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DCTとは?仕組みと構造、メリット&デメリットを解説
DCT(デュアルクラッチトランスミッション)とは
DCTとは「デュアルクラッチトランスミッション」の略です。ATの変速機構のひとつで、その名の通り2つのクラッチ(動力伝達装置)を持っている機構を言います。
CVTの採用が多い日本車ではあまり聞きなれない名称かも知れませんが、トルコンATの多い欧州ではコンパクトカーをはじめ積極的に採用されていた時期がありました。
ATやCVTとの違いは?
CVTもATの一種ですが、ギアを持たないCVTとギアが存在するATでは明確な違いがあります。多段式がAT、無段階式がCVTと言うと分かりやすいでしょうか。
DCTやトルコンATは、CVTに比べて鋭い変速がメリットです。CVTはスムーズなぶん、スポーティな動きは苦手です。
さらに、DCTはあらかじめ次の段のギアを用意しておけるので、従来のトルコンATに比べて素早く変速できます。
DCTの構造と仕組み
7速のエンジンの場合、DCTは1・3・5・7速の奇数ギアと2・4・6速の偶数のギアで構成されます。奇数ギアはインナーメインシャフトで繋がっており、偶数ギアはアウターメインシャフトで繋がっています。
この他にカウンターシャフトというものがあり、クランクから伝わった動力は最終的に、ここを通じて駆動輪に動力が伝えられるのです。
クラッチ操作が自動
DCTにおいては、クラッチ操作は電子制御により自動で行われます。奇数段の1・3・5・7速と偶数段の2・4・6速を交互に使用していくので、一部車種を除くほとんどの車では1段ずつギアが切り替わっていきます。
例えば、発進の際は自動的に1速が選択されます。1速で走っている間にあらかじめ次のギア(2速)を準備して回転数を合わせてくれています。
ある一定の速度や回転数になると、1速のクラッチを切り、素早く2速に切り替えます。2速に入ると隣り合わせになる1速と3速のギアを回転数を合わせ準備しておきます。同じ要領で、次々とシフトチェンジを行っていきます。
AMTとの違い
クラッチ操作を自動化しているという点では「Automated Manual Transmission(自動MT)」ことAMTとDCTは同じです。
AMTは基本的な機構はMTと同じですが、クラッチ操作とシフトチェンジを電子制御、自動化したものです。日本では「セミAT」「2ペダルMT」などと呼ばれます。
全ての速度域(回転数)や操作においてクラッチの手動操作が不要なDCTとの違いは、発進、停車時のみクラッチ操作が必要なものも含まれる点です。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...