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牽引免許はどんなとき必要?取得方法や費用、難易度を解説

牽引免許とは?

牽引免許とは、車両の牽引を目的に用意された免許証です。牽引免許・牽引二種免許、けん引小型トレーラー限定免許の3種類が用意されています。

牽引免許の種類

牽引免許は3種類に分けられます。車両総重量750kgを超える牽引車両(重被牽引車両)を運転するのに必要な「第一種牽引免許」、旅客自動車運送事業で旅客の運送のために使われる牽引車を運転できる「牽引二種免許」、そして車両総重量750kg超〜2,000kg以下の被牽引車を牽引できる「牽引小型トレーラー限定免許」です。

これら3つの免許のうち、第一種牽引免許は年齢制限・取得免許の条件・取得の過程を基準にすると他の牽引免許よりも取得しやすいです。実際、プライベートで牽引する範囲なら第一種牽引免許でじゅうぶんです(詳しくは後述)。

ちなみに、車両総重量750kg以下の車両を牽引する場合には牽引免許は必要なく、普通免許があれば牽引できます。

名称と代表的な被牽引車

©xiaosan/stock.adobe.com

牽引する車両を牽引車、牽引される車両を被牽引車と呼ぶことがあれば、前者をトラクター、そしてリアをトレーラーとすることもあります。

また、キャンピングトレーラー(キャンピング機能を備えているが自走しない車両)は代表的な被牽引車です。高速道路や堤防道路でよく見かけるキャリアカーや、タンクローリーなどの運搬物が積まれているところも被牽引車になります。

牽引免許の取得条件

牽引免許を取得にあたり、いくつかの条件を満たす必要があります。例えば、第一種牽引免許取得には次の条件を満たさなければなりません。

  • 年齢:18歳以上
  • 視力:両眼で0.8以上、一眼で0.5以上
  • 深視力:三桿法の奥行知覚検査器による3回の深視力検査で平均誤差が2センチメートル以下
  • 色彩識別能力検査:赤・青・黄色の識別ができる人
  • 聴力検査:10メートルの距離で90dB(デシベル)の警音器の音が聞こえること(補聴器により補われた聴力を含む)
  • 所有免許:普通自動車免許・準中型免許・中型自動車免許・大型自動車免許・大型特殊自動車免許のいずれかを所有していること。

第二種牽引免許は第一種とほとんど同じで、異なる点は年齢・運転期間・免許証の種類にあります。年齢は21歳以上であり、第一種免許を取得してから3年(効力が効いている期間で3年)を経過しているかつ第一種牽引免許を取得しているあるいは他の二種免許を持っていることです。

つまり、第二種牽引免許を取得するには第一種牽引免許の取得が不可欠ということになります。

第一種牽引免許の取得方法・費用・日数

第一種牽引免許の取得方法は2つに分けられます。1つは自動車学校で教習を受けて取得する方法、もう1つは運転免許センターで直接技能試験を受検する方法です。

自動車学校で取得する場合

©あんみつ姫/stock.adobe.com

自動車学校での取得を目指す場合、入稿費用・教習費用合わせて大体16万円ほど。

けん引免許の技能講習は最短12時限(第一段階5時限+第二段階7時限)ですから、毎日2時限ずつ講習を受けたとすると1週間以内に教習・検定を終えられる計算です。なお、学科試験は免除となっています。

とはいえ、ゆとりをもって自分の空いている時間に通うという取得方法のため、多くの教習所では、約3ヶ月間の取得期間を設けています。

運転免許センターで技能試験を受ける場合

運転免許センターで直接技能試験を受ける方法は、巷では一発試験の名称で知られています。1回の受検費用は6,100円で、内訳が試験手数料2,600円・交付手数料2,050円・試験車使用料1,450円)です。

しかし、技量によって時間がかかったり、試験日などによって合格までに日数を要したりする場合があります。

一発試験の難易度は高め

一発試験で牽引免許試験に合格する難易度は高いといえます。年度ごとの平均的な合格率は、毎年20%から25%ほど。ほとんどの人が4回から5回ほど受験してようやく合格するといった割合です。

指導員による事前練習もおすすめ

一発合格を目指すのであれば、牽引自動車の運転を練習できる免許センターや自動車練習場での事前練習がおすすめです。

練習の際には指導員あるいは安全運転指導員が同伴するので、多少の指導を受けながら一発合格に向けて経験を積めます。

1回あたり50分で料金はおよそ11,000円です。仕事の合間を利用して低予算で取得したい人におすすめです。

自動車牽引に関する道路交通法はどうなっている?

道路交通法は牽引に関する法律を取り決めています。例えば道路交通法第59条(自動車の牽引の制限)は次のことが記されています。

  1. 牽引される装備を備えている車両しか牽引してはいけない。
  2. 車両の種類で牽引できる数が異なる
  3. 牽引車両前端から被牽引車両後端までの距離は25メートル以下

補足すると、1は故障等の理由で車両を牽引せざるを得ない場合にはその限りではありません。

2については、大型自動二輪車・普通自動二輪車又は小型特殊自動車は1台まで。それ以外の自動車は2台までの牽引が許可されています。

3に関しては、公安委員会による走行道路の指定または時間の限定の許可を得れば、25メートルを超える場合にも牽引走行できます。

牽引に免許が必要か・不要かを判断するポイント

上述した通り、被牽引車の車両総重量は免許の必要・不要を判断する要素の1つです。

750kg以下の被牽引車を運ぶなら、牽引する車両の免許を持っていれば問題ありません。トレーラーの車検証にある車両総重量が750kg以下で、実際に必要な荷物を乗せた状態で750kgを下回っていればOKです。

「牽引する車両の免許」と書きましたが、牽引免許を持っているからといって普通自動車免許で中型自動車を運転するような行為は道路交通法違反となります。

特に中型・準中型自動車免許はこの点で複雑ですから、よく確かめてから運転しましょう。

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執筆者プロフィール
中華鍋振る人
中華鍋振る人
自動車とバイクに関連する記事を書いています。モータースポーツは観戦よりも参戦派。道交法や違反に関する情報を、法律に詳しくない人にもわかりやすく解説しています。

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