラスに直撃すればヒビが入り、破損に繋がりかねません。アクシデントに見舞われたらどう対処すればよいのでしょうか。
飛び石で破損したフロントガラスの修理・交換方法と必要な費用を解説します。
どの程度のフロントガラス傷なら修理できる?
飛び石で破損したフロントガラスを修理するにはどのような基準で判断するとよいのでしょうか。
多少の傷やヒビであれば、カー用品店やホームセンターで売っている修復用キットを使って自分自身で直したり、そのまま放置して車を使い続けても問題ないと考えるでしょう。
しかし、傷やヒビを直さない状態で車を使い続けると、状態が悪化して修理をしなければならなくなる、あるいはガラス交換を余儀なくされるかもしれません。
以下、フロントガラスの修理を判断する基準や、対応してもらえないケースを解説します。万が一、愛車のフロントガラスにアクシデントがあったときの参考にしてみてください。
硬貨の大きさと同じくらいならガラス交換を行ったほうがよい
傷やヒビの大きさが、少なくとも100円玉や500円玉などの硬貨と同じくらいとなっていたら、修復ではなくガラスごと交換するとよいでしょう。
傷やヒビが大きくなると、自分自身で修理する、あるいは修理業者でもガラスの修復が不可能な領域となり、ガラス自体の交換を薦められるケースが多いです。仮に修復できたとしても、保安基準195条の窓ガラス項目で掲げられた内容を達成できず、強度や安全性の問題で車検に合格できない可能性も考えられます。
車検に適合しないリスクを加味して、フロントガラスを交換してしまうのが無難な選択となるでしょう。
傷やヒビが小さくてもガラス交換となるケースも
一方で、傷やヒビが小さくて、一見修理の必要がなさそうでもガラス交換を求められるケースがあります。
傷やヒビの深さや位置によってはのちに状態が悪化し、保安基準195条に提示された内容に満たなくなる可能性が考えられるでしょう。
専門の修理業者に傷やヒビの状態をチェックしてもらい、修復か交換のどちらがよいか判断してもらうと安心です。
飛び石で破損したフロントガラスを直す方法
破損したフロントガラスは、自動車ディーラーや専門の修理業者に修理を依頼するケースが無難な方法ですが、小規模であれば自分でリペアキットを使って修復も可能です。
ただし、ディーラーや専門の修理業者のメカニックの手腕は優れているため、コストをかけてでも修理を依頼するのが得策でしょう。
ディーラーや修理業者に傷やヒビを直してもらう
所有している車を購入したディーラーや販売店、あるいは専門の修理業者に依頼して、傷やヒビが入った箇所にメカニック自ら修復の作業を行います。
事前の予約に対応しており、手っ取り早い作業で仕上げてもらえる修理業者があるため、事前に条件を確認して依頼先を選ぶとよいでしょう。
ディーラーや修理業者にガラスごと交換してもらう
修復と同様、所有している車を購入したディーラーや販売店、あるいは専門の修理業者に依頼して、フロントガラスを丸ごと交換するというもの。
修復と比較して、交換作業に時間がかかるほか、車種に合ったサイズのガラスを発注するなどの手間がかかります。数日から数週間は車を修理先に預けることとなるでしょう。加えて、全国出張にも対応している専門の修理業者もあるため、自宅や仕事先に居ながらフロントガラスの交換ができるのも注目です。
また、純正品だけでなくUV(紫外線)カットができる高級ガラスにも交換可能となります。上級グレードのガラスに交換すれば、快適性を高められるでしょう。
自分で傷やヒビを直す
車の所有者が交換対象のガラスを探し出し、自身でDIYにて交換作業を行うケースがあります。しかし、ガラスの取り付けがしっかり行われていないと、安全に車を扱えなくなるほか車検に不通過となる可能性があります。
フロントガラスの修理・交換を行うなら、ディーラー、もしくは専門の修理業者に依頼するのを優先すべきでしょう。
飛び石で破損したフロントガラスの修理費用
飛び石で破損したフロントガラスの修理費用はどの程度かかるのでしょうか。以下、簡単に金額を表にしてピックアップしてみました。
修復および交換、それぞれのケースで基準の金額を挙げています。
修復代金
フロントガラスの傷やヒビをリペア作業で修復するケースでは、専門の修理業者を利用するのと自動車ディーラーや販売店に依頼するのとでは大きな差があるようです。
修理業者に依頼するなら、傷やヒビの修復にかけられる予算が少なくても依頼しやすいメリットがあります。
自動車ディーラー、販売店 | 30,000円~ |
専門の修理業者 | 15,000円~ |
交換代金
フロントガラスを交換する際の代金は、少なくとも8万円から10万円程度の予算が必要となるのが特徴です。
ディーラーでは純正品への交換が前提となります。しかし、専門の修理業者では社外品のフロントガラスを取り扱っている事例もあり、純正品よりも安く交換できる可能性があるため注目です。
純正フロントガラス | 100,000円~ |
社外製フロントガラス | 80,000円~ |
フロントガラスの修理に車両保険が使える条件は?
条件が揃えば、フロントガラスの修理費用に車両保険が充てられます。しかし、以下の条件を満たしているかどうかは把握したいポイントです。
- 車両保険の補償内容にフロントガラスの項目が含まれているか
- 不可抗力(もらい事故など)で、自身の故意で起こした原因以外の事故で破損したかどうか
加入している車両保険にフロントガラスを破損した際の補償がされる項目が含まれているか確認しましょう。保険会社の用意している条件によっては、補償対象外となるため注意です。
また、自分の運転ミスによる事故ではなく、トラックの荷台から石が落下してきて、フロントガラスに直撃したなどの原因でなければ、車両保険を適用するのは難しくなります。
近年は前方を見渡すドライブレコーダーを装着している車が多くなっています。フロントガラスとなれば事故時の映像が映り込むため証拠を残せるでしょう。
加入している保険会社よりドライブレコーダーに記録した映像の提出を求められたら、欠かさず応じる必要があります。
飛び石が原因でフロントガラスを修理・交換する際の注意点
飛び石が原因でフロントガラスを修理・交換する際の注意点は以下の2点です。
- 車両保険を使うなら事故扱いとなり、等級が下がって保険料が増加する
- 結果的に自己負担の金額を出さなければならないケースもある
修理・交換の際、車両保険を使って修理する手段がありますが、適用させると「事故扱い」を受けて、結果的に保険の等級が下がり保険料が増える可能性があります。保険を活用できたと思っても、負担がのしかかってくることもあるため注意したいポイントです。
また、保険を適用できても、補償金額が少なく自己負担しなければならないケースもあります。もし、金額が少ないようであれば、保険を使わずにフロントガラスの修理・交換をするのも検討すべきではないでしょうか。
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- 執筆者プロフィール
- 長谷川 優人
- 1990年生まれ。30代突入と同時期にライター業を開始。日常系アニメと車好き。現在所有はワゴンR(MH95S)。アニメ作品の聖地巡礼などで、各地へドライブに出かける。