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元教習所教官が伝授!バック駐車で上手に切り返すコツは3つだけ【くるまTips】

「切り返し」ってどんな操作?

©Andrey Popov/stock.adobe.com

車の向きや方向を変えることを「切り返し」と言います。ハンドルを行きたい方向とは逆に切って、前進したり後退したりすることです。

つまり、車の向きを変えてやり直すテクニックのことを意味しています。

車と左右の壁やガードレールなどの障害物との距離が近くなる狭い道や、カーブでハンドルを切るタイミングを間違ってしまったときなど、切り返しを行う必要があります。

また、バックで車庫入れする際も、ハンドルを逆に切って車を動かす必要があるでしょう。

このように切り返しを行う際は、何かにぶつからないように確認しながら、ゆっくり車を動かすというシチュエーションがほとんどです。

【丁寧に確認】切り返しのやり方は?

切り返しは、前方と後方の2パターンでやり方が分かれています。ここでは、車の左側が引っかかり通れなくなった場合を想定して考えてみましょう。

前方(左前輪)が通れないとき

  1. 後方の安全を確認する
  2. ハンドルを右(進む方向と逆)に目一杯切ってバックする
  3. 停止して前方が広くなったら左(進む方向)にハンドルを切る
  4. 車の前方の距離を確認しながら進む

「2」で注意してほしいのは、バックしすぎないということです。前方に通れるだけのスペースが確保できたら、必要以上にバックするのは控えましょう。後方の障害物に接触する危険があります。

後方(左後輪)が通れないとき

  1. 後方の安全を確認する
  2. 左にハンドルを切ったまま、そのままバックする
  3. 左側方に充分な広さが確保できたら停止し、ハンドルをまっすぐに戻す
  4. 左後輪の距離をサイドミラーで確認しながらハンドルを左に切って進む

「2」では、ハンドルを切った状態から動かさず、「ハンドルをそのまま」にしてください。ハンドルを左に切ったままバックすれば元の位置に戻れるため、左側方のスペースを広くできるわけです。

「4」でのサイドミラーは、角度調節が可能であれば少し下向きにして、左後輪付近が見えるようにしておきましょう。タイヤが障害物に接触するかどうかの確認がよりしやすくなります。

前方であれ後方であれ、右側が狭くなって引っかかってしまう時は、逆の方法で対処してください。

前方か後方か分からないとき

切り返しが必要な時に焦ってしまい、どちらにハンドルを切ってバックするのか分からなくなるかもしれません。

その場合は、ハンドルを切らずにそのままバックしてください。

そのままバックすれば、何にもぶつからず、とりあえず元の位置に戻れます。そこであらためて、前方と後方のどちらが狭くて通れない状態なのか確認してください。

切り返しが必要になった原因を分析してみよう

なぜ切り返しが必要になったのか、原因を分析することも運転上達につながります。原因が分かれば切り返しの必要性や対処法が確実に理解できます。

1.道路の幅が狭いなどスペースがない

道路の幅が狭い時、あるいは、車庫の駐車スペースが極端に狭い時、切り返しが必要になることがあります。

運転の習熟度に関わらず、物理的な問題で切り返しが必要になるのは仕方がありません。

駐車場などでなるべく切り返しをしないで入出庫したいという場合は、道幅や駐車スペースの横幅を確認してみましょう。

2.前方(前輪)が引っかかる原因

ハンドルを切るタイミングが遅いと前に進みすぎてしまい、前方が狭くなります。また、ハンドルを切る量が少ないと前に進みすぎてしまいます。

さらに、速度が速くてもハンドルを切るのが遅れる原因となります。

3.後方(後輪)が引っかかる原因

ハンドルを切るタイミングが早い、または、タイミングが合っていたとしても、ハンドルを切る量が多いと後輪が引っかかる原因となります。

また、後輪は内輪差によって前輪の通る位置よりも内側を通過するという特性があります。内輪差の分のスペースを開けておかないと、後輪が引っかかり、切り返しが必要になります。

【これさえ覚えればOK】上手に切り返すコツ3選

コツ1.ハンドルを切る場合は目一杯

前方が狭くなった時は、ハンドルはできるだけ目一杯切って切り返してください。ハンドルをたくさん切っておけば、鋭角にバックできるので、移動する距離は少しで済みます。

コツ2.動くときは最徐行で

切り返しが必要になると、慌てたり焦りが生じたりします。ハンドルを切ることにばかり集中していると、アクセルを強く踏んで急なバックになりがちです。

切り返しを行う際の速度は最徐行を厳守してください。必要に応じて停止と最徐行、確認、ハンドル操作を交互に繰り返しながら慎重に切り返しを行ってください。

コツ3.ミラーを活用したり、窓を開ける

車に付いているルームミラーやサイドミラーは後方を確認するために取り付けられています。切り返しの時こそ、これらを活用するときです。

特に初心運転者は、バックする時に後方の確認が充分ではなく、接触事故を起こす傾向にあります。ミラーを使って死角となる部分をよく確認するようにしましょう。

ミラーでは見えない部分は窓を開け、顔や上半身を出して確認してください。

上手な切り返しは”冷静さ”から

切り返しが必要なシーンは、突然やってきます。いかに慌てずに、焦らずに、冷静に切り返しが実践できるか。それこそが成功の秘訣なのです。

その上で、速度に注意し、充分すぎるくらいの確認を行ってください。

路上では、何があっても落ち着いて対処できる冷静さを持ち合わせることが、ベテランドライバーへの第一歩と言えるでしょう。

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執筆者プロフィール
室井大和
室井大和
1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...

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