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車のエンジンの仕組み|ギア・クラッチの動きやクランクなど徹底解説
エンジン=タイヤを回す仕組み
車が前進または後進するためにはタイヤを回す仕組みが必要です。
前輪を例にしますと、左右の両輪には車軸と呼ばれる棒が通っていてその車軸を回すことで動きます。
エンジンは車軸をくるくると回す仕事をしています!
日本を代表するエンジンを紹介!
技術大国日本の自動車のエンジンは世界でも認められる高性能なものが多く、また多くのファンのいる名エンジンと呼べるものもあります。
以下のリンクで、それらをご紹介していますので気になった方はぜひご覧ください。
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エンジンの中身はどうなっているの?
車軸を回すために、クランクシャフトと呼ばれる棒を回すことがエンジンの目的です。
クランクシャフトにはジグザグにクランクがついていて、クランクの一番上のピストンを下へと押せばクランクシャフトがくるりと回ります。
また、クランクシャフトが回ればピストンは上下する動きになり、元の位置へ戻ってきます。
この回転力を車軸へと伝えて車を動かす力にしています。
自転車も同じ考え方です。クランクとクランクシャフトがペダルでピストンが自分です。
立ちこぎするとなんとなく実感できるかもしれません!
昔の蒸気機関車の車輪も、手動のカキ氷機のハンドルもフラフープも同じ理屈だったりします!
エンジン、ギア、クラッチの働き
クランクシャフトの回転力をギアボックスへつなぎ、ギアを回します。
ギアボックスへ回転力を伝えるのがエンジンの役割で、ギアボックスは車軸へと伝えることが役目です。
また、クランクシャフトの回転力をずっとギアに伝えていると車輪の回転を止めることができなくなる(ブレーキを押しっぱなしにするしかなくなる)ので、その制御をするためにクラッチというものがあります。
クラッチ板がエンジンとくっつくと回転力が伝わり、離れると伝わらなくなります!
マニュアル(MT)車のギアボックス
変速機がついたマニュアルミッションギアのギアボックスです。
見た目にも歯車がかみ合って動いている様子がわかりやすいです!
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AT車のギアボックス
AT車のギアボックスは筒型をしていてかなり複雑です。
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ニュートラル(N)はギアボックスへ回転力を伝えない(クラッチ板が離れている状態です)。
ドライブ(D)は車軸へと伝えます(クラッチ板がくっついている状態です)。
リバース(R)は逆回転を車軸へ伝える(クラッチ板がくっついている状態です)。
DとRはギアボックスでギアを組み変えて回転を逆にしています。
ちなみにギアボックスのことを、「トランスミッション」と呼んでいます。
4サイクル(ストローク)エンジンとは?
一般的なガソリン車のエンジン
ガソリン車で一般的な4サイクル(ストローク)エンジンは4つの行程を繰り返しています。
2サイクルや他の構造のエンジンもありますが、扱いやすく能率と振動が少ない等の理由で4サイクルエンジンが広く普及しています。ほとんどがこの構造です!
ピストンはシリンダーと呼ばれる筒の中にあり、シリンダーの中を上下に動いています。
クランクシャフトが回転し、ピストンが下に下がって隙間ができるときにガソリンと空気を入れます。
そして、ピストンが上に持ち上がってきたときにグーッとガソリンと空気を圧縮して、点火プラグで電気を飛ばして火をつけます。
するとその爆発力でピストンが押し下げられ、クランクシャフトが回転し、またピストンが上に戻ってきます。
クランクシャフトが回転し続けることによって、ピストンもずっと上下を繰り返しているのです!
4サイクル(ストローク)エンジンの4行程
吸気
吸気バルブと呼ばれるところからガソリンと空気を吸い込みます。
ピストンが下がるときにシリンダー内の気圧が下がるのでそこへ燃料を押し込みます。
ターボでは、通常よりも多い燃料を強引に押し込みます。
燃料のことは混合気(ガソリンを霧状にして空気と混ぜたものなので)と呼ばれる事もあります。
圧縮
吸気バルブから燃料を入れ終えたら、効率よく燃えるように燃料を圧縮します。
ピストンが上に限界まで持ち上がったら準備完了です。
燃焼
圧縮した燃料に点火して燃やします。
この力を使ってピストンの上下を繰り返します。
上まで持ち上がっていたピストンが、爆発力で一気に下へと下がります。
排気
ピストンが再び上へと持ち上がるときに排気バルブを開いて、押し上げたピストンの勢いで燃えカス(排気ガス)を外へと吐き出します。
このままだととってもうるさいですし煙くて臭くて迷惑なので、排気パイプを通して排気を綺麗に音が少なくなるようにしています。
そして、またピストンが下がるときに排気バルブを閉じて吸気バルブを開いて吸気を。
と、この行程をエンジンがかかっている間はずっとしています!
エンジンの仕組みは面白い!
エンジンを取り巻く細かい仕組みは時間が経つとともに大きく変わりましたが、基本構造は今も昔もずっと同じです。
エンジンの置き方も車の前(FFやFR)だったり後ろ(RR)だったり真ん中(MR)だったりと、かなりの変り種もあります。
横方向にピストンが動くように配置したり(水平対向型)、90度角度を変えて動いていたり(V型)、ピストンが三角形でくるくる回るという、上のまとめも半分くらいは通用しない(ロータリー型等)タイプもあり、多種多様に存在します。
最近注目の電気自動車は、電気でモーターを回して車軸へ回転力を伝えますので燃焼が必要ありませんし、ピストン運動が要らないのでクランクシャフトも必要ありません。
エンジンの仕組みや構造は様々な方々がチャレンジして、今もしているのでしょう。
振動が少なくなるように、性能が高くなるように、燃費が高くなるようにと工夫を凝らした結果、オーソドックスなものを突き詰めたり、さらに斬新設計なエンジンへと変化していくことでしょう。
理解とこだわりができると愛着も湧くもの。
車の仕組みに関する理解を深めて、もっと車を楽しみましょう。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...