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ノックダウン生産とライセンス生産の違いは?「三菱ジープ」などメリットも解説
ノックダウン生産とライセンス生産、どちらも現地製造の手法
国産車、輸入車問わず、いまや各国のクルマが世界を走っています。自動車産業はますますグローバル化を加速させ、日本のクルマも自国の人でさえ想像もできないような場所を走っていることは珍しくありません。
クルマのグローバル化の根底にあるのが、輸出です。すぐに思いつくのは、自国で生産した製品を船舶に積んで、直接海外に輸出する方法です。
この方法もまだまだ使われていますが、国によっては「ノックダウン生産」や「ライセンス生産」といった現地製造の手法が使われています。では、その違いとはどういうものなのでしょうか。
自動車メーカー側にメリットが多いノックダウン生産
ノックダウン生産とは、クルマを構成する部品を相手国に輸出し、相手国内の工場で組み立てて完成させる方式のこと。このような方法を取るのには、いくつか理由があります。
第一に関税です。基本的に国は、自国の産業や農業を守るために輸入品に関税をかけます。とくに自動車には、高い関税が課せられている場合があるのです。
自動車メーカーにとって、高い関税を払うことは経営にとって負担になります。そこで、関税が安い部品の状態で輸出し、現地で組み立てるノックダウン生産が有効になるというわけです。
これは相手国にとってもメリットがあります。完成品の状態よりも供給が安定しており、さらに自国内の雇用を創出できます。また、自動車産業の根本を根付かせることもできるわけです。
一方、メーカーは高い関税率を回避できるだけでなく、運搬のための輸送費を大幅に圧縮することが可能です。また船舶で輸送中にある破損などのリスクも回避できます。加えて、ある程度出来上がった部品で輸出するため、生産時に技術を盗まれるという危険性も下げることができます。
- 執筆者プロフィール
- 山崎 友貴
- 1966年生まれ。四輪駆動車専門誌やRV雑誌編集部を経て、編集ブロダクションを設立。現在はSUV生活研究家として、SUVやキャンピングカーを使った新たなアウトドアライフや車中泊ライフなどを探求中。現在の愛車は...