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チェンジレバー操作をマスターしよう!初心者でもシフトミスしないコツは?【くるまTips】
チェンジレバーは、車の速度を変えて動きをコントロールするための装置です。ハンドルやアクセル、ブレーキはそのコントロールをサポートする装置だと考えてください。では、チェンジレバーの役割をMT車(マニュアル)とAT車(オートマ)に分けて具体的にみていきましょう。
MT車のチェンジレバーで選択できるギア
MT車のチェンジレバーには以下のような種類のギアがあります。
- N(ニュートラル)
- 1速(ローギア)
- 2速(セカンドギア)
- 3速(サードギア)
- 4速(トップギア)
- 5速(オーバートップギア)
- R(バックギア/リバース)
N(ニュートラル)は、どのギアともかみあっていない状態で、アクセルを踏んでも車は動きません。一時的に停車するときなどに使うギアです。
1速(ローギア)は、力が一番強く、速度は一番遅い状態のギアで、主に発進する時に使用することから「発進ギア」などと言われることもあります。1トンほどある重い車を動かすために、発進時は強い力が必要ですが、速い必要はないため速度は出ないギアとなっています。
2速、3速、4速と上がっていくにつれて、速度は速く、力は弱いギアへと変化していきます。
R(バックギア/リバース)は、バックする時に使うギアで、1速と同じように力は強く、速度は遅いギアです。
車によっては6速以上あることも
ちなみに、ここでは5速までを掲載していますが、車によっては6速、7速もあります。かつては、4速ギアまでの車が主流の時代がありました。
そのため、4速を一番速いトップギアと表現していましたが、現在は5速以上の車も多いため、トップギアとは言わなくなってきている傾向があります。
MT車の変速時の注意点
クラッチを確実に踏み込む
MT車の場合は、必ずクラッチを踏み込んでギアを変えなければいけません。クラッチを踏むことで、ギアの噛み合わせが離れてギアを別のギアに変えられるためです。
クラッチの踏み込みが足りずにギアを変えようとすると、今までのギアが完全に離れておらず、故障してしまう可能性も。クラッチは必ず奥まで確実に踏み込んでください。
手に力を入れすぎない
変速する上で、確実に入れなければいけないという思いから、力が入ってしまい、逆にうまく変速できなかったというケースがあります。
ギアを変える時は、チェンジレバーに手を添える程度に軽く持って操作しましょう。力みすぎは、違うギアにいれてしまう原因にもなります。
チェンジレバーを見つめない
初心者にありがちなのが、操作するたびにチェンジレバーを見つめることです。
チェンジレバーの位置を確認するため、レバーを見つめてしまうという初心ドライバーもたくさんいますが、よそ見運転になるので危険です。
チェンジレバーの位置を確認したいのであれば、目ではなく手で軽く握って確認するようにしましょう。
AT車のチェンジレバーで選択できるギア
AT車のチェンジレバーには以下のような種類のギアがあります。
- P(パーキング)
- R(リバース)
- N(ニュートラル)
- D(ドライブ)
- 2(セカンドギア)
- L(1/ローギア)
- M(マニュアルモード)※車種による
- B(ブレーキモード)※車種による
- S(スポーツモード)※車種による
AT車にはMT車にはないP(パーキング)があります。駐車する時やエンジンをかける時に使います。ギアがロックされるため、不意に動き出す心配がないので、駐車する時は必ずPに入れることが重要です。
D(ドライブ)もAT車にしかありません。車の発進から加速、停車までをDで行うためのギアです。Dだけで、MT車でいうところの1~5速の変速を自動で行ってくれるという便利なギアです。
走行中のギア操作が不要になるので、他の操作に集中できるというメリットがあります。
2(セカンドギア)やL(1/ローギア)はいつ使う?
2(セカンドギア)やL(1/ローギア)は、主にエンジンブレーキをかける時に使うギアです。
車種によっては、2やLはなく、AT車でありながらマニュアルのような操作ができるマニュアルモードを意味する「M」、ブレーキモードを意味する「B」、スポーツモードを意味する「S」が付いていることも。
BもSもエンジンブレーキを必要とする時に利用するため、表記は違っても2やLと同じような役割を果たしています。
AT車の変速時の注意点
ブレーキを踏んでからチェンジレバーを動かす
AT車はD(ドライブ)で発進から停止までできるので、走行中にギアを変えることはほぼありません。走行中にエンジンブレーキを使うためにDから2やLに変えることはあったとしても、基本はDのままです。
そのため、チェンジレバーを操作するのは、発進するためにPからDへ変えたり、駐車するためにDからPへ変えたり、バックするためにDからRに変えたりする時です。
つまり、停車しているのが前提となるので、ブレーキを踏まないとチェンジレバーの操作ができないことがほとんどです。確実にブレーキを踏んで操作する必要があります。
ボタンが付いていても押し続けない
AT車のチェンジレバーにはボタンが付いていますが、押すのはPからRやDへ変える時と、DからRやPへ変える時のみです。
それ以外の操作時にはボタンを押す必要はありません。このボタンは、変速時に勢い余って意図しないギアに入ってしまうことを防ぐ役割があります。
また、走行中に肘掛けのようにチェンジレバーを握ったままだったり、ボタンを押し続けたままだったりすると、ギアがいつの間にか別のポジションになっていた、なんてこともあります。
チェンジレバーにボタンがなければ確実な変速を確認
車種によっては、チェンジレバーにボタンがないものもあります。その場合、レバーを倒すようにして変速していくことになります。
ボタン付きのチェンジレバーと比べて若干力が必要になることがあるため、確実に変速できたかを手と目で確認することが重要です。
ただしMT車と同様に、目での確認は一瞬で済ませてチェンジレバーは見つめないようにしてください。
チェンジレバー操作は優しくするのがコツ
初心者にありがちなのは、力んでしまって誤操作してしまうこと。車の装置は軽い力で誰でも簡単に操作できるように設計されているものです。ハンドルにせよ、アクセルにせよ、チェンジレバーにせよ、強い力は不要です、
今まで、少しでも力を入れていたと感じたら、チェンジレバーを軽く優しく動かしてみてください。
また、車種によってチェンジレバーの形状や操作方法が違うこともあります。どのように操作するのか確認してから運転すると安心です。
チェンジレバーは車の動きをコントロールする重要な役割を担っていますので、 優しく、正確な操作を心がけましょう。
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- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...