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現役ディーラー整備士がディーラー車検のメリット・デメリットなどを紹介!

トヨタのディーラーショップ
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車の車検をどこで受けていますか?

ディーラー、民間整備工場、車検専門店、ユーザー車検などひと言に車検を受けるといっても方法はたくさんあります。その中でもディーラーで新車を購入した方は、車検までをサポートしてくれるメンテナンスパックなどに入る方が多いのではないでしょうか。ディーラーごとに内容は違ってきますが、車検までの点検や整備料が安くなったりとお得な面も多く、納車後3年間の安心を買えることから利用されている方は多くいます。

そのような方がディーラー車検を受けることが多い中、民間整備工場や車検専門店で車検を通す方も大勢いるのです。ではディーラー車検とその他の車検方法では一体何が違うのでしょうか。

ディーラー車検のメリットは色々あります。その中でもメーカー直属のディーラー整備士に車を見てもらえるという安心感が、ディーラー車検の最大のメリットだともいえます。それに対し最大のデメリットは価格が高いという面です。ひと言に価格が高いといっても、なぜ高いのかを知っているのと知らないのとでは、意味合いが全く違ってきます。

今回はディーラー車検のメリットやデメリットを、現役ディーラー整備士が詳しく解説していきます。

ディーラー車検と民間車検の違いは?

現場で働く人と営業マン
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今回比較するのはディーラー車検と民間車検とになります。

この2つの車検の違いは

  • 料金設定の違い
  • 検査員の有無
  • 純正部品の取り扱いの有無
  • 車検整備以外のサービスの違い
  • 車に対する専門知識の有無

大きくこの5つが挙げられます。

民間車検を行っている整備工場といっても、その規模や人数、車検を受ける車の取り扱いは会社によって大きく違うため、上記に挙げた5つに当てはまらない部分もあることを理解しておいてください。しかし、一般的に見るとやはりディーラーの整備工場の方が規模が大きく、整備士の人数も多いという特徴があります。

ディーラー車検と民間車検どちらもメリットとデメリットがあり、次の章から詳しくお伝えしていきます。

ディーラー車検は高いの?その理由は?

電卓で金額を計算する
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「ディーラー車検は高い」という声をよく耳にすると思います。

ではなぜディーラー車検が高いのかを考えたことはありますか。民間車検では発生しない料金を取っているのではないか?そのように思われると、現在ディーラーで働いている身として、とても残念に思います。

ディーラー車検が高い理由は4つです。

  1. 整備料などの工賃設定が民間よりも高い
  2. 純正部品が高い
  3. 洗車などの料金も上乗せされている
  4. 予防整備とも呼ばれる整備により、民間車検では交換しない部品も交換対象に入っている

ではそれぞれを詳しく解説していきます。

整備料などの工賃が高い

車の整備をするメカニック
©chartphoto/stock.adobe.com

ディーラーでの整備料金と、民間での整備料金にはどうしても差が発生してしまいます。なぜなら人件費の単価が違うためです。

やはりディーラーの方が人件費が高く設定されているため、民間工場と同じ整備料金設定にしてしまうと、利益が出ないという面があります。

そもそも純正部品の値段が高い

車のパーツ部品
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知っている人も多いと思いますが、ディーラーではメーカーの販売する純正部品しか取り扱っていません。純正部品はどうしても価格が高く、色々な箇所のパーツを交換すれば、その分値段が上乗せされていってしまうのです。

純正部品と社外品の価格の差はパーツにより違いはありますが、中には社外品よりも2倍や3倍の値段のするパーツも存在します。つまり交換する部品点数が多ければ多いほど、その分料金が上乗せされてしまうということです。

民間車検では交換しないような部品もディーラー車検では交換部品に

チェックリスト
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純正部品が社外品よりも高いうえ、ディーラー車検では予防整備という整備を行っており、言い換えれば民間車検では交換対象にならないパーツも交換対象に入ってくるということでもあるのです。

例えばロアーアームブーツや、タイロッドエンドブーツなど車検時によく交換するゴム製のブーツがあります。これらのブーツ類は破けると車検に通りません。しかしひび割れ程度であれば車検を通すことができるため、安い車検をうたっている整備工場では交換対象から外れてしまう場合もあります。

ディーラー車検では車検後2年間安全に乗ることをベースに考えていることから、ひび割れが確認できた時点で、交換対象となるのです。

ディーラー車検では洗車代などのサービス料も上乗せされている

洗車をする男性
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また、ディーラーで車検を受けて洗車せずに帰ってきたという方はいないはずです。ディーラーでは洗車を必ず行います。

昔は洗車が無料でしたが、今は有料洗車になっているディーラーは多く、当然、車検内容に洗車料金も含まれます。有料化した背景には洗車にかかる時間や労力が、とても多くかかってしまうためではないでしょうか。手洗いで車を洗車したことがある方なら分かると思いますが、1台の車をキレイにしようとした場合、30分ほど時間がかかってしまうのです。

以上のことから、ディーラー車検は民間車検よりも料金が高くなってしまいます。

また違った角度から料金を見てみることもできます。そもそもなぜディーラー車検が高いという認識になったのでしょうか。

考えられる理由は、民間車検の金額をベースとして考えているためだと思われます。整備料金や部品料金のベースはディーラーです。ディーラーは料金を不正に高く設定しているわけではありません。つまり民間車検の金額が安すぎるとも考えられるのではないでしょうか。

民間整備工場もメーカーと同じ金額設定にしたいはずです。民間整備工場にはディーラーと同じ金額を請求してしまうと、全員ディーラーに持ち込んでしまうという背景があるのです。

ディーラー車検のメリット3選

いいねをするハンドマーク
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ディーラー車検のメリットはどのような点でしょうか。

民間車検では価格が安いという面がメリットにあたると思いますが、民間車検同様、ディーラー車検にもメリットがあります。

次の章からディーラー車検を受けることにより、どのようなメリットがあるのかをご紹介します。

車検後、安心して車に乗ることができる

運転をする女性
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ディーラー車検のメリットは3つあります。

まず一つ目が、車検後の安心感を買えるという点です。ディーラー車検では予防整備と呼ばれる整備を行います。予防整備とは車検後2年間、お客様に車を安心して乗ってもらえることを想定した整備のことを指します。

例えばブレーキパッドが3㎜程しかない場合、民間車検ならばブレーキパッドが3㎜でも車検を通すことができるので、交換対象部品にはならない場合があるのですが、ディーラーでは2年間整備を行わなかった場合、3㎜という厚さでは途中でトラブルが発生するだろうと考えます。ブレーキパッドを交換対象とし、お客様に車検見積もりを渡し説明を行います。

その背景にはトラブル防止という面もありますが、一番重点を置いているのはお客様に車の知識がないという前提の元、今後2年間安心して乗れるかどうかを判断基準としているのです。

ディーラー車検を基準に安心面をお伝えしましたが、決して民間整備工場での車検では車検後のことを全く考えていないというわけではありません。すぐに修理が必要な箇所があればしっかりと修理してくれますし、事前に危なそうな部分が合った場合交換してほしいと伝えれば、厳しく点検をし交換部品をチェックしてくれます。

ここでお伝えしたかったのは、ディーラーでは車検見積もりの際、民間車検よりも厳しくチェックされているということです。

直属のメーカー車種に詳しく、突然のトラブルにも対応できる

PCを開きながら電話をする女性
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二つ目は、ディーラーの整備士を長年続けている方は、そのメーカー車種にとても詳しいということです。

今現在故障していない場合でも、その車種がよく故障する箇所を点検し、交換が必要であれば見積もりの段階で説明を行います。しかし民間車検では様々な車種を取り扱うことから、ひとつの車種に対しての知識はとても浅く、車種別によく故障する点などを知る人はあまりいないのではないでしょうか。

つまり、民間車検に持ち込んだ車に車種特有のトラブルが発生しても、民間車検では対応できない可能性が高いといえるのです。そうなった場合はユーザー自身でディーラーに持ち込む、または民間整備工場がディーラーに投げる形となってしまい、料金も日数も予定より多くかかってしまいます。

担当営業がいるため個別で対応を行ってくれる

商談をする営業マンと老夫婦
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三つ目は、民間整備工場と違い、ディーラーには営業マンが在中しているということです。

お客様ごとに担当営業がつき、個別に対応してくれるのです。もし仕事が忙しく車を持っていけない場合でも、代車を持って引き取りに来てくれるため、利用する側にとっては負担が軽くなるのではないでしょうか。

また車の気になる点なども相談に乗ってくれるので、不安に思いながら車に乗り続けるといった心配はありません。

ディーラー車検のデメリット

仕事で悩む女性
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ディーラー車検の最も大きなデメリットは、やはり価格が高いという点です。

価格面ではどうしても民間車検より高くなってしまうのですが、ディーラーが高い理由は先ほどお伝えした通りであり、決して不当な金額を請求しているわけではありません。

「車検作業+サービス」を行っているディーラーでは、どうしてもサービス料がかかってしまいます。洗車などは行わなくてもいいという方からすれば、サービスが豊富であるという点はデメリットになり得るのではないでしょうか。

基本的に車にとっては純正部品を使用した方が良いですが、なにもかも純正部品にする必要はありません。ボルトのガスケットや、フィルター系、ワイパーゴムなどの消耗部品は、安くて品質の良い商品が社外品で多く出回っています。消耗部品もディーラーでは純正を使わなければならず、結果的に部品代が高くなってしまうのです。

他社の車に弱い

手を上げるビジネスマン
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また車は製造しているメーカーにより構造に特徴があります。

日本車であれば基本的な作りはどの車も同じです。しかしメーカーによって、取り付け方が違ったり、そもそもの作りが違う箇所も多くあります。ディーラーでは直属のメーカー車種ばかり取り扱うため、他社の車に関して知識がとても浅いという面もあります。

その点、民間整備工場では毎日様々な車種を触っているため、車種ごとの作りに関して詳しく、車種による整備方法などに関しても詳しい知識を持ちあわせているのです。ディーラー車検ではこのようなメリットやデメリットがあり、言い換えれば民間車検ではディーラー車検とは真逆のメリットデメリットがあるといえます。

どちらを選ぶかはユーザー次第ですが、どんな整備工場でも誇りを持って整備にあたっているということです。

ディーラー車検の見積もりを安くする方法は?

弁護士からアドバイスを受ける人
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高いといわれているディーラー車検でも、車検費用を安くする方法はあります。

ではいくつか方法をご紹介していきます。

車検に通る部分以外の作業を徹底的に断る

NOマーク
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ディーラー車検では車検を通すために必要な整備や交換作業も行いますが、それ以外のオプション的な作業も見積もり内に入っている場合があります。例えば下回り洗浄や、シャーシの錆止め作業は車検と全く関係がありません。

シャーシの錆止め作業とは錆びたシャーシ部分に黒い錆止めを塗ることで、車の劣化を防ぐ効果がある作業となります。車のシャーシとは人間でいう骨の部分にあたるため、ここが劣化してしまうと異音の原因や、車の剛性も落ちるので様々なトラブルの原因になり得るのです。

確かにとてもオススメな作業ですし、シャーシ部分は交換できるパーツではないので、錆びた部分を放置していると車の寿命を大幅に削ってしまうことにもなりかねません。しかしお金に余裕がないのであれば、わざわざ行う作業でもないので、作業をするかしないかは自分自身で選べばいいのです。

もちろんオススメ作業を断られたからといって、整備に手を抜くことはないので安心してください。

交換部品を持ち込む

交換タイヤ
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ディーラー純正の部品は社外品よりも高く、交換部品点数が多くなればなるほど高額な車検費用になります。そんな場合自分自身で交換部品を購入し、整備だけディーラーで行うという方法もあります。

例えばタイヤを持ち込むとします。オートバックスなどのカーショップではタイヤを持ち込んだ際、通常の工賃の1.5倍かかるなんてところもありますが、ディーラーではそのような設定がない店舗は多くあります。ネットでは同じタイヤでもかなり安く売られていますよね。そういったタイヤを購入し、車検時持っていくことでタイヤ代をかなり浮かすことができるのです。

しかしこの方法はディーラーにとって全くメリットがありません。ディーラーで働いている人も人間です。このような方法を何度も行っていると、あまりいい顔をされないということを覚えておきましょう。

ディーラーのメリットは、お客様ひとりひとりと親密な関係を築いていけるという点です。仲が良ければ営業時間外でも対応してもらえる可能性もあり、緊急を要する場合などはとても安心できると思います。

お金が全てではないですが、あまりメリットのないお客を相手にしたいと思う人は少なく、融通を利かしてもらえなくなってしまうことも考えられるのです。何か理由をつけてたまに行う程度であれば、このような方法もひとつの選択肢ではないでしょうか。

まとめ

自動車販売店に並ぶ車
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ディーラー車検にはメリットとデメリットが存在します。

最も大きなデメリットは民間車検に比べ価格が高いという点であり、高い理由としては純正部品の値段が高い、サービス料も含まれているなどが挙げられます。

メリットとしてはメーカー直属であることから取り扱い車種に詳しく、営業との関係を良好にすることで緊急時の際などに助けてもらえるという点です。

民間車検でもユーザーと信頼関係を結んでいる店舗はあると思いますが、チェーン店などの大勢の人を対象にしている店舗において、何時間もかけてひとりひとりの対応を行うのは難しいのではないでしょうか。もちろんここに書いたことが全てではないですし、店舗により対応に違いが存在します。

しかしディーラーはお客様から見たメーカーの信用を背負っているため、丁寧で慎重な対応を求められているといえます。

ユーザー車検、民間車検それぞれにメリットやデメリットがあるので、それぞれの良し悪しをしっかりと把握し、自分が求めているサービスを行ってくれる店舗に車検を任せることが大切です。

執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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