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オービスとは?何キロオーバーで光る?光らせた後の罰金など解説

オービスとは

©晋 宮本/stock.adobe.com

オービスとは、車の走行速度をセンサーで測定し、速度違反している場合に証拠写真を自動撮影する装置です。正式な名称を「自動速度違反取締装置」といい、日本では1970年代後半に初配備されました。

近年は初期のオービスが撤去されつつあり、旧型機の代わりに新しいタイプのオービスが登場しています。また、従来であれば高速道路や幹線道路が中心だったオービスの配備場所は、生活道路にも広がっています。オービスへの理解を深めるために、現役で配備されているオービスの種類と特徴を見ていきましょう。

オービスの種類

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固定式オービス

大型支柱(F型支柱や門型支柱など)や路肩の支柱などの、特定の路上設備に常設されるオービスを固定式オービスと呼びます。固定式オービスには種類が複数あり、各タイプでセンサーやカメラ、見た目などが異なっています。

レーダー式オービス

「レーダー式オービス」は、違反車両の検知にレーダー波(マイクロ波)を用いるタイプの固定式オービスです。走行車両に放ったマイクロ波と反射波の周波数差から車速を算出する仕組みになっており、写真撮影はフィルムカメラで行います。

レーダー式オービスのセンサーは大型支柱の上部に、カメラは路肩の支柱に設置されています。四角いセンサーのみが設置されている大型支柱に遭遇したら、レーダー式オービスの可能性が高いと思ってよいでしょう。

Hシステム

「Hシステム」はレーダーセンサーとデジタルカメラを備える固定式オービスです。いわばレーダー式オービスの進化版であり、撮影データを通信回線で警察へ送信する仕組みになっています。

フィルム交換の必要がないことから、Hシステムのカメラは大型支柱の上部に設置されています。センサーとカメラが設置された大型支柱を見かけたら、Hシステムの可能性が高いと思ってください。

ループコイル式オービス

「ループコイル式オービス」は、道路に埋設したループコイル(磁気センサー)により、走行車両の速度を測定する固定式オービスです。レーダー式とともに古くからあるタイプであり、写真撮影は路肩に設置したフィルムカメラで行います。

ループコイル式オービスのセンサーは地上からは見えません。撮影用カメラは路肩に自立しているので目視できますが、筐体が比較的コンパクトなため、遠くからでは存在に気付けない場合があります。

LHシステム

「LHシステム」はループコイルにより車速を測定し、デジタルカメラで撮影を行う固定式オービスです。つまりはデジカメ仕様のループコイル式オービスであり、カメラ部分は地上の大型支柱に設置されます。カメラ、ストロボ、回転灯の3点が設置された大型支柱を見かけたら、LHシステムだと判断してよいでしょう。

なお、首都高速道路には「LS型」と呼ばれるオービスが設置されています。LS型はLHシステムの小型版といえるタイプで、ループコイルで車速を測定し、路肩のデジタルカメラで写真撮影する方式を採用しています。

レーザー式オービス

「レーザー式オービス」は、レーザースキャンによって走行車両の速度を計測する固定式オービスです。現在までに下記の4タイプが確認されており、うち2タイプでは老朽化したオービスを部分的に流用しています。

  • Lp型=路肩に設置されるボックスタイプ
  • Ls型=大型支柱に設置されるタイプ
  • Li型=ループコイル式オービスのカメラ筐体に内蔵するタイプ
  • LiH型=路肩のセンサーで速度測定し、LHシステムのカメラで撮影するタイプ

Lp型とLi型は路肩の筐体が、Ls型とLiH型は大型支柱が目印になります。ただし、ほかのタイプのオービスと見分けることは難しいかもしれません。

移動式オービス

本体がコンパクトで移動可能なオービスを「移動式オービス」と呼びます。従来であれば、移動式オービスといえばワンボックスカーの車内で速度測定する「車両移動式オービス」を指しました。現在は車両移動式は廃止されており、以下に解説する4タイプの移動式オービスが活用されています。

可搬式オービス

「可搬式オービス」は軽量で1〜2名での運搬が可能な移動式オービスです。機種には下記の3つがあり、いずれも畳1枚分ほどのスペースがあれば設置できます。

  • LSM-300=レーザー式でモノクロ撮影する機種
  • LSM-310=レーザー式でカラー撮影する機種
  • MSSS=レーダー式でカラー撮影する機種

可搬式オービスの登場により、生活道路へのオービスの配備が可能となりました。三脚で立てられた機器と警察官を路上で見かけたら、移動式オービスによる取り締まりを行っていると思ってよいでしょう。

半可搬式オービス

「半可搬式オービス」は、バッテリーが内蔵された台座に、レーザー式ユニット「LSM-300HK」を備え付けて使用する移動式オービスです。LSM-300HKの基本性能は可搬式のLSM-300と変わりません。

半可搬式オービスは台座が大きく重量も50kgほどあるため、移動にトラックを必要とします。この反面、数日間の連続運用が可能であり、路肩に無人で配備される場合もあります。

半固定式オービス

「半固定式オービス」は、道路脇に備え付けたケース内でLSM-310を稼働させる移動式オービスです。収納ケースは取締地域の複数箇所にあり、定期的にオービス本体の配備場所が変更されます。ケースの形状は横長の長方形ですが、屋根付きの設備に収納されている場合もあります。

新型レーダー式「SSS」

埼玉県と岐阜県には、路肩のポールに立てて使用する新型レーダー式オービス「SSS」が配備されています。SSSは固定式といえる機種ですが、移設が容易なため半固定式または半可搬式とも呼ばれています。なお、SSSは小型かつ形状がスリムなため、走行中の発見が難しいかもしれません。

光電管式移動オービス

2020年9月に「光電管式移動オービス」のテスト機が目撃されて話題となりました。光電管式は従来よりネズミ捕りに使われている測定方式で、2組の機器の間に放った光線がさえぎられるタイミングから車速を計測する仕組みになっています。

光電管式の速度測定機はごく小型なうえに、レーダー探知機で発見できません。もし光電管式移動オービスの本格的な配備が決まれば、最も発見が難しいオービスとなるでしょう。

オービスは何キロオーバーで反応する?

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制限速度を何キロオーバーして走るとオービスが反応するのか、具体的な基準は公表されていません。ただ、「一般道では制限速度プラス30km/h以上、高速道路では制限速度プラス40km/h以上の速度でオービスが光る」というのが定説です。

定説のとおりであれば、オービスは赤切符レベルの速度違反にのみ反応することになります。赤切符とは、6点以上の違反点数が付く場合に警察から交付される書類(告知票)の通称です。

日本にオービスが導入された1970年代後半には、警察による無断での写真撮影が肖像権侵害にあたるとして、多数のドライバーが裁判を起こしました。結果として最高裁で示された「赤切符レベルの速度超過に対してはオービスで撮影しても違憲にならない」との見解が、現在の定説の根拠となっています。

移動式オービスは青切符レベルでも反応する

移動式オービスの配備が広がった現在、従来の定説に一致しない取り締まりが行われるようになっています。生活道路に配備した移動式オービスにより、制限速度15km/hオーバー程度の違反を取り締まるケースが出てきているのです。

オーバー30km/h未満の速度超過は青切符レベルの違反(違反点数6点未満の違反)であり、定説ではオービスの撮影対象になりません。しかしながら、生活道路では軽微なスピード違反でも周囲に危険が及ぶため、オービスが反応する速度を従来の基準より下げていると考えられます。

オービスを光らせたら後の対応方法

©akiyoko/stock.adobe.com

オービスが速度超過を検知すると、ストロボの発光とともに写真撮影が行われます。この段階で違反の証拠写真が撮られたことになりますが、検挙されて処罰を受けるのは後日となります。オービスを光らせてから処分が決まるまでの流れや、検挙に備えて押さえておきたい対応ポイントを見ていきましょう。

オービスを光らせてから処分までの流れ

赤切符レベルの速度超過でオービスを光らせてから、違反に対する処分を受けるまでの一般的な流れは次のとおりです。

  • 警察から出頭通知が届く
  • 事情聴取を受ける
  • 裁判所から出廷通知が届く
  • 略式裁判を受ける
  • 罰金を納付する
  • 行政処分が課される

上記は速度超過の程度が比較的軽く、悪質な違反ではないと検察に判断された場合の流れです。各ステップの詳細を見ていきましょう。

警察から出頭通知が届く

オービスを光らせてから1週間〜1ヶ月後ほど経つと、撮影された車の所有者宛てに出頭通知書が届きます。速度違反をした運転者は、通知書に記載されている日時に指定場所へ出頭しなければなりません。通知書の指定どおりに出頭できない場合は、警察に連絡することにより、出頭する日時や場所を変更してもらえます。

事情聴取を受ける

通知書に従い警察署に出頭すると、オービスが撮影した写真の確認や、撮影当時の状況の聴取などが行われます。運転者がその場で違反を認めれば、赤切符が交付されて警察署での刑事上の手続きは終了です。なお、運転者が違反を否認した場合は、正式裁判で事実を争うことになります。

裁判所から出廷通知が届く

警察署で赤切符を受け取ると、後日に裁判所から出廷通知書が届きます。裁判所に出廷する時期は、赤切符の交付から数日〜1ヶ月後あたりとなることが一般的です。

略式裁判を受ける

出廷通知書に従い裁判所へ出頭すると、審理を「略式裁判」で進めてよいか確認されます。略式裁判とは、書面による審理のみで処罰を決める裁判手続きです。略式裁判に同意すると、処罰が決まるまで裁判所内で待機することになります。

罰金を納付する

悪質性の低い速度超過に対する処罰は、罰金刑となることがほとんどです。略式裁判により決定した罰金を裁判所内で支払えば、速度超過に対する刑事処分は完了します。なお、速度超過に対する罰金額の詳細は後述します。

行政処分が課される

交通違反に対する行政処分の手続きは、刑事上の手続きとは別個に進められます。赤切符レベルの速度超過で検挙された場合は、警察署から呼出通知を受けたうえで、免停処分となるでしょう。処分を受ける時点の累積点数や前歴によっては、免許取り消し処分となる場合もあります。

オービスを光らせたら検討したい対応ポイント

オービスを光らせたからといって、必ずしも出頭通知が届くわけではありません。ただ、通知書が届いた後の対応については、早めに検討しておいた方が賢明です。特に次の3点については、なるべく早く対応を決めた方がよいでしょう。

  • 速度超過を自認するか否か
  • 行政処分の軽減を求めるか否か
  • 免許停止処分者講習を受けるか否か

上記の3点は、速度超過に対する処分の重さや、違反に関する手続きが終わるまでの手間と費用に影響します。各ポイントの詳細を見ていきましょう。

速度超過を自認するか否か

オービスが光ったときの状況を思い起こし、スピード違反はしていないと確信した場合は、違反を自認するか否か検討する必要が生じます。というのも、違反の否認により検察との正式裁判になれば、多大な時間と労力を裁判に費やすことになるからです。

また、速度超過をしていないことが事実だとしても、裁判で思うような結果を得られるとはかぎりません。とはいえ、身に覚えのない違反は認めたくないものです。違反を否認すると決めたら、まずは今後の対応について弁護士に相談した方がよいでしょう。

行政処分の軽減を求めるか否か

交通違反に対して重い行政処分が予定される場合、処分を決定する前に「意見の聴取」が行われます。意見の聴取は違反者が行政に意見を述べる場であり、聴取の結果によっては処分が軽減されます。ただし、弁護士のアドバイスなしで、処分の軽減を得ることは難しいかもしれません。

オービスを光らせた時点で累積点数や前歴があるなら、まず意見の聴取に参加するか否かを決め、参加する場合は弁護士を雇うことも検討してください。なお、意見の聴取の対象となるのは、90日以上の免停または免停取り消しになる場合に限られます。

免許停止処分者講習を受けるか否か

速度超過により免許停止が決まった方は「免許停止処分者講習」を受講できます。免許停止処分者講習は名称のとおり免停になった方を対象とする講習で、受講態度やテストの結果次第では免停期間が大幅に短縮されます。

ただし、免許停止処分者講習を受講できる期間は、免停期間の2分の1までにかぎられています。また、講習の受講には手数料(11,700円、19,500円、23,400円のいずれか)が必要です。免停期間が短く、車に乗れなくても大きな不便が生じない場合は、受講を見送ってもよいでしょう。

オービスを光らせたら罰金はいくら?

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オービスを光らせてしまうと、速度超過に対する処罰を受けることになります。固定式オービスを光らせた場合は赤切符レベルの違反となるため、軽微な違反が対象の「交通反則通告制度」は適用されず、刑事罰を受けることになるでしょう。

速度超過に対する刑事罰は、6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金となっており、多くの場合は略式裁判により罰金刑が決まります。罰金額の目安は、速度超過50km/h未満の場合で6〜8万円程度です。超過50km/h以上で検挙された場合は、満額の罰金10万円を科せられる可能性があります。

なお、赤切符レベルの速度超過で検挙されると、最低でも違反点数6点がつくため一発免停は免れられません。また、罰金刑はれっきとした刑事罰であるため前科がつきます。たかがスピード違反と甘く見ていると、前科により人生に悪影響が出る場合もあるので注意しましょう。

青切符レベルの反則金はいくら?

前述のとおり、移動式オービスは青切符レベルの速度超過でも光る場合があります。

青切符レベルの違反で検挙されると交通反則通告制度の対象となり、罰金ではなく反則金を納付することになります。具体的な反則金額と、ドライバーにつく違反点数は次のとおりです

  • 高速道路(超過35〜40km/h未満)=35,000円(3点)
  • 高速道路(超過30〜35km/h未満)=25,000円(3点)
  • 超過25~30km/h未満=18,000円(3点)
  • 超過20~25km/h未満=15,000円(2点)
  • 超過15~20km/h未満=12,000円(1点)
  • 超過15km/h未満=9,000円(1点)

青切符レベルの違反は刑事罰の対象ではないため、検挙されても前科はつきません。とはいえ、何度も検挙されると違反点数が累積して、免停や免許取り消しになる可能性があるので要注意です。

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執筆者プロフィール
MOBY編集部
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新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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