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キャブレターとは?仕組みやインジェクションとの違い、清掃方法を解説
目次
キャブレターとは?仕組みと構造
キャブレターとは燃料をエンジンに供給するための装置です。
しかし現在販売されている現代のクルマには装着されておらず、現代ではインジェクションとよばれる装置でエンジンに燃料を供給しています。
インジェクションはクルマのコンピューター電子制御で燃料の供給がコントロールされていますが、キャブレターは電子的な制御は全く行われておらず、アナログな制御で燃料の供給をコントロールしています。
キャブレターの仕組みと構造
キャブレターは内部の気圧の差を利用して燃料を吸い上げ、空気と燃料の混合気を作ります。気圧の差があまりイメージできない方は、建物のドアを想像してみてください。
自身が建物の外に出ようとしてドアを閉めようとした際に、室内と室外の気圧の差によって、ドアが勢いよくバタン!と吸い込まれるようにして閉まってしまうことがあると思います。
空気は気圧の高いほうから低い方に流れていきます。つまり、室内の気圧のほうが低いために、吸い込まれるように勢いよくドアが閉まってしまうのです。
これをキャブレター車に当てはめると、室内=エンジン、室外=燃料ホースという認識になります。気圧の高い燃料ホース側から、気圧の低いエンジン側へ、燃料が供給されるというしくみです。
ただし、車はアクセルの開度によって適切な量の燃料を供給しなければ、エンジンのパフォーマンスを最大限に引き出せません。
そのため、キャブレターには、エンジンの回転数によって、低回転用、中回転用、高回転用のジェットやニードル(燃料を供給するもの&調整するもの)が用意されており、適切な燃料量を自分の手でセッティングする必要があります。
インジェクションとキャブレターの違いは?
キャブレターは、現代のインジェクターと比べると、より古典的なアナログ制御で燃料を供給しています。
そのため、キャブレターは自分の手によって、燃料の供給量をセッティングしてあげる必要があります。しかし、インジェクションは燃料の供給量をコンピューター制御によってコントロールしています。2つの大きな違いはこの点です。
前述の通り、キャブレターの場合は低回転用、中回転用、高回転用とそれぞれのエンジンの状況下によってアナログ的に最適な燃料の供給量をセッティングしてあげる必要があります。
インジェクションの場合は、それらの状況下での燃料供給量をコンピューターによって制御し、エンジンのパフォーマンスを最大限利用しています。
これは、キャブレターが、気圧の差によってエンジンに燃料を供給しているのに対し、インジェクションは、気圧の差を利用せずに燃料ポンプによって電子的に燃料をエンジンに供給しているからです。
そのため、インジェクションの場合、燃料ポンプにトラブルが起きてしまうと、エンジンにガソリンが供給されなくなってしまい、エンジンが動かなくなってしまいます。
その点、キャブレターの場合は燃料ポンプが存在しないため、燃料ポンプのトラブルが発生することはありません。しかし、気圧の差を利用するアナログ制御のため、気温や湿度など周辺環境により左右されやすく、キャブレター本体の扱いがインジェクションよりも繊細でデリケートな機構となっています。
昔、言われていた「今日はキャブの調子がわるい。」なんていう言葉も、インジェクションとはこういう構造の違いがあるため、言っていたんだというのがわかりますね。
キャブレターのセッティング方法
キャブレターは前述の通り、気温や湿度によって性能が左右されてしまうため、その都度自分の手によってセッティングしてあげる必要があります。
キャブレターのセッティングに関しては、キャブレターの各メーカー毎に違いがあるため、メーカーの取り扱い説明書などをよく確認する必要があります。
例えば、ジェットの穴の大きさなどは素人の知識では対応できないことがほとんどのためプロに任せるのが間違いないでしょう。
走行中のちょっとしたセッティングなどは、ニードルの調整によって行うことができます。
プラグやエンジンの状態でセッティングできる
セッティングの際は、プラグの焼け具合が重要になってくるため、セッティングを変更するたびに、プラグの状態をチェックしましょう。
基本的には以下がセオリーとなります。
- プラグが真っ白→プラグが焼けすぎ→燃料を濃くする
- プラグが真っ黒でしけっている→プラグがかぶりすぎ→燃料を薄くする
プラグのほかにも、アクセルを踏み込んでそれぞれ低回転、中回転、高回転でのエンジンの状態によっても、キャブレターの状態を把握することができます。
- 低回転でアクセルを踏み込んでもエンジンがついてこない→かぶり気味→燃料を薄くする
- 高回転でアクセルを踏んでも最高回転数まできれいに吹け上がらない→かぶり気味→燃料を薄くする
- 高回転まで気持ちよく吹け上がるけど、息継ぎしてしまう→焼け気味→燃料を濃くする
このように、エンジンの状態によって把握することもできます。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...