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サーモスタットとは?原理・仕組み・構造から故障時の交換方法・費用まで

サーモスタットとは?

サーモスタットのスペア部品
©Nikolay/stock.adobe.com

サーモスタットとは、設定された温度付近を保つように動作する温度調整を行う部品です。

身近な例でいえば、ヘアドライヤーなどに温度過昇防止装置などと記載され、やけどの対策に用いられています。自動車のエンジンでサーモスタットは、膨張収縮を利用した機械的な動きをする部品で、水冷式のエンジンに組み込まれています。

現在多くの車が水冷式のエンジンを搭載し、エンジンを循環する液体を利用して一定の温度を保つようにする仕組みとなっており、エンジンが熱で壊れないようにする重要な役割を持っています。

空冷式(エンジンを空気で冷やす方式)もありますが、走行風でエンジンを冷やす方式のため水冷式のほうが水温を安定させやすく、結果として近代的なエンジンはその多くが水冷を採用しています。そのため、サーモスタットはエンジンを構成する部品としてポピュラーな部品といえます。

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水冷エンジンの仕組みとサーモスタットの働き

エンジンのシリンダーボイル
©bankshutter/stock.adobe.com

水冷エンジンとは、LLC(クーラントと呼ばれる冷却液)をラジエーターで冷やし、エンジンの温度を安定させることで、オーバーヒートで壊れないように制御してます。

エンジンは金属でできているので、その膨張による隙間の変化、エンジンオイルの温度など、調子よく動ける理想の温度があります。いいかえれば、熱すぎも、冷えすぎもエンジンにとっては理想的な状態ではないということです。

つまり、エンジンにとって理想的な温度を作りだす部品の1つがサーモスタットとなります。エンジンが温まっていない時は、エンジンが早く温まるようにラジエーターとエンジン内のウォータージャケット(エンジン内の水路)を、サーモスタットが閉じることで水路をふさぎます。

付随する知識として、車の車内にはヒーターコアという小さなラジエーターがあり、この温められたLLCの熱(間接的にエンジンの熱)を利用して、暖房としています。簡単にいえば小さなラジエーターです。

エンジンが温まってくると、サーモスタットに内蔵されたパラフィンワックスが熱膨張をはじめ、サーモスタットが開きます。すると、エンジンで温まったLLC(クーラント)がラジエーターへ流れ、放熱できる環境が整います。放熱されて温度が下がったLLC(クーラント)は、再度エンジンへと送り込まれ温度の下がったLLC(クーラント)で冷やされます。

オーバークール(冷えすぎ)では、サーモスタットに内臓されたパラフィンワックスが収縮しはじめるので、再度水路が分けられ、温まると開くという動作を繰り返します。

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サーモスタットによる水温管理の重要性

ブルートゥースのスキャナー
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サーモスタットは76℃から86℃の間、パラフィンワックスによる膨張と収縮を繰り返します。また、開始温度から10℃から15℃で弁が全開になるものが多く、およそ80℃から100℃の間で安定するように作られています。

排気ガスの問題やパワーとも関係のある水温は、サーモスタットの反応温度を高めにすることで燃焼室内温度が上がり、少ない燃料でアイドリングができるようになり、COやNOxなどの排出量は低くなります。

逆に、パワーを求めるのであれば吸気温度を下げるため、70℃から80℃あたりの水温を目指し、サーモスタットの反応温度を低くするといった手法がとられます。

そんな水の門番ともいうべきこのサーモスタットのメンテナンスをしっかり行うことも、オーナーの役割です。近年ではOBD2ソケットから水温信号や油温なども取り出せます。

純正の熱いか冷たいかしかわからない温度計と比較すれば、数値的な判断もしっかりできるので、上手に利用したいアイテムでもあります。

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サーモスタットの交換時期と交換費用は?

エンジン室のメンテナンスをする整備士
©Shutter2U/stock.adobe.com

車は機械の集合体なので、いずれ壊れるし、ひとつひとつの部品の多くは消耗品で、放っておいていいものではありません。サーモスタットもそんな部品の1つで、一般的に10年もしくは10万kmで交換といわれます。

たいていの場合、サーモスタットの交換と同時にベルトの交換、ウォーターポンプの交換を一緒に行います。それというのも、一般的にいわれる交換時期が同様の10年もしくは10万kmといわれているからです。

しかし、サーモスタットにアクセスするまでに、ベルト駆動のウォーターポンプならベルトは交換するし(電子式ではベルト自体ありません)、ウォーターポンプを外さないとサーモスタットにアクセスできないものもあるからだとも考えられます。

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自動車の部品交換などの作業は、工数によって工賃が決定するのですが、このようにまとまった部分で作業を依頼することで、工賃のコストを抑えることができます。そして、作業する側も、一度の分解から組み上げで問題部分をつぶせるので、何度も同じ車の同じ部分を外したり組んだりすることが無くなり、うれしい部分でもあります。

部品代はまとまったお金が必要になり、工賃もディーラーや工場によりまちまちですが、工賃が高い場所ほどメリットになるといえます。

ちなみに部品代としては、サーモスタットが3,000円前後、水漏れ防止のパッキン類が500円前後、LLCが1,500円/L前後、ウォーターポンプが1万5,000円前後、ベルトは1万円前後からとなります。

エンジン回りの補器類としては、比較的安い部品ともいえ、2年から3年交換といわれるバッテリーが1万円から3万円前後、オルタネーターは中古のリビルドでも5万円前後ということを考えれば、10年もしくは10万kmで部品代が3万円から4万円でおさまるのであれば、決して高い部品ではないことが分かります。

3回目や4回目の車検で交換検討を

正しい考えがひらめいた男性
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新車購入であれば、3回目や4回目の車検で交換を考えたほうがよい部品でしょう。たいてい人は都合がいいように考えますので、10年経過しているけど、10万km超えてないから大丈夫でしょうといった考えになりがちですが、できるだけ交換したほうがいい部品になります。

というのも、部品自体の経年劣化で、元の動きが損なわれていれば、期待通りの結果が得られないからです。

極端な例ですが、真夏の日陰の少ない高速道路で、エンジン故障してエンジンを始動できない、たまにしか出掛けないから、そんなに車使っていないから大丈夫だと思った、動かしただけで壊れたという原因はまさにこのメンテナンス不足なわけです。

つまり、サーモスタットも、ウォーターポンプも、ベルトも、サスペンションも、タイヤも、エンジンも、オイルも、消耗品といわれる部品が組み込まれているものの多くに寿命があり、使用するとともに消耗していくのも当然ですが、放置している間も実は消耗しているのです。

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サーモスタットを自分(DIY)で交換する方法

車の下からメンテナンスをする男性
©pixelia97/stock.adobe.com

中にはDIYで交換したいという人もいると思います。古いエンジンルームから地面が見えるようなスカスカの車では、比較的簡単に交換ができますが、近代的なエンジンルーム内にキッツキツに部品が詰まっている車では、かなりハードルが上がります。

例えば、配線を切らないように位置をずらす、邪魔になる部品を取り外すといった作業が発生します。これは、車種によって異なるので、それらを除いた一般的な手順を紹介します。

1.ラジエーター内に入っているLLCを抜く
2.サーモスタット周辺の部品を外す
3.サーモスタットを交換する
4.ガスケットやOリングなど、漏れ止め部品を新品にして組み上げる
5.LLCを注ぐ
6.LLCのエア抜きをする

これだけ見ると簡単そうですが、事前に下調べをしてスムーズにできるように、まずはイメージトレーニングから始めることをオススメします。

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壊れる前に定期的に診断・交換を!

エンジン部品の数々
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自分で作業するにせよ、工場でやってもらうにせよ、壊れてからでは手遅れになるサーモスタットなどの部品は機械を管理できない、機械の変化に気づけない人であればあるほど、定期的に交換すべき部品といえます。

それは、使えば寿命を削る、時間の経過で劣化が進むという消耗品のカルマであり、その集合体が車という乗り物だからです。趣味ではなく、日常的な使い方をする車で、一時的な出費を出し渋ったがために、結果として似たような中古車が買えてしまうほどの出費は本末転倒といえます。

知識は身を助けるという言葉がありますが、身だけではなく財布も助けるので、正しい知識を身にし、役立てるとより良いのではないでしょうか。

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