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車は水深何cmで動かなくなるか知ってる?ドアが開かなくなるのは意外と早い!脱出の備えも
愛車が水没したらどうなる?

台風などで短時間に大量の雨が降ると、排水が追いつかず道路が冠水することがあります
冠水の程度によっては、重い車でも流されてしまう危険性があります。
しかし、実は少しの水深でも車に深刻な影響を与えることをご存じでしょうか。
水深の深さ別に車への影響を3段階に分けて説明します。
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水深30cm程度:電気系統の故障やエンジン停止

車の床面を超える水深30cm程度でも、車内に水が入り込み、電気装置が故障する可能性があります。
また、マフラーから水が浸入すると、エンジンルームが損傷する恐れも出てきます。
その結果、以下のような不具合が発生するかもしれません。
- 自動スライドドアやパワーウインドウが動かなくなる
- エンジンやモーターが停止し、再始動できなくなる
電気自動車(BEV)やハイブリッド車(HEV、PHV)の場合、駆動用バッテリーに水が浸入すると、車両が停止する恐れがあるため特に注意が必要です。
車両が停止した場合は安全のため直ちに脱出するべきですが、自動スライドドアやパワーウインドウが開かないおそれがありますので、手動で開閉できる脱出口はどのドア、ウインドウになるか確認しておくことが重要となります。
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水深50cm程度:ドアが開かなくなる

水深がドアの下端に達すると、車外からの水圧が非常に高まり、車内からドアを開けるのが困難になります。これは、水の力が想像以上に大きいことを示しています。
ドアが開かない場合は、ウインドウから脱出しなければなりませんが、パワーウインドウは前述のとおり開かないおそれがあるため、その場合はドアウインドウを破壊して脱出してください。
ウインドウは想像以上に頑丈です。素手で破壊することは難しいため、脱出用のハンマーを用意しておくことでスムーズに破壊することができます。
万が一ハンマーの用意がない場合はヘッドレストを外し、柄の金属部分をウインドウの隙間に差し込んで手前に引くと、テコの原理で強い力が加わりガラスを割ることができます。
なお、SNS等では、車のキーやスマートフォンなどを使用して割ることができるとする情報も発信されていますが、JAFが行った実験ではまったく割ることができませんでした。
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水深100cm程度:車両が浮いて流される

タイヤが完全に水没し、水深が約100cmに達すると、車体が水に浮いてしまい、移動が困難になります。さらに、水深がドアの高さの半分を超えると、内側からドアを開けることはほぼ不可能になるでしょう。
車内に浸水した水の高さが外側と同じくらいになると、内外の水圧差がなくなるため、内側からドアを開けられるようになりますが、そのタイミングを待つのは危険です。一刻も早く脱出しましょう。
前述したとおり、ウインドウを破壊して脱出します。
なお、面積が大きく脱出しやすいように思えるフロントガラスや一部のドアガラスは割れにくい合わせガラスとなっているため、合わせガラスではなく強化ガラスを使用しているドアガラスを割ってください。
所有している車のガラスの性質や脱出のために割るウインドウについては、車の説明書かメーカーへの問い合わせ等で事前に確認しておくと安心です。
交通事故やニュースに使われる言葉
安全に走行できる目安と走行速度の影響

※浸水による車両への影響については、車両形状や設計により異なります。特に、車高が低い車両では影響を受けやすいため、注意が必要です。
JAF(日本自動車連盟)が実施した「冠水路走行テスト」では、2,000cc級のセダンは水深30cmの冠水路までは走行できましたが、水深60cmになるとエンジンが停止したという結果が出ています。この30cmという水深は、国土交通省が公開している画像でいう床面の高さに相当します。
水深30cm程度であっても、走行速度が大きいと、車両が巻き上げる水や発生する波により、吸気口からエンジンに水が浸入し、最悪の場合、エンジンが停止して動かなくなる恐れがあるのです。
また、車高が低い車両や、水流がある場所では、わずかな水深でも車両が流される危険性が高まります。冠水路を走行する際は、水深だけでなく、速度や水流の有無にも十分に注意を払う必要があります。
加害者の常套句「この程度で大げさな」
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...